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新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各家庭にはもちろん、職場に常備するために体温計の需要数が上昇しています。わきに挟んで使うお馴染みのタイプや、口の中に入れて測定するものもあります。最近は、おでこやこめかみにかざすだけで検温ができる「非接触体温計」も人気ですね。
今回は、より正しく体温計を使うために、測定方法や仕組み、最新式体温計のご紹介もしていきます。
目次
そもそもなぜ「わき」で測定するのか
体温計と言えば、わき(腋)の下に挟んで使うタイプが一般的ですが、なぜそうなのでしょうか?
身体の温度は、脳や心臓といった重要な器官を動かすために、中心部のほうが安定しています。その温度はおおよそ37℃程度。反して身体の末端は、外気温に影響されやすいため数値にばらつきが出てきます。
体調の変化を正確に感じ取るためには、この中心部の温度、「中枢温(または核心温)」を測定する必要があります。
ですが、身体の中心の温度なんて、そう気軽には測れません…。
そこで、代わりにわきや口の中、耳やおしり(直腸)といった、体内の温度により近い部分での測定が一般的になっています。
体温計の種類と仕組み
様々なタイプ、用途の体温計が存在しますが、「測定方法」というくくりで分類すると、大きく以下の3タイプに分けられます。
より正確に測れる「実測式体温計」
測定部位の温度をそのまま測定します。わきや口で測定する、一般的な接触測定タイプです。体内の温度に近い数値を測定するためには、わきの測定で約10分程度測り続けなければいけません。
今は生産が終了していますが、ガラス製の水銀体温計と近いタイプです。
一般的に販売されているものの中には、後述する「予測式体温計」のシステムと併用して、より短い時間で測定できるように改良されています。
測定時間が短縮される「予測式体温計」
温度の上昇率を分析して、10分後の温度を予測して温度を算出します。
おおむね30秒から1分程度で測定が完了します。これは実際の体温ではなく、時間内にどのような体温の上昇があったかを計算し、「このまま測り続けていれば、10分後にはこの体温になっていますよ」と教えてくれるものです。
短い時間で計測できて便利ですが、実際の中枢温とは誤差が出やすいので注意してください。
短時間で大量に測定できる「赤外線体温計」
赤外線センサーを利用して温度を測ります。おでこやこめかみにかざすタイプや、耳に入れて測るタイプもこれにあたります。非接触式なので、人体だけではなく、室温や液体といった温度を測れるものも。
衛生的に使えるのはもちろんのこと、測定部位にかざしてボタンを押せばすぐに測れるので、不特定多数の計測が必要な場所では非常に重宝されます。
こちらも実測式に比べると誤差が生じるので、過信は禁物です。
正しい体温の測り方
実測式・予測式は「わきに挟んで待つだけ」、赤外線式は「かざしてボタンを押すだけ」…ではありません!間違った計測方法を続けると、体調の変化を見逃してしまう可能性があります。
わき・口に挟んで測る場合
わきの上から下に差し込むような形で計測することが多いと思いますが、実はこれは間違い。
正しくは、わきの下から上に突き上げるように差し込みます。わきの下にあるくぼみの真ん中あたりに、測定部(金属製の先端)が当たっていれば大丈夫です。そのままわきを閉じて、反対側の手で腕を抑えて、体温計がずれないように密着させます。
このとき、測定している側の手のひらは上に向けておくのが正しい姿勢です。
口で測定する場合は、測定部を下の裏の奥まで差し込みます。中心だと最奥まで入りきらないので、左右どちらかに寄せます。測定中は口を閉じて、鼻呼吸で時間を待ちましょう。
わきの測定は約10分、口の測定では約5分間、そのままの体制で計測します。
おでこやこめかみにかざして測る場合
簡単さ・速さが売りの赤外線温度計の操作にそれほど難しい点はありませんが、注意しなければならないポイントが2つあります。
1つは、髪の毛や帽子が間にあると正確な温度が測定できないということ。物体の表面温度を測るものですから、体温の影響がない髪や装飾といった障害物を取り除いてから測定しましょう。防寒のために髪を下ろしたり着こんだりする冬場は要注意ですね。
2つめは、外気温に影響されやすいので、帰宅してすぐや、空調が利きすぎた部屋では正しい温度が出ない、ということです。
真夏・真冬は室外気温の差が大きく出る時期です。風邪をひきやすい冬はもちろん、温かい時期の体温測定も日常的な習慣になりつつあるので、あらためてきちんとした測定方法を理解しておきたいですね。
体温計も進化している!
「触れずに体温測定」というだけでも驚きですが、最近はさらに進化した体温計が発売されています。
ケースが消毒しやすい体温計
接触型の体温計で気になるのは、やはり衛生面です。都度消毒・ふき取りをしていても、どうしても難しいのは体温計を保管する「ケース」。
ヒンジでふたが開閉するタイプは、測温部を差し込む最奥まで指が届かない…なんてこともあったかと思います。これが密閉されるような形ではなく、オープンになった形のものが販売されています。
体温計を持ち歩くようになった、という方でも、このタイプなら衛生的かつ安全に持ち運びできそうですね。
サーモグラフィーカメラ
荷物検査などで活用されてきたサーモグラフィー。温度によって物体がカラフルになる画面を見たことがある方も多いと思います。
今までの使用方法とは少し違いますが、不特定多数が集まる場所で、一度に大量の人数の体温を測れるものとして高い需要を得ています。ショッピングセンターや映画館、学校、病院といった、スタッフが一人ひとりの検温を実施するのが難しい場所で多く利用されています。
壁などに貼るセンサータイプ
サーモグラフィーと使い方は近いです。基本的には壁やドアに本体を設置して使います。温度が視認できるわけではなく、一定の体温を超えた人がセンサーに感知されると、アラームやライトで教えてくれる仕様です。通知があった場合は改めて別の体温計での計測が推奨されています。
特定の人だけ対面での検温を実施すればいいので、人件費カットと3密回避が同時に叶う製品です。
まとめ
体温は、身体の不調を教えてくれるサインの1つ。気軽にチェックできるがゆえに、実は正しいやり方を知らない方が多いそうです。かくいう筆者も、わきの上側から体温を測っていたうちの一人だったりします…。
間違った計測方法では、身体の不調に気付けなかったり、逆に誤った判断で病院にかけこんでしまったりと、混乱の一因になりかねません。
どんなものでも正しい使い方を知って、効果的に利用していきたいですね。
ライター:野倉
愛知 県内から 名古屋 を中心にホームページ制作を行っている会社
株式会社WWG(ダブルダブルジー)
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