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前回の記事ではブランディングについてご紹介しました。
今回は、ブランディングの効果も大きく発揮させられる「オウンドメディア」とは何なのか、その事例と作り方までご紹介します。
目次
1.オウンドメディアとは
オウンドメディア(Owned Media)とは 「自社で保有するメディア」を意味します。もともとは、自社発信のメディア全て、例えば、Webサイト、カタログ、パンフレットなどを指していた言葉ですが、最近では特に「自社で運営・情報発信を行うブログのようなWebサイト」を限定して意味することが多いです。
2.オウンドメディアのメリットとデメリット
①オウンドメディアのメリット
ブランディングに有利なのは、オウンドメディアのメリットと言えます。オウンドメディアは専門性の高い記事で統一されたサイト構成で、読者が繰り返し訪問して記事を読み、最終的にファンになってくれるという流れを生み出しやすいです。
「テクノロジーって言えばあのサイトだよね!」というように、特定のジャンルを扱う上でその専門家として信用度が高まるような、地に足のついた着実なブランディングにオウンドメディアは向いていると考えられます。
②オウンドメディアのデメリット
効果が出るまで時間がかかるのがオウンドメディアのデメリットです。
他のSNSなどを使ったマーケティングと違い、記事の量が少なければPV数も少なくなります。始めたばかりの頃はSEOを意識して記事を書き続けて、PV数を増やしていくことが必要になります。
また、アーンドメディア(信用や評判の獲得を目的とするメディア)の一種であるSNS、ペイドメディア(広告など支払いを伴う費用対効果を重視するメディア)の一種であるリスティング広告も活用して、その一方で記事を書くなど、かなり専門的なテクニックを使えないと、なかなか効果を上げるのが難しそうです。
3.オウンドメディアの事例
①LIG(リグ)
事例として、自社のオウンドメディアの『LIGブログ』は月間400万PV(ページの閲覧数)を超えたことでも大きな話題になりました。
オウンドメディアを運営することでファンを増やし、競合他社より有利に立てるように、コンテンツもWeb制作に直接関連のある技術的な話題からビジネスの話題まで、幅は広いものの非常に統一感のあるサイト構成になっています。
SNSを有効活用して成功したオウンドメディアのよい事例だと言えます。
②ギズモードジャパン
株式会社メディアジーンが運営している「ギズモードジャパン」も非常に成功したオウンドメディアの事例として挙げられます。
ギズモードジャパンは、もともとはアメリカで生まれた同名サイトの日本語版です。ガジェットを中心に、AI技術、日用家電など最新テクノロジーに関する情報が綺麗にまとめられています。
「ギズモードジャパン」 は「テクノロジー」というジャンルに特化して成功したオウンドメディアの良い事例だと考えられます。
③キナリノ
キナリノは「食べログ」「価格ドットコム」などで知られる株式会社カカクコムが運営している暮らし情報メディアです。
美容、雑貨、インテリアなど幅広い内容で、シンプルかつナチュラルなデザインで統一しており、配色も控えめに構成されています。
キナリノは特に「女性」向けに特化して成功したオウンドメディアの良い事例だと言えます。
4.オウンドメディアの作り方
①ペルソナ設計
以前、こちらの記事でもペルソナ設計については取り上げましたが、ペルソナ設計とは、一言で表すと「架空の顧客」を設定することです。 「誰に何を提供するサイトか」を考える上での「誰」の部分です。
ターゲットとの違いは、人物を「40代男性」「会社員」などと大きなくくりでイメージするのではなく、
朝霧彰春(アサキリ アキハル)、男性、43歳、神奈川県横浜市在中、旅行代理店に勤務しており、国内ツアーを担当している。
平日9:00~20:00まで勤務しており、休日は趣味のフットサルに勤しむ‥
こんな具合にあたかも実際にその人物がいるかのようなレベルまで人物像を細かく設定していくことが重要だと言えます。
②サイトコンセプトの設計
ペルソナに合わせたサイトコンセプトの設計を行います。「誰に何を提供するサイトか」を考える上での「何」の部分です。どんな機能・コンテンツがオウンドメディアにとって重要なのか、方向性をこの段階で確立します。
③カスタマージャーニーマップ作成
カスタマージャーニーマップとは、カスタマーがあなたの商品やサービスにオウンドメディアを通して出会い、理解を深め、購入または成約し、その後リピートするまでの一連の流れをジャーニー(旅)に例えてマップを作る手法です。
オウンドメディアにどのような経緯から流入し、その中でどういったページを閲覧し、最後にどのページを見て成約、購入などのコンバージョンに至るかという流れをイメージし作成していきます。
④マーケティングファネルを考慮
また、カスタマージャーニーに関連して「ファネル(漏斗)」という考え方も非常に重要です。認知→興味関心→比較検討→購入申込のように、見込み客を分類した時に、後者にいくほど少数になっていくことを表します。
マーケティングファネルとも呼ばれるこの概念の一番重要なポイントは、例えば、お店の商品を遠くから見ている顧客に「このワンピースはこの夏一押しのアイテムで、きっと似合いますよ!今買っておいて損はしないですよ!」といきなりオススメをして失敗してしまうような状況が考えられます。
最後の少数しかいない「購入層」に、いきなりアプローチをかけてしまったのが問題です。
上記ファネルを考慮すると、まず一番数の多い「認知層」に向けて「このワンピースはこの夏流行りのデザインなんですよ」と認知を促す声がけを行い、そこから興味関心をもった顧客に、今度は比較検討の話題を提供‥といったアプローチをとる方が成功しやすそうです。
このようにオウンドメディア作成も、どの層にどういうコンテンツを見せたいかをファネルを意識して考えるのが有効だと言えます。
⑤サイト設計
カスタマージャーニーマップの作成まで済んだら、いよいよコンテンツの作成です。作成中も最初に設定したペルソナ設定からぶれたコンテンツでないか、何度も確認と試行を繰り返しながらサイト設計を行います。
上記のようにさまざまなプロセスをしっかりと踏んだ上でオウンドメディアを作成すれば、この最終段階で目的を見失う可能性は少なく、オウンドメディア制作が成功する可能性もぐっと増えると期待できそうです。
5.まとめ
今回はオウンドメディアについて詳しく調べてみました。
まとめると、
オウンドメディアは 専門性の高い記事で統一されたサイト構成で、 ブランディングにも高い効果を発揮するため、Webマーケティングにおいて非常に有効な手段だと言えそうです。
また、綿密な計画プロセスを踏まないといけないことや、効果が出るまで期間がかかることを鑑みると、しっかりと腰を据えて本格的にマーケティングを成功させたい方に有効な選択肢だと考えられます。
今回の記事がオウンドメディアについて検討、制作する際の参考になれば幸いです。
ライター:井上
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