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【事例で解説】色が与える影響とは

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突然ですが信号を、「赤は止まれ。青は進め。黄色は注意する」と習ったでしょうか。幼い頃に聞いたこともあり当たり前のように聞いて特に疑問を持たずに育った方が多いかと思います。

色は生活のあらゆるところで使われています。
一番身近なところでは信号や交通標識に色が機能的に使われているかと思います。

赤は注意を引く色、緑は安全な色、黄色は注意を引く色。わかりやすい例でいくと、交通標識は安全を担い、時に人命にも関わるとても大切なものです。また鉄道では路線の区別や、急行や普通の区別など言葉と合わせて、色を使い分けているのが当然のことのように生活に溶け込んでいます。

赤はなんとなく危険とか、緑はなんとなく安全とか。遠くから見ても間違えにくかったりします。それは色が持つ特性を利用しているからこそにあります。

今回はそこにフォーカスした記事となります。
適度に脱線しますが、お付き合いいただければと思います。

それではどうぞ。

目次


  1. 「膨張色」と「収縮色」
  2. 「進出色」と「後退色」
  3. 「興奮色」と「鎮静色」
  4. まとめ

1.「膨張色」と「収縮色」


「白と黒、どちらの円が大きいでしょうか?」
とは定番のクイズではありますが、色彩の本質をシンプルにこれほどまで突いたものは無いかと思います。

さてどちらが大きいでしょうか。

背景に方眼を加えてみましょう。
そうですそうなんです。定番のアンサーですが同じ大きさです。

そうです。お約束の同一です。

明るい色が大きく見えて、暗い色は小さく見える。これを「膨張色」と「収縮色」といいます。

囲碁みたいに見えたついでに調べたところ、この特性が反映されて白と黒でサイズに違いがあります。白が21.9mmで、黒が22.2mmでした。黒を若干大きく作ることで見た目の差を調整しているのです。

この囲碁のサイズ感を反映させるとこんな感じです。

白を重ねると若干大きいのがわかります。

ちょこっとコラム その壱

ドラゴンボールの設定にあった精神と時の部屋が真っ白なのは、時間軸や空間の広さが通常と異なるイメージを伝える為に究極の膨張色である「白」を使ったと勝手に思っています。

時間と空間の無限性を表すと色彩は限りなく研ぎ澄まされて純粋無垢になるというものが作中で異次元さを助長していたように思います。

(それと同時のベタが面倒という先生の性格から真っ白が採用されいるのかもというのも重重承知しております。)

2.「進出色」と「後退色」


車を運転される方なら思うことがあるかと思いますが、夕暮れ時や天気が曇りの時スレ違う(片仮名変換を誤るとややこしい)もとい、すれ違う時まで実際は思ったより距離が開いていたと感じたことはありませんか。

また早めにライトを点灯している車のボディカラーに注目すると、青系や黒やシルバーなど夕暮れ時に認識しづらい色が多くみられるかと思います。早めに点灯するのはドライバーの安全意識が高いこと以外にも理由があります。

これは車体の色が関係しています。

近くに感じたり遠くに感じたりというのが「進出色」と「後退色」という色の特性によるものです。「進出色」と呼ばれる赤や黄色や白など明るい色は、飛び出しているように見えて、「後退色」は、青や青紫など寒い色合い(=寒色)と無彩色であるほど後ろに下がって見えます。

ちなみにここは名古屋の御器所です。

「止まれ」や「通行止め」などの緊急度が高いものは進出色が使われ遠くからでもわかりやすくなっており、反対に「一方通行」や「案内標識」は後退色を使い優先度の高さに違いをつけている感じです。

ちょこっとコラム その弐

何かが見えるということは光がものに当たってそれを目で認識しているということになります。これを詳しく書くと1冊の本になりかねないので、ざっくり光が当たるから色が見えてるんだなくらいでいいかもしれません。

では光の速さより早く移動したら色はどうなるか、そもそも何が見えるのかというサイエンス好きの少年の好奇心をくすぐる動画を以前YouTubeで見たことがあります。

で、どうなるかというと結論はシンプルに光が届くより早く移動するので真っ暗になるのがオチ(と言っていいのか)です。見終えたとき最後画面が真っ暗になるバッドエンド感に少し怖くなったりしました。

我に返ったあと部屋中を見渡し色が見えるって素晴らしいことなのだと改めて思いました。

3「興奮色」と「鎮静色」


色の使い方によって、テンションを高めたり落ち着かせたりしてもらうよう、強くイメージさせることができます。

わかりやすいのが焼き肉のたれのラベルデザインでしょうか。パッケージを見るだけで、肉をたれにつけるときのあの高揚感が蘇ります(感受性が豊かなだけかもしれませんが)。

反対にミネラルウォーターやスポーツドリンクなどが青や緑系で、清涼感を求めて手に取ることも多いのではないでしょうか。赤いコーラもいいですが、クールダウンしたいときは青いパッケージのものを選んじゃったりしませんか。

これは色の特性の一つである「興奮色」と「鎮静色」を利用しています。

上図、実はAI画像です

赤やオレンジ系は「興奮色」と呼ばれ、心拍数を上げて気分を高揚させる効果を持っています。
スポーツチーム、栄養剤、ヘビーメタルバンドのCDジャケット、肉系の食品パッケージなどがあるかと思います。どれもエネルギッシュですね。

これらのホームページを制作する際は、まず色のチョイスを外さないことで、目指しているイメージに近づけられるかもしれません。

見ているだけで落ち着きます

また青や緑系は「鎮静色」と呼ばれ心を落ち着かせる効果があります。
緑豊かな風景を見たり、部屋にある観葉植物を見ると落ち着くのは、そういった理由があることにも由来します。おしゃれない温泉宿やリゾートのホームページとの相性が良く実際に使われることが多いです。

ちょこっとコラム その参

またもパッケージデザインの話になりますが、かつて食品のパッケージに寒色系はタブーなムードがありました。購買意欲を促進させる暖色系でデザインすることが当たり前だったのですが、ここ数年でそれが絶対ではなくなったと感じています。

これの象徴と感じているのがエナジードリンクだと思っています。

従来の栄養剤のイメージからの脱却が成功し若い世代に指示されることに成功したブランディングを見るに時代も変わったなと思うようになりました。プレミアムモルツが金に青を組み合わせたり、紫が使われたり表現の自由さに驚いた記憶があります。

コンビニが生活に密着し限られた売り場スペースでド定番商品がひしめく中、なんとか新商品を手に取ってもらおうとした戦略の一つだったのかなと個人的に思ったりしてます。

林修先生も著書でコンビニは世の中の縮図だみたいなことをいっていたのを思い出しました。(記憶が曖昧なので少し違うかもしれません)

4.まとめ


いかがでしたでしょうか。

今回は色が持つ効果とその活用例について個人的な見解も含めてご紹介しました。

今回ご紹介した物以外にも、生活に溶け込んでいて当たり前のものにも色の特性が利用されているものが数多くあります。さらに国や宗教が変われば色の意味合いも変わってきます。

日本の歴史の中でも色で階級を表した冠位十二階だったり、柔道の帯の色だったりと、色を切り口に世界を見てみるとまた違った発見があるかもしれません。

現代では初対面の人でもどの色のスマホを使っているかで、その人が見えたりと色から連想するも楽しいかもしれません。


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株式会社 WWG(ダブルダブルジー)
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TEL: 052-890-7007(2021-12/16~変更)
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コジコジ

デザイナー

2020年入社。20年以上に渡りデザイナーとしてWEBはもちろん、パンフレットや、ロゴ、各種広告など幅広いデザインに従事。デザインの記事をメインに楽して役立つブログを心がけております。

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