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「自社のマーケティングを強化したい」と思い、マーケティングのことを色々と調べていると出てくるキーワードが「コンテンツマーケティング」です。
実は、Web検索が当たり前になった現代において、このコンテンツマーケティングは自社のマーケティングを強化するにあたって非常に重要になります。
そこで今回は「コンテンツマーケティングとは何か」について、丁寧に解説していきます。初心者の方に向けてわかりやすい言葉でご説明するのでぜひチェックしてみてくださいね。
※本記事は2024年4月29日に公開した内容を、最新の情報にアップデートし公開しております。
目次
1.コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、ユ ーザーにとって価値あるコンテンツを提供することで自社商品やサービスに興味関心を持ってもらい、既存顧客や見込み顧客、潜在顧客との関係性を向上させていくマーケティング手法のことです。
ここで大切なのが、コンテンツマーケティングの指すコンテンツとは、単に自社の商品やサービスをアピールするものではなく、「ユーザーにとって有益な情報」を含むコンテンツだということです。
ピンとこないかもしれないので、具体例を挙げて考えてみましょう。
たとえば、家電を販売する会社が広告を使って「当社の炊飯器がさらにパワーアップしました。この機会にぜひお求めください!」と発信するのは単なる宣伝です。
しかし、「30分でできる、郷土の炊き込みご飯レシピを紹介します!」などユーザーが興味を持ってくれそうな情報を含めたブログ記事を作ってみるとどうでしょうか?
ブログ記事を読んだユーザーは、すぐに作れる炊き込みご飯のレシピという有益な情報に満足することで、情報発信元の企業やブランドへの興味が高まります。また、「ためになる情報を発信してくれるからサイトをブックマークしておこう」と継続的に情報を確認してくれる可能性もあります。
さらには、発信した情報にユーザーが満足すればするほど信頼度や愛着心が高まり、その企業やブランドが出している炊飯器を買ってくれる可能性もでてきます。
このように既存顧客や見込み顧客・潜在顧客に対して、有益な情報を積極的に発信することで、顧客が次に起こす行動のきっかけを作るのがコンテンツマーケティングです。
コンテンツマーケティングは、既存顧客や見込み客・潜在顧客の方から自然に接触してくれるように促すインバウンドマーケティングの一種でもあります。
コンテンツマーケティングで使用するコンテンツの種類には以下のようなものがあります。
■コンテンツマーケティングで使用するコンテンツの種類(例)
テキストコンテンツ | 配信先例: ブログ、オウンドメディア、SNS、ホワイトペーパー、メルマガなど |
---|---|
写真や動画 | 配信先例: オウンドメディア、SNSなど |
オンラインセミナー | 配信先例: コーポレートサイトなど |
オフラインセミナーやイベント | 配信先例: イベント会場など、オフラインで開催 |
このように、コンテンツマーケティングで発信するコンテンツの種類や配信方法はいろいろあります。
最近ではX(旧Twitter)やInstagramなどで企業公式のSNSアカウントを作成してコンテンツを発信するケースも主流になりました。投稿内容は、自社商品やサービスのPRだけでなく、会社の雰囲気を発信したり、お役立ち情報を発信したり・・・とさまざまです。
また、ブログ記事はSEO対策との親和性も高く、適切に運用することでホームページを活用したWebマーケティングの強化にもつながるため、重要なコンテンツの1つになっています。
画像や動画を使った情報発信は注目が集まりやすいですが、商品やサービス内容によってはテキストで詳しい解説が必要な場合もあるので(とくにBtoB商材など)、自社の場合はどういうコンテンツの発信が適切かを考えて選択することがとても大切です。
■Webマーケティングとコンテンツマーケティングの関係性
マーケティングのことを色々と調べていると、「Webマーケティング」という言葉もよく出てきます。コンテンツマーケティングとWebマーケティングはどう違うの?と疑問に思った方のために、両者の違いや関係性も解説しておきますね。
そもそもWebマーケティングとは、Webを活用したマーケティング全般を指します。たとえば、リスティング広告などのWeb広告を使ったり、SEO対策をおこなったり、SNSを活用して広告を配信したり・・・とさまざまな手法があります。
一方、コンテンツマーケティングとはWebコンテンツのみならず、オフラインイベントなども含めたさまざまなコンテンツで、顧客や顧客となり得る層へ有益な情報を発信するマーケティング手法です。
たとえばブログ記事のように、Webを活用してコンテンツマーケティングをおこなう場合もあるため、Webマーケティングとコンテンツマーケティングは切っても切り離せない関係でもあります。
コンテンツのなかでも、インターネット上で提供されているコンテンツをWebコンテンツといいます。Webコンテンツとはどういうものかを下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
<関連記事> Webコンテンツを充実させてホームページを改善!
2.コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
SEO(エス・イー・オー)対策という言葉でてきたので、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いについても簡単にご説明しておきますね。
そもそもSEOとは、Search Engine Optimizationの略称で、日本語「検索エンジン最適化」という意味になります。つまり、SEO対策とは「検索エンジン最適化のための対策」ということになります。
GoogleやMicrosoft Edgeなどの検索エンジンに「有益なコンテンツである」と評価してもらい、検索結果一覧の上位に表示してもらうための対策を総じてSEO対策と呼んでいます。また、ユーザーの検索意図を考慮したコンテンツを作成することで流入数の増加を目指すことをコンテンツSEOと言います。
そして、コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違いは、それぞれの目的にあります。
■コンテンツマーケティング
ユーザーにとって有益なコンテンツ(情報)を発信することで、商品やサービス、ブランドの価値を間接的に感じてもらう。最終的には顧客側から行動を起こしてもらうように促すインバウンドマーケティングの一種。
■コンテンツSEO
「検索意図・ニーズ」に重きを置き、検索したユーザーが求めているであろう情報をもとにコンテンツを作成。検索エンジンの評価を上げて検索結果上位に表示されやすくすることで、ホームページ等への流入を増やすことが目的。
このように、コンテンツSEOは検索エンジンからの評価を意識し、検索ニーズを軸に有益な情報発信を行うことでWebサイトへの流入数を増やすことを目的としています。
一方でコンテンツマーケティングは、顧客となり得るユーザーに対して有益な情報を発信することで興味関心を高め、より良い関係性構築を目指すコミュニケーションを目的としています。
そして、コンテンツマーケティングをおこなう際に、顧客となり得るユーザーに情報発信をおこなう手段の1つとしてコンテンツSEOも重要になるため、コンテンツSEOはコンテンツマーケティング施策の1つとも言えます。
SEO対策の基本については下記の記事でまとめているので、ぜひ併せてご確認ください。
<関連記事> SEO対策の基本とは?キーワード選定の重要性も解説
【初心者向け】SEO対策でまずやるべきこととは?
3.コンテンツマーケティングが重要な理由
では、なぜコンテンツマーケティングが重要視されているのでしょうか?さまざまな理由がありますが、なかでも注目しておきたいのがWeb広告費の高騰や広告に対する世間のイメージの変化です。
スマホが普及したことで、いつでもどこでもインターネットを利用する人が増え、それに伴ってWeb広告を利用する企業も増えました。競争が激化したことで、成果を出すための難易度も上がり、継続的にコストをかける必要性も高まっています。
しかしWeb広告利用者の増加とは裏腹に、消費者のWeb広告への興味関心や信頼度は低下しています。
スマホで動画やWebサイトを閲覧している際に、突然広告が流れてきたことでわずらわしさを感じた経験がある方も多いのではないでしょうか?
もちろんWeb広告は認知拡大などに効果を発揮できる一方で、その先の購買行動にまで働きかけることが現状では難しく、費用対効果が見合わないと感じるケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、コンテンツマーケティングです。
有益なコンテンツを配信し、消費者側から「購入したい」「利用したい」と思ってもらえるように働きかけることで、広告費を押さえたうえで、自然な購買行動を促すことができるため、コンテンツマーケティングが重要視されているというわけなんです。
商品やサービスを提供する側は「自社に興味関心を持ってくれる人」へ情報を発信し、消費者側は自分のニーズに合わせた情報を取得することができる・・・。そんな双方にとって有益な関係性を目指せるのが、コンテンツマーケティングの魅力です。
4.コンテンツマーケティングのメリット
それではここからは、コンテンツマーケティングの具体的なメリットについてまとめていきますね。
主に以下の点がメリットになります。
■広告費用をおさえつつ資産を増やすことができる
■嫌われないマーケティングができる
■見込み客や潜在顧客の分析ができる
1つずつ順番に見ていきましょう。
4.1 広告費用をおさえつつ資産を増やすことができる
Web広告を配信するにはもちろん配信費用がかかります。また、配信をやめてしまうと広告が止まってしまうため、広告で一定の成果を得るまで配信し続けなければなりません。
一方、コンテンツマーケティングをおこなう場合は、最初にコンテンツを作るコストはもちろんかかりますが、作ったコンテンツは会社の資産となります。
さらに、消費者にとって有益なコンテンツを作ることができれば、継続的に成果を出してくれる場合もあります。
たとえば、すでにホームページがある場合やSNSを使用する場合は、コンテンツを作って掲載するのに莫大な金額がかかる・・・ということはありませんから、広告を出稿するよりもコストが低くなる可能性が高いです。
4.2 嫌われないマーケティングができる
突然表示される広告は、シーンによってはユーザーにマイナスな感情を抱かせることもあります。
一方、コンテンツマーケティングの場合はあくまでもユーザーにとって有益な情報を発信していくため積極的な売り込みにはならず、嫌われにくいマーケティングができます。
また、コンテンツを見て「いいな」と思ったユーザーが実際に商品やサービスを利用して満足した場合、ユーザー側がそのコンテンツを拡散してくれる場合もあります。とくにSNSの場合、良い商品やサービスはバズを生み出しやすく、瞬く間に広がっていく可能性があります。
コンテンツマーケティングは嫌われないだけではなく、「この企業はためになる情報を発信してくれる」という形で、ユーザー側の信頼を獲得する手段にもなります。さらに、そうした信頼は、そのまま購買行動にもつながりやすくなります。
広告配信ではブランドや商品・サービスの認知で留まってしまいやすいですが、コンテンツマーケティングの場合は信頼が積み重なっていくことで、認知の先の購買行動にまで働きかけることができます。
このように、顧客ロイヤリティ(愛着心・信頼度)が高まる点もコンテンツマーケティングのメリットの1つです。
4.3 見込み顧客や潜在顧客の分析ができる
コンテンツマーケティングで発信したコンテンツに対して分析をおこなうことで、ユーザーが自社商品やサービスのどの点を評価してくれているのかを把握するきっかけにもなります。
たとえば、コンテンツにどのくらいのアクセスがあったのか、最も反応が良いコンテンツはどれなのか・・・といったデータを定期的に集約し、どの点に興味を持って商品を購入しているのかを仮説立てていくことで、ユーザーの行動意図やニーズに基づいたマーケティング戦略を立てやすくなります。
さらに、蓄積されたユーザーの行動データを自社商品やサービスの改善に活かすこともできます。先ほども触れたように、ユーザーの満足度が高い商品やサービスはSNSなどで拡散されることもあるため、コンテンツの改善はもちろん、商品やサービスの改善もとても重要です。
分析と改善を繰り返すことで自社で発信したコンテンツからユーザーが商品を購入し、商品に満足したユーザーがSNSなどで拡散しさらに広まっていく・・・というサイクルを生み出すことにもつながります。
3.コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングって良いことばかりじゃないか!と感じたかもしれませんが、もちろんデメリットもあります。
実際にコンテンツマーケティングをおこなう場合は、メリットだけでなく、デメリットについても確認しておくと安心です。
■すぐに売上に直結しづらい
■コンテンツ作成の手間とコストがかかる
■継続的な運営が必要になる
こちらも順番に見ていきましょう。
5.1 すぐに売上に直結しづらい
コンテンツマーケティングは、有益なコンテンツを継続的に提供し続けることでユーザーと関係を築いていきます。人と人、人と企業など、関係を築くには時間がかかりますよね。
つまり、すぐに売上に繋がるわけではないということです。
たとえば自社でブログページを運営し始めた場合、公開した記事が検索エンジンに認識され、評価されていくまでに時間が必要になります。さらにWeb記事の場合は、検索結果に表示される順位がアクセス数に大きく関わってくるため、SEO対策も同時におこなっていく必要があり、さらに時間をかけていく必要があります。
また、発信したコンテンツが実際に「役に立った」「有益だった」とユーザーに感じてもらうまでにも時間がかかります。このように、コンテンツマーケティングはすぐに目に見えた成果が出ない分、続けるのが非常に難しいとも言えます。
それでも、関係を築いたユーザーが企業やコンテンツのファンとなり、ひいてはそれが企業のブランディングにもつながるため、すぐに売上に繋がらなくても地道にユーザーと関係を築くことが大切です。
5.2 コンテンツ作成の手間とコストがかかる
コンテンツマーケティングで最も大変なのは、質の高いコンテンツを継続的に作成することです。
コンテンツマーケティング施策の要となるのは「ユーザーにとって有益なコンテンツ」です。そして冒頭でもお伝えしたとおり、コンテンツや配信方法にはさまざまな種類があります。
そのため、どういった種類のコンテンツならユーザーにとって有益な情報を発信しつつ自社の魅力を伝えられるかを考える必要があります。さらに、テキストコンテンツならプロのライターに、画像や動画コンテンツならプロのクリエイターに協力を仰ぎ、質の高いコンテンツ作りに時間や費用をかける必要も出てきます。
「有益なコンテンツを作る」とひとくちに言っても、需要が高そうなテーマを選定したり、情報の正確性や信頼性に気を配ったりと考えるべきことが多岐に渡るため、時間や労力、コストがかかると言えます。
この点がどうしてもハードルになってしまい、コンテンツマーケティングを始めてみたけど途中で続かなくなってしまった・・・といったケースも多々あります。目に見える成果がすぐに出ないなかでコストや時間をかけなければいけないため、継続のハードルが高い点も、コンテンツマーケティングのデメリットと言えるでしょう。
5.3 継続的な運営が必要になる
作成したコンテンツは資産になりますが、作成後の運用やメンテナンスも非常に重要になってきます。
というのも、たとえ一時的にアクセスがアップしても数ヶ月、数年も経つとページ内の情報が古くなってしまうこともあるからです。場合によっては、情報が古いままであることによって、結果的にユーザーに対して誤ったことを伝えてしまう恐れもあります。
虚偽の情報を発信している・・・として信頼性が下がってしまうこともあるので、作成したコンテンツを継続的に運用・メンテナンスをしていくことが大切です。
また、コンテンツマーケティングで効果を出すためには、発信したコンテンツの効果測定も非常に大切になります。作成して終わりではなく、コンテンツの反応を分析して課題を洗い出し、さらにブラッシュアップしていくことも必要です。
もちろんデータの分析にはそれなりに知識が必要になるので、この点もコンテンツマーケティングをおこなうえで、ハードルに感じやすい点と言えるでしょう。
6.コンテンツマーケティングの始め方
それではここからは「自社でもコンテンツマーケティングを実施したい」という方に向けて、具体的に何をすれば良いのかについて解説していきます。
■目標設定
■ペルソナ設定
■カスタマージャーニーマップの作成
■コンテンツリストの作成とKPIの設定
■効果測定・振り返り
専門用語が入ってきて難しそう・・・と感じるかもしれませんが、かみ砕いて丁寧に解説していくので安心してください。順番に見ていきましょう。
6.1 目標設定
コンテンツを作るにあたって最初にすることは最終的な目標(ゴール)の設定です。
最終的にどういう目標を達成したいのかを明確にしたうえで、どういったコンテンツを作るべきなのかを決める、という考え方が重要です。
たとえば、認知度を高めるためのコンテンツと既存顧客のリピーター化を目指すためのコンテンツではもちろんアプローチ方法が変わります。
コンテンツマーケティングは長期的にコンテンツを配信していかなければならないため、軸となる最終目標があることでコンテンツ作成を続けやすくなります。
ぜひ、チーム全体で共通認識を持つために、目標設定をしてみてくださいね。
6.2 ペルソナ設定
最終的な目的を決めたら、次にすることはペルソナ設定です。
「ペルソナ(persona)」は、直訳すると「人格」という意味です。マーケティングなどの場面で使われる場合は、自社の商品やサービスを利用するユーザー像を意味します。ペルソナ設定では、性別や年代、趣味趣向などを詳細に設定して、実在しそうなユーザーを作り上げます。
コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって有益な情報を発信するマーケティング手法です。そしてユーザーにとって有益かどうかを考えるためには、そもそもユーザーがどういう人物像で、どういった情報が欲しいと思っているのか、日々どういう方法で情報を取集しているのか、などを明確にしておく必要があります。
すなわち「誰に何をどのように届けるか」を明確にするということです。これを明確にする際に、ペルソナ設定が役に立ちます。ペルソナを設定することで、複数のコンテンツを作成していく場合でも一貫性を保って運用しやすくなります。
ペルソナとよく似た使われ方をするのが「ターゲット」という言葉ですが、ターゲットは大まかな属性を明確にすることで、ペルソナは具体的な人物像を明確にすることという形で、ニュアンスに違いがあります。
そのため、ペルソナを設定する場合は、
・名前
・年齢
・性別
・生年月日
・学歴
・居住地
・職業や職種、役職
・趣味やライフスタイル
・家族構成
・自社のサービスや商品購入後に望んでいること
・情報収集の方法や普段使用しているSNSの種類
…など
・・・といった形で、1人の架空の人物を作りあげるように細かく設定をおこないます。このように人物像を明確にすることで、どの種類のコンテンツをどのように配信するのが良いかを考えやすくなります。
ただし、ペルソナを細かく作り込みすぎることで返って視野が狭くなってしまったり、実際の顧客像とのずれが発生してしまったりすることもあります。
そのため、実際の顧客像をベースにしたり、ペルソナの設定自体を定期的に見直したりすることで、なるべく誤ったペルソナによって視野が狭まらないように心がけることも大切です。
6.3 カスタマージャーニーマップの作成
ペルソナが設定できたら、次はその人物像が自社の顧客になるまでにどういう行動をするかを考えます。その際に役に立つのがカスタマージャーニーマップです。
カスタマージャーニーマップとは、ユーザーが購入に至るプロセスを時系列に記したシートのことです。
ペルソナ設定で作り上げたユーザー像が、商品やサービスの購入に至るまで、どのような思考が展開され、それぞれのフェーズでどのようなコンテンツが必要になるのかを考えます。つまり、ユーザー視点でどんなコンテンツが必要か考える工程というわけですね。
カスタマージャーニーマップの両軸は内容によって変えてももちろん良いのですが、基本的な考え方としては横軸にユーザーが顧客になるまでのプロセス(フェーズ)を配置します。
そして縦軸には、そのプロセスごとにどういった感情を抱くのか、行動をとるのか、タッチポイント※は何か、といった項目を設定するのが基本の型となります。
※タッチポイントとは:企業とユーザー(顧客)の接点という意味になります。たとえば、Web広告、SNSの投稿、オフラインの展示会、など実際に接触するタイミングや場所を指します。
もちろん、取り扱う商材やサービスによってマップの項目は自由に入れ替えて大丈夫です。たとえば、縦軸に「企業が取り組むべきことや対策」などを組み込んで整理するケースなどもあります。
今回は例として以下の項目を設定してみました。
■横軸:プロセス(フェーズ)
・ニーズの認知:ユーザーが自身のニーズを認知するフェーズ
・商品の認知:ユーザーが商品・サービスを認知するフェーズ
・比較検討:ユーザーが商品・サービスについて情報収集や比較検討をおこなうフェーズ
・購入:ユーザーが商品・サービスを購入するフェーズ
・購入後:ユーザーが商品・サービスを購入後のフェーズ
■縦軸:プロセスごとの感情や行動などの状態
・行動:ユーザーがとる行動
・思考/感情:ユーザーの考えや気持ち
・ニーズ:ユーザーが必要としている情報
・タッチポイント:ユーザーが情報を獲得するタイミングや場所
上記の項目をもとに、新開発した化粧品を販売する場合のカスタマージャーニーマップを作成してみました。ペルソナは先ほど例でご紹介したものになります。
このように、カスタマージャーニーマップを作成することで、ユーザーが置かれているフェーズごとに必要とされているコンテンツがわかりやすくなります。
カスタマージャーニーを作成する際の注意点は、作成者によって内容が偏らないようにすることです。
実際に顧客と接点があるセクションへヒアリングをしたり、顧客にアンケートを実施したデータをもとにしたりするなどして、単なる空想ではなく可能な限り客観的な事実やデータに基づいて作成するようにしましょう。
6.4 コンテンツリストの作成とKPIの設定
作成したカスタマージャーニーマップをもとに、必要なコンテンツを洗い出し、取り上げるテーマなどをまとめます。
たとえば先ほどの例であげるなら、敏感肌の方向けのスキンケア方法をまとめるコンテンツが有効であると考えらえるため、「敏感肌向けのスキンケア」というテーマをリストに追加します。
このときに、コンテンツの種類(記事、動画など)や配信方法(オウンドメディア、SNSなど)をまとめておくと担当者が変わってもコンテンツ作成を続けやすくなります。
また、コンテンツを作成した後の振り返りも重要になるため、コンテンツごとにKPIしておきましょう。
KPIと はKey Performance Indicatorの略称で、日本語では重要業績評価指標という意味になります。簡単なひとことで表現するならKPIとは、ゴールに向かうために達成すべき中間目標です。
1番最初の行程で、コンテンツマーケティングをおこなう目的、すなわち最終ゴールを明確にしました。その目的を達成するために、まずはどういったコンテンツを作るべきなのか、そのコンテンツが良かったのか悪かったのかの評価をどういった基準でおこなっていくかを考えることがとても重要です。
もし、最終的に自社の売上を伸ばしたいという大きな目標を立てた場合、 そのためにはまず「認知度を高める」「リピーターを増やす」など、細かくやるべきことが出てきます。
そして、新規顧客とリピーターのペルソナを設定し、カスタマージャーニーを考えてみると必要なコンテンツが見えてきます。
さらに、コンテンツの目的ごとに「認知を高めるコンテンツ=SNSの閲覧数・いいね数や記事へのアクセス数・サイトへの流入数」「リピーターを増やす=アフターフォローを促すメルマガの開封率」などの評価指標を明確にします。この評価指標がいわゆるKPIです。
コンテンツを作成するだけでなくKPIまで設定しておくことで、作成したコンテンツの分析をおこないやすくなります。KPIの設定は、コンテンツを配信するまでにおこなっておくと良いでしょう。
6.5 効果測定・振り返り
コンテンツを配信できたら、効果測定や振り返りをおこなうことも大切です。
定めておいたKPIの指標をもとに、どのくらいの反響があったのかを確認します。また、設定したペルソナやカスタマージャーニーが適切だったかの振り返りも大切になります。
コンテンツマーケティングは商品やサービス、企業のブランディングを間接的に後押しする施策です。そのため直接的な成果が見えにくい分、データに基づいた分析や仮説立てが重要です。
コンテンツの反響がどの程度あったのか、配信したコンテンツのなかでもっともKPIで定めた指標の数値が高かったものはどれかなど、さまざまな観点から振り返りをおこないましょう。
また、ブログなどのWeb記事コンテンツを配信している場合は、検索からの流入も重要になるのでSEO対策も必要になります。検索エンジンの評価が高まれば、検索一覧の上位に表示されるため、アクセス数の増加が見込めます。
SEOの基礎知識についてはこちらの記事で解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
<関連記事> SEO対策の基本とは?キーワード選定の重要性も解説
【初心者向け】SEO対策でまずやるべきこととは?
分析して改善点が洗い出せたら、それをコンテンツに反映してブラッシュアップすることも大切です。
たとえば、SNSのいいね数がほとんど出なかった投稿があった場合、いいね数が取れているコンテンツと比較して何が足りなかったのかを分析します。また、競合他社の反響が良いコンテンツなども参考にしながら、自社コンテンツに足りない要素や差別化ポイントなどを分析することも有効ですね。
「分析する」と言葉で言うのは簡単ですが、コンテンツマーケティングの効果測定や分析は直接的な効果が見えない分、非常に難しいです。それでも、まずは目標やKPIを立ててみて、それに対して分析をしてコンテンツを改善してみるというPDCAサイクルを繰り返すことで見えてくるものが必ずあるはずです。
分析に慣れていない・・・という場合はいきなり複雑なKPI(指標)を設けるのではなく、表示回数やクリック率、いいね数、といったシンプルな指標で分析を始めてみるのもおすすめですよ。
大切なのは、最終目標と現状を把握したうえで定期的に効果測定や分析をおこなう習慣と、改善点を施策に反映することにありますので、根気強く向き合っていきましょう。
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以上が、コンテンツマーケティングの始め方の一連の流れになります。何度もお伝えしていますが、コンテンツマーケティングはすぐに効果が出るような即効性のある施策ではありません。コツコツと根を張って、力強い基礎を固めていくイメージです。
そのため「作業負荷がかかる割に成果が見えにくい」と感じてしまい、途中で「やっている意味があるのか・・・」と悩んだり、そのまま運用が途切れてしまったりすることも珍しくありません。
しかし冒頭でお伝えしたように、広告市場やユーザーの意識が変化してきている今、コンテンツマーケティングの重要性はますます高まっていくと予想されます。
コンテンツマーケティングで得られるのは、商品やサービス、ひいては企業への信頼です。コンテンツマーケティングで成果が出るには時間がかかるものと心得たうえで、自社が発信できる「ユーザーにとって有益な情報とはなにか」を突き詰めていくことが大切ですね。
7.まとめ:大切なのはユーザー目線に立つこと
■コンテンツマーケティングとは「ユーザーにとって有益な情報」を届けるマーケティング手法
■ペルソナ設定とカスタマージャーニーマップで質の高いコンテンツを作ることができる
■コンテンツ作成後の効果測定と改善が重要
■継続してコンテンツを作り続けることが大切
「質の高いコンテンツを作る」というと難しそうに感じますが、大切なのはユーザー目線に立ち、役に立ちそうなコンテンツを継続的に作ることです。
それぞれの企業の知識や専門性を活かしたコンテンツを作っていくと、長期的な目で見て売上につながると思います。
これからコンテンツ作りを始める方は、まず継続することを目標にすると良いと思います。ぜひ、一緒に頑張っていきましょう。
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