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WWGでは、コーポレートサイトのご依頼と同時に「印刷物としての会社案内を同時にご依頼いただくケースが多くあります。もっとも多いサイズがA3二つ折りではありますが、他にもA4片観音やA4両観音などもあり、過去に私が携わった中ではファイルに綴じ込むものや、A4横サイズ、正方形などの変形サイズまで多くあります。
今回のブログは、パンフレットのサイズごとの特徴をご紹介する内容になります。
最もポピュラーなA3二つ折りを基本として私のこれまでの経験をふまえたデザイナーの視点も合わせてご紹介していきます。若干ニッチな内容ではありますが、その反面あまり語られないことかもしれないということでお付き合いください。
それではどうぞ。
目次
01.A3二つ折り
メリット
・最もポピュラーで受け入れられやすい
・鞄にいれたり封筒に入れたりと扱いやすい
・よくある体裁のため印刷費用が安定しており改訂が容易
懸念点
・見慣れた体裁のため差別化が難しい
・多くの情報が載せられず小さくまとまりがち
・用紙や表面加工などが限られる
デザイナー目線でいうと…
思ったより情報が載せられないのでコンパクトにまとまりがちです。
製品の細かいスペックや会社沿革などデータを全部乗せると文字中心の紙面になるため、HPとの情報のすみわけをして文字量を調節してデザインできる余白を作っておくことで結果として読みやすさが出てくるのかなと思います。限られた紙面で文字が多くても読みやすく仕上げるテクニックは、見開きの1枚絵になったときの見え方だと思うので力量が試される反面、腕の見せ所でもあります。
こんなパンフレットにおすすめ!
・会社案内
・採用
・商品紹介
・サービス案内
・施設案内
02.A3片観音
A3の右端にA4を1ページ追加して表面に3ページ、裏面に3ページの計6ページになるサイズです。表紙はA4、開くとA3、もう一回開くとさらにA4追加されるのが特長です。
メリット
・表紙から順番に開いていく展開に仕掛けをつくることができる
・A4が横に3ページ分広がるので大画面で迫力が出せる
・折りたたむとA4なので扱いやすい
懸念点
・表紙からページを広げるプロセスに理由付けが必要
・A3二つ折りよりもページ構成が複雑で難易度が上がる
・緩急のあるデザインにしないと読み疲れが起こりやすい
デザイナー目線でいうと…
ページをめくるごとにサイズが変わることのインパクトが大きいです。
1回目の表紙をめくった際と見開きをさらに広げた際の2パターンで、連動させるのか変化させるのか発展させるのかなど様々な広がりを表現することができます。
これが内容とかみ合うといいのですが、掲載内容の何と絡ませるかが難しく、単に仕掛けにこだわりすぎることなく必然的な見せ方があるのが理想です。
こんなパンフレットにおすすめ!
・会社案内
・採用
・商品紹介
・サービス案内
・施設案内
03.A3両観音
A3サイズの左右に2ページ追加され、A4が横に4ページ並ぶのがA3両観音です。A4の表紙を開いて見開きでA3サイズになりさらに左右が開くものになります
メリット
・見開きページを広げたときのインパクトが大きい
・広げると横幅が4ページで大きくてもA4に折りたためるため扱いやすい
・多くの情報を詰め込み過ぎずに余裕を持って載せられる
懸念点
・載せるボリュームが釣り合わないと大味になる
・紙面が大きいため視線の誘導に気を配る必要がある
・広げたとき単純に大きいので場所をとる
デザイナー目線でいうと…
折ってあるのを全部開いたときのA4が横に並んだ時のサイズが壮観です。
商品のシリーズをカテゴリごとに1ページずつ横並びで見せるとか、事業展開など複数のものを一気に俯瞰で見せられるためスケール感を表現しやすいです。
実は紙面が連続するため見せ場の配置が難しく、ページをめくるたびに紙面がリセットされる実中綴じよりもデザインが難しく難易度が高いサイズだったりします。
こんなパンフレットにおすすめ!
・会社案内
・採用
・商品紹介
・サービス案内
・施設案内
04.A4中綴じ
1ページのサイズがA4で次々とめくっていく冊子です。4の倍数でページ数が構成されます。
メリット
・載せたい内容の分だけページ数が増やせる
・ページ順に見せられるため意図した順番で見てもらいやすい
・ページ数が増えると背表紙ができ加工の自由度が高い
懸念点
・複数ページのため部分的な改訂には不向き
・費用と納期がかかるため急ぎの改訂にも不向き
・制作そのものが長期化する傾向が多い
デザイナー目線でいうと…
作り手の見せたい順序と受け手の見る順序が一致するので、起承転結をうまく伝えやすくストーリーが作りやすいメリットがあります。流れがしっかりつくれる反面、ページの一部のみ改訂などが難しく情報が更新されやすいものには不向きでメンテナンス性は他のものに軍配が上がるかと思います。
そのため会社案内の場合は、別途冊子で会社概要を制作し沿革や概要を改訂していくパターンが多く見られます。
ホームページが登場するまではこの中綴じが会社案内の主流でした。どのページに何をのせてどいう展開でアピールしようというのは編集に近い作業で、載せたい内容を理解し制作する目的とゴールを明確にして 構成していくのは、ホームページ制作におけるワイヤーに通じるものがあります。
ちなみにA4を縦ではなく横で綴じる方法もあります。
開いたときにタテが210mmで横が594mmになります。これを見かけることは稀で海外の印刷物でたまにある程度です。個人的に好きで目をひくのですが、日常的に馴染みがないのかほとんど採用されません。
横長で連続しすぎると文章が読みづらく、改行する場所の定義も難しいため左綴じだと縦組みの日本語との相性がイマイチなのが原因と思っています。
こんなパンフレットにおすすめ!
・会社案内
・商品カタログ
・ブランドブック
・マニュアル
・社史
05.正方形などの変形
A4の規格サイズそのものを変えてしまうパターンです。本ブログでは「A4 変形」という扱いでご紹介します。
メリット
・あまりないサイズなので目立ってインパクトがある
・特別感があるので手に取ってもらいやすい
・ブランディングの延長として斬新さが出せる
懸念点
・サイズになじみがないので採用されにくい
・印刷費用が割高になる可能性がある
・通常のA4サイズからの変更だと理由付けが必要
デザイナー目線でいうと…
A4サイズは規格サイズであり扱いやすい反面見慣れたサイズということで安定していますが、より特別感を出したいときにあと一歩な感じも否めません。そこでいっそサイズを変えてしまおうというのがこのタイプです。
アクセサリーや時計などのパンフレットで多く見られる正方形などの変形サイズは、より個人的な嗜好にアピールするもので多く採用されているかと思います。(そもそもこういうパンフレットそのものが減っていますが)
かなりチャレンジなサイズなので用途を選びますが見せたい内容とデザインがうまくかみ合った時のインパクトはこのサイズでしか出せないものがあります。
こんなパンフレットにおすすめ!
・会社案内
・採用
・商品紹介
・ブランドブック
06.ポケットフォルダー
A4のフォルダーにポケットを付けてA4リーフレットを数枚入れ込むタイプです。ファイルなので他の書類も封入できます。
メリット
・ファイルと中身のリーフレットそれぞれで改訂ができる
・ファイル自体がアイテムとしてのインパクトがある
・他の書類も封入できるので便利
懸念点
・封入するリーフレットが複数枚になるためばらばらになりやすい
・二つ折りや中綴じでできたストーリー性が出せない
・改訂をバラバラで行うので管理が必要
デザイナー目線でいうと…
アイテムとしての使いやすさが際立ちますが、封入するリーフレットは単独でもわかるように問合せ先や企業名の記載が必要な場合が多いです。その反面つながりの弱い情報を別々のリーフレットで載せられるためページをめくることがないため統一感に余裕があり、一つ一つが別々にある程度自由なデザインでもまとまってくれるかもしれません。
こんなパンフレットにおすすめ!
・会社案内
・商品カタログ
・サービス案内
07.決め方のアドバイス
大前提として載せたい情報のボリュームが最優先になります。少ない情報で紙面をたっぷり使って見せる手法もありますが、多くは読みやすさが優先されるかと思います。
次の優先順位は、アピールしたい内容によっての使い分けになるのかなと思います。
印刷したものは手に取ってページをめくって読んでもらうために使いやすさが大切です。そこに「らしさ」をどう出していくのかを考えていくことになります。
もっと詳しく見せたいとかこの商品はシリーズものだから数ページを使って大きく見せたいとか具体的なヒントがある場合もあるでしょうし、じっくりページをめくってストーリーを追ってほしい場合もあるでしょう。そこにフォーカスすれば決まるのではないかと思っています。
08.まとめ
いかがでしょうか。
今回はパンフレットのサイズについてそれぞれの特徴やデザイナー目線でのコメントを紹介しました。
個人的な目線が入っているので一概にそうじゃないかもしれませんが、パンフレットを作る際の参考になればうれしいです。
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名古屋から愛知全域にて企業専門のホームページ制作をしています
株式会社 WWG(ダブルダブルジー)
愛知県 名古屋市中村区名駅5-16-17 花車ビル南館5F(企画)&9F(制作)
お電話でもホームページの制作相談OK: 052-890-7007
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コジコジ
デザイナー
2020年入社。四半世紀(!)以上に渡りデザイナーとしてWEBはもちろん、パンフレットや、ロゴ、各種広告など幅広いデザインに従事。デザインの記事をメインに楽して役立つブログを心がけております。一週間で一番好きな時間帯は土曜の16時。