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撮影会や大会、公式イベントなど、他にも様々なタイミングで著名人の写真を撮る機会がありますよね。
他にも、街中でばったり芸能人やYoutuberに会った時。お願いしたら、記念に写真を撮らせてもらえるかもしれません。
いつもなら会えない人物との写真。撮影許可をいただく方がほとんどだとは思いますが、もしかすると、許可をとらずに撮影したり、それをSNSやブログにアップしたりする人がいるかもしれません。
しかし、実はそれは黙認されていたり、見逃してもらえてるだけで、違法であったり、相手の権利を侵害している恐れがあります。
「みんながやっているから、多分大丈夫でしょ」「なんとなく、平気だと思う」と、知らないうちに法に触れたり、権利を侵害してしまっているかもしれません。
今回は、そんな複雑で、あいまいになりがちな権利について、紹介していきます。
厳密に言うと細部に異なる点がありますので、あくまで参考程度に、ご自身がブログやSNSなどで情報を発信する際に「もしかしてこれ、まずいかも…?」と見直すきっかけにしていただけたら幸いです。
目次
1.肖像権
芸能人や、スポーツ選手などの写真を無許可で掲載する場合、様々な権利問題につながる恐れがあります。どのような撮影、及び公開をした場合に、侵害になってしまうのでしょうか。おさらいもかねて、ざっくりと紹介していきます。
肖像権とは、容姿などを含む肖像を無断で撮影及び公表、使用されない権利のことで、憲法第13条に基づいた考え方と言われています。
大まかに言い換えれば、「被写体の許可なしに写真や動画を撮ったり、使ったりしてはいけないよ」ということですね。よく、著名人にのみ適応されると思われがちですが、厳密には一般人も有している権利です。
肖像権は、憲法や法律などで明文化されておらず、判例に基づいて認められた権利です。
また肖像権は、プライバシー権とパブリシティ権の、ふたつの側面を有しています。
1-1.プライバシー権
これは、ニュースや新聞などで目にする機会も多いかもしれません。
例えば、家の中を覗いたり、撮影をしたり、私生活を公開するとプライバシーの権利の侵害になってしまいます。
「休日に、散歩やショッピングなどで街を歩いている人の写真を、その人だとわかるように撮って拡散」といったことはしてはいけないよ。ということですね。
しかしここで問題になってくるのが、
「プライベートで街中を歩いている著名人の写真を、無許可で撮った場合」です。
実は、公人(公務員や議員のような公務についている人)は、ある程度肖像権で守られる範囲が制限されています。しかし公務についていない著名人はどうでしょうか。
芸能人やスポーツ選手などの著名人は、「みなし公人(準公人)」と呼ばれており、みなし公人はプライバシーの権利で守られる範囲が制限される場合があります。
なので状況によっては、プライバシーの権利の侵害を訴えることができないことも。
それはメディア等の人前に出ることで仕事をしているためだったり、また、それによる民衆への影響も確かなものだからです。
「人前に出ること」も仕事の一環なので、どこまで制限するかが難しいんですね。
しかし、みなし公人という言葉は法に則った呼び方ではなく、扱いとしては一般人と同じです。なので、判断のラインがとてもあいまいになってしまいます。
その問題を少しでも解消するため、次に紹介するパブリシティ権が誕生しました。
また、プライバシー侵害と混合されがちなのが、名誉棄損罪ですが、これらには明確な違いがあります。
プライバシー侵害は、人に見られたくない私生活上をあからさまにすることを指し、名誉棄損は、具体的な事実を示して、社会的評価を低下させることを指しています。
1-2.パブリシティ権
パブリシティ権は、商品の販売を促進させる目的、営利目的で、著名人の氏名や肖像を著名人の人格的利益から排他的に利用できる権利のことです。
ざっくりと説明すると、細部は異なりますが「自分の名前や肖像から発生する利益を独占できるよ」というイメージでしょうか。
なので、先ほど例として出した「街中を歩いている著名人の写真」に対して「私の写真には経済的価値があるから、勝手に撮ってはいけないよ」と言うことができる。といった感じです。
ぱっと見、プライバシー権と似ていますが、パブリシティ権はプライバシー権と違い、本質は財産的利益を保護しているものになります。
プライバシー権は、基本的に人格的利益を優先した考え方です。
プライバシーという視点から権利を主張するのが難しい人(芸能人やスポーツ選手など、人前に出ることが仕事の一環である人)に対し、「この人が人前に出ると利益が発生するから、その利益を守るため」という視点から主張できる権利なんですね。
ここでは、アプローチの種類が違うそれぞれの肖像権。のような感覚で大丈夫です。
2.著作権
これは肖像権にくらべ、多くの人は聞いたことがあるのではないでしょうか。
独自性のある創作物を保護するためのものですね。
著作物を、無断で転載や、私的な目的以外で利用してはいけない。というものです。
写真に限らず、映画や文章、音声など様々なコンテンツに適応されます。
ここでポイントになってくるのが、この権利を主張できるのはあくまで製作者という点です。
ですので、先ほど例に挙げた「街中を歩いている著名人の写真」に対し、著作権を主張できるのは撮影者、ということになります。
写真は「著作物」ですが、被写体は「著作物ではない」からです。
被写体である著名人は、著作権を主張することはできません。
3.具体的な例
では、以上の権利のあらましを踏まえたうえで、「有名人の写真をSNSやブログにUPする」ことについて具多的な例を挙げてみていきましょう。
また、ここでは基本的に許可を取らずに撮影した場合を想定しています。
実際は、可能であれば、極力本人や当人が属する組織などに直接確認をとり、判断を下しましょう。
芸能人や、アイドルなどであれば、SNSやホームページなどに記載されている場合も多いと思いますので、しっかりと目を通して確認しましょう。
①.著名人のオフ(家の中など)の写真を撮影した場合
これはいわゆる盗撮行為ですね。
言わずもがな、プライバシーの侵害ですので、絶対にアウトです。
他にも、住居侵入罪や、迷惑行為で略式命令も下される可能性が大きく、立派な犯罪行為として扱われる場合もあります。
②.著名人のオフ(街中や、路上など)の写真を撮影した場合
これも、盗撮行為です。
プライバシーの侵害や、パブリシティの侵害で訴えられる可能性があります。
また、迷惑行為として、都道府県の条例に違反する可能性も。
相手によっては受忍していただける場合もありますが、可能であれば、声をかけて許可を取るなどをして、撮影をさせていただきましょう。無許可の撮影は迷惑行為です。
勝手に撮ってはいけません。
③. ②の写真をSNSやブログ等に掲載する場合
これは、場合によってはパブリシティの侵害で訴えられる可能性があります。
個人で鍵付きのSNSにアップし、身内に共有する程度なら、人によっては受忍していただける場合があります。
しかし、例えばそれを利用してアクセス数を稼ごう。とか、商品の売り上げにつなげよう。といった意図が見えた場合には、訴えられる可能性が高いです。
④.イベント会場等で撮影した場合
これは、撮影したイベント会場などで、撮影が許可されていれば問題はありません。
例えば、スポーツの大会などでは、許可されている範囲での撮影であれば可能ですし、逆にアイドルのライブイベントなどでは映画館のように、基本公演中は撮影も録音も禁止されていると思います。
もし撮影する場合は、その場のルールに則り行いましょう。
⑤. ④の写真をSNSやブログ等に掲載する場合
これも、撮影した場所のルールに則って掲載をしましょう。
場所によっては、「私目的の範疇であれば共有してもいいよ」と言っている場所もあれば、「SNS等の共有は絶対にダメ」と言っているところもあると思います。
イベントや、会場のホームページなどに詳細が記載されていると思いますので、都度確認をしましょう。
許可が下りていない場合、個人SNSならともかくとして、パブリシティの侵害で訴えられる可能性がありますので、注意しましょう。
個人SNSでもあまりおすすめはしませんが…。
4.まとめ
以上のように、場合によってはセーフ、場合によってはアウト。けど例外もあって……と、状況によってかなり判断の難しい場面が多々あります。
理想は本人などに直接、撮影や掲載の許可をしっかりと取ることですが、なかなか厳しい場合がほとんどです。
最終的には自己判断にゆだねられる部分が大きく、私としては、悩むくらいならやめた方がいいのではないかな、と思いました。
節度とルールを守って、撮影や掲載をしましょう。
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