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マーケティングにおいて年々注目度が増しているUGC。実は、BtoBマーケティングには向いていない・・・という考えはもう古いんです!
「UGC」というキーワードを聞いたことがある方は、BtoCのイメージが強いかもしれませんが、実はBtoBマーケティングにおいても注目度・重要度が増しています。
今回は、そんなUGCをテーマに、マーケティングのヒントをお届けします!「UGCか・・・うちはBtoBだから関係ないよね・・・」と思った方も、ぜひ一度読み進めてみてくださいね!
UGC・・・ナニソレ?という方もご安心ください。親切丁寧に解説していきますので、ぜひ一緒にポイントをおさえていきましょう!
目次
1.1.UGCの言葉の意味とCGMとの違い
1.2.UGCの具体例
2.1.SNSの利用者数、利用率の向上
2.2.4大メディアや広告に対する認識の変化
2.3.信頼性と透明性の要求が向上
3.1.信頼感と説得力のある情報を消費者に届けられる
3.2.顧客視点の要望を汲み取ることができる
3.3.マーケティング施策のためのコンテンツに活かせる
3.4.エンゲージメントの向上が期待できる
4.1.BtoC業界
4.2.注目が高まっているBtoB業界
1.UGCとは?
UGCとBtoBマーケティングの関係性のお話をする前に、まずは、おさらいとして「UGCってそもそもなに?」という基礎から解説してきますね。あらためて、言葉の意味や重要性をチェックしていきましょう。
1.1. UGCの言葉の意味とCGMとの違い
UGC(ユー・ジー・シー)とはUser Generated Content(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ)の略称です。
日本語に直すと「ユーザー生成コンテンツ」という意味となり、マーケティング用語として使われています。たとえば、商品を購入した消費者が、その商品のクチコミを自身のSNSに投稿した場合の投稿内容が、UGCに該当します。
同じような用語に、CGMというものがあります。CGMとは、Consumer Generated Media(コンシューマー ジェネレイテッド メディア)の略で、一般ユーザーのクチコミや投稿で成り立っているメディアのことを指します。具体的には、「食べログ」や「Yahoo!知恵袋」などが例として挙げられます。
UGCはユーザーが作ったコンテンツそのものを指し、CGMは、ユーザーのクチコミや投稿をまとめているメディアの総称です。そのためCGMはUGCの集合体、とも言えます。
1.2. UGCの具体例
では、UGCの具体な活用例について見ていきましょう。まずは、一般的なものでいくつか具体例を挙げてみますね!
非常に身近なものが多いと思います。
■レビュー
ECふくむサイト内のカスタムレビュー。
ちなみに、レビュー(review)とは、「批評」「復習」「再考」などをする、といった意味です。普通の使い方として、商品やサービスの購入後、店舗や施設を利用した時、映画や音楽を見たあとの、「感想や論評」をレビューとしています。
■ブログやSNSへの写真・テキスト投稿
顧客によってInstagramやX(旧Twitter)などのSNSにアップされた、サービスや商品に関する投稿。
■SNSへの動画投稿
顧客によってYoutubeをはじめとする動画プラットフォームへアップされた、サービスや商品に関する動画。
■キャンペーン
顧客が参加できるキャンペーンを企画し、顧客と企業がコミュニケーションを取る手法。具体例は、商品・サービスのハッシュタグでクチコミを投稿してくれたユーザーに抽選でプレゼントを送る…といったハッシュタグキャンペーンなどが有名。
どれか1つは「やったことがある!」「見たことがある!」というものがあるのではないでしょうか?こんな風に、UGCは身近なもので、私たちの生活になくてはならないものになっています。
2.マーケティングにおいてUGCが注目される理由
では、なぜマーケティングにおいてUGCの注目度が高まっているのでしょうか・・?
以下の点が理由として挙げられます。
(2.1.)SNSの利用者数、利用率の向上
(2.2.)4大メディアや広告に対する認識の変化
(2.3.)信頼性と透明性の要求が向上
順番に詳しくみていきましょう。
2.1. SNSの利用者数、利用率の向上
総務省が発表している「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」によると、日本のSNS利用者数は2022年時点で約1億200万人となっており、非常に利用率が高まっています。
2018年からの推移を見ても右肩上がりで増加しており、2027年には1億1,300万人にまで増加すると予想されています。
引用:
日本のソーシャルメディア利用者数は、2022年の1億200万人から2027年には1億1,300万人に増加すると予測されている
総務省「令和5年 情報通信に関する現状報告の概要」/第2部 情報通信分野の現状と課題
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd247100.html
(参考日:2024年9月2日)
また、総務省統計局によると、2024年2月1日時点での総人口は1億2410万5千人であると公表されています。
つまり、先ほどの2022時点でのSNS利用者数で計算すると、日本の人口のほぼ8割の人がSNSを利用している、ということになります。(2024年現在ではもっと増えていると予想されます。)
引用:
【2024年(令和6年)2月1日現在(確定値)】<総人口> 1億2410万5千人で、前年同月に比べ減少
総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)2月確定値、2024年(令和6年)7月概算値)(2024年7月19日公表)」
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/new.html
(参考日:2024年9月2日)
新規顧客を獲得する場合、「認知の拡大」が重要ですが、今やSNSを制する者が市場を制する・・・といっても過言ではないともいえそうです。
「SNS、よくわからないし、やってないから・・」とも言っていられない時代がやってきた感じですね。
2.2. 「4大メディア」や「広告」に対する認識の変化
SNSの普及に伴って、(1)新聞、(2)テレビ、(3)雑誌、(4)ラジオ、といった既存の4大メディアや広告の捉え方も変化してきています。
上述したとおり、SNSの利用率が上がってきている反面、既存メディアの影響力は全盛期に比べ低下していると感じます。
そして、既存の4大マスメディアを活用した広告・宣伝よりも、ユーザー起点で生成されたコンテンツのほうが、商品やサービスを利用してもらえる機会に影響を与えるようになってきています。
「最近の若者はテレビや新聞を見ない・・」というのはよく聞く話ですが、そのことからも既存の4大メディアの影響力の低下が感じられますね。
こういった背景には様々な要因がありますが、その1つとして、SNS上に「ユーザー視点でレビューされた商品やサービスの投稿」があふれており、消費者は「広告ではない、生のユーザーの声」に対して信頼を寄せるようになってきていることが関係していると考えられます。
総務省の「令和5年 情報通信白書」では、世帯におけるスマートフォンの保有率が2022年時点で9割を超えていると発表しています。
引用:
デジタルを活用する際に必要となるインターネットなどに接続するための端末について、2022年の情報通信機器の世帯保有率は、「モバイル端末全体」で97.5%であり、その内数である「スマートフォン」は90.1%である。
総務省「令和5年 情報通信白書」
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd24b110.html
(参考日:2024年9月2日)
この数字と、さきほどのSNS利用率の増加を見るに、これまでは情報を受け取る側だった消費者が、手元にあるスマートフォンで手軽に情報発信をできる世の中に変化してきているとも言えますね。
インターネットの利用が増加していることで、インターネット広告の利用も増えていますが、広告配信のターゲット設定やセグメントにはまだまだ課題があるため、ユーザー側からすると、まったく興味がない広告ばかりが流れてきたり、中には悪質な虚偽広告も出回ってしまったり・・・と、「広告への信頼度の低下」も否定できないでしょう。
正しい広告の使い方や運用の在り方が、時代の変化によって問われているのだと感じます。
2.3. 信頼性と透明性の要求が向上
情報がありふれた今の世の中では、買い物1つとっても、あらゆるところから情報収集が可能です。そのため消費者はこれまで以上に「広い視野」で商品の比較検討ができる環境にあります。
商品やサービスの信頼性や透明性が、消費目線の情報から見えるようになったことで、「信頼できる情報」「透明性がある情報」への要求が向上しています。
お金を支払う以上失敗はしたくないですから、できる限り本音の信頼できる情報がほしい・・・と思うのは自然なことですよね・・・
企業側の目線で消費者に対してメッセージを発信する広告ではなく、「消費者」という同じ立場から発信されたコンテンツに対して透明性や信頼を寄せることも頷けます。
3.UGCで得られる効果
これからのマーケティングにおいて、UGCがとても重要だということがわかったところで、ここからは、具体的にどういった効果があるのかを解説しますね!
UGCで得られる代表的な効果は以下になります。
(3.1.)信頼感と説得力のある情報を消費者に届けられる
(3.2.)顧客視点の要望を汲み取ることができる
(3.3.)マーケティング施策のためのコンテンツに活かせる
(3.4.)エンゲージメントやブランディング効果を見込める
では順番に詳しく見ていきましょう!
3.1. 信頼感と説得力のある情報を消費者に届けられる
「信頼感」「説得力」・・・この点が、UGCにおいて最も効果を実感できる点だと思います。販売元と利害関係のない「消費者目線」の情報は、素直に消費者に届きやすくなっています。
たとえば、新しい化粧水を買って使ってみたら「これ、すごくいいかも!」と思い、“自己表現の一環”でSNSに商品と自分の感想をアップします。
↓
すると、その投稿を見た第三者が「どんな商品だろう・・・?」と興味を持ち検索します。
↓
そして、検索して出てきた情報から「いいかもしれない」と感じ、「他の人も使って“いい”と言っているなら試してみようかな」とUGCが決定打となり、購入に至るという流れが生まれます。
さらに注目すべきは、上記の一連のプロセスは、“連鎖する”というところにあります。上記のプロセスで商品を購入した消費者が、「私も効果があったよ!」とSNSで投稿することでUGCを起点にした購買プロセスが連鎖し広がっていきます。
そのため良質な商品やサービスほど、消費者に信頼感と説得力を与えながら勢いよく広まるというわけです。
3.2. 顧客視点の要望を汲み取ることができる
UGCを活用していくと、消費者目線のコンテンツが増加していきます。そしてそこには、商品やサービスを提供する側では気づけない新しいアイデア・発見があります。
商品やサービスを消費者へ届けるためには、自社の商品・サービスのどこにメリットを感じてもらえるのか、という視点が非常に重要です。従来であれば、アンケートを取るといった方法もありましたが、やや形式的な側面もあり、収集できる情報に限りもありました。
しかし、UGCを分析することでより多角的な視点から、自社の商品やサービスに対する「消費者の反応」を知ることができ、商品開発や広告内容にも反映することができます。
3.3. マーケティング施策のためのコンテンツに活かせる
自社の認知を高め、新規顧客を獲得していくためには、継続的なコンテンツマーケティング施策も欠かせませんよね。
コンテンツマーケティング とは、有益な情報をブログやSNSといったコンテンツを介して発信し、顧客側から問い合わせが届くよう仕向けるインバウンドマーケティングの一種で、とても重要なマーケティング手法です。
しかし、コンテンツ作りには時間や労力がかかりますから、良質なコンテンツを継続的に制作することにハードルを感じている方も多いのではないでしょうか・・・
「何を発信すれば顧客に届くのか・・・」と悩み、気づけばコンテンツ作りが止まっていた・・・なんてこともあるかもしれません。
そんなときに注目したいのが、UGCです。顧客側で制作されたコンテンツを利用することで「顧客目線でメリットを感じてもらえるコンテンツ」を発信することができます。また、コンテンツ自体はユーザー側で制作されたものを利用させてもらうため、制作時間を大幅に短縮することもできます。
UGCをコンテンツマーケティングに活用する具体例としては以下のような方法があります。
■自社のSNS公式アカウントでUGCを活用した投稿をおこなう
自社で運営しているSNS公式アカウントがある場合、自社製品やサービスの魅力を投稿してくれているユーザーのコンテンツ素材を使用し、投稿をおこなう方法があります。
よく見かける手法としては、「ユーザーさんがこんな風に商品を使ってくれました!」というような形でそのユーザーのアカウントをメンションし、投稿者から借りた素材を利用して自社のアカウントでも投稿をおこなう、といったものがあります。
■商品にUGCを活用したコンテンツを同梱する
商品の同梱物にUGCを活用することで、商品購入者に対し「他のユーザーはこんな風にこの商品を活用していますよ」といった有益な情報を共有することができます。
購入者側は「こんな使い方もできるのか」という発見になったり、「多くのユーザーが活用しているなら安心だ」と信頼につながったりすることも考えられるため、満足度向上やリピーター獲得効果が期待できます。
上記はほんの一例ですが、「消費者の声」が反映されたコンテンツとして有効に活用することができるでしょう。
ただし、UGCを利用する場合は、「著作権」を侵害しないよう細心の注意を払う必要があります。UGCはあくまでも「ユーザーが生成したコンテンツ」であるため著作権はユーザー側にあります。そのため勝手に利用することは著作権法違反となってしまいます。
UGCを利用したい場合は必ず、会社としての利用規約や許諾獲得のフローを定めたうえで、コンテンツを制作しているユーザーに対して許諾を得るようにしましょう。
3.4. エンゲージメントの向上が期待できる
みなさんは、お気に入りの商品をSNSにアップした経験はありませんか?その瞬間、きっと「この商品好きだなぁ・・・」と思っていたのではないか、と思います。
このように、UGCによって消費者の該当の商品やブランドに対する、愛着や親密度の向上・・いわゆるエンゲージメントの向上が見込めます。
UGCは「この商品、使いやすかったな」「このブランドの服がすごくかわいかった」といったポジティブな気持ちがきっかけで自己表現の一部として発信されることが多いため、消費者と商品やブランドとの繋がり・関わりが自然と深まっていきます。
企業側からも公式SNS等でUGCを取り上げていくことで、企業と消費者間でのコミュニケーションも増え、そこからさらにブランドに対するエンゲージメントが向上していく・・といった効果も期待できます。
4.UGCの効果を得やすい業界
ここからは、どういった業界でUGCの効果を得られやすいのか、そして今後注目していくべき業界について解説していきます!お馴染みのBtoC業界から説明していきますが、BtoBマーケティングにも繋がる考え方なのでぜひご確認くださいね。
4.1. BtoC業界
一般的にUGCの効果が得られやすいと言われているのがBtoC業界で、具体的には以下のような場合が該当します。
(4.1.)「モノ」として形がある商品を扱う場合
(4.2.)お菓子、映画、本、音楽…といった、人に勧めやすく「共有したい!」と思わせるような商品・サービスを取り扱う場合
(4.3.)コスメ、アパレル、といった、自分を表現するために投稿しやすい商品を取り扱う場合
形のある商品は写真や動画にしやすいため、UGCが生まれやすく、そこにさらに「高い満足度」や「自己表現の一部」といった要素が加わることで効果的なUGCとなります。
4.2. 注目が高まっているBtoB業界
これまでBtoB業界では、いわゆる「SNSでの写真映え」などが狙いにくいことから、UGC施策は向いていないとも言われていました。しかし、「2.マーケティングにおいてUGCが注目される理由」でもお伝えしたとおり、世の中の流れとしてあらゆるものに対して情報への信頼性と透明性の要求が向上しているため、BtoBマーケティングにおいてもUGCの活用が重要となってきています。
これまでのようにいわゆる「SNSで映えにくい商材やサービスは盛り上がらないため効果が出にくい・・・」という時代から、「有形商材、無形商材関わらず、ユーザー目線のコンテンツが効果を得やすい」という時代へと変化しているとも言えます。
さらに、BtoBにおけるEC市場が拡大していることも、こういった変化に関係していると考えられます。
経済産業省の「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、EC使用率は「BtoB-ECで37.5%(前年比1.9ポイント増)と増加傾向にある」と報告されているため、これまでのように営業担当が製品やサービスを売り込む時代から、オンライン上で製品やサービスを購入するケースも増えています。
引用:
EC化率※1は、BtoC-ECで9.13%(前年比0.35ポイント増)、BtoB-ECで37.5%(前年比1.9ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。
経済産業省「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」(1)国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)
https://www.meti.go.jp/press/2023/08/20230831002/20230831002.html
(参考日:2024年9月2日)
昨今、企業の間ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が叫ばれているので、その状況を例に考えてみましょう。悩まれたご経験がある方も多いのではないでしょうか・・・笑
DXとは、デジタル技術を用いた業務フローの改善やビジネスモデルの新たな開発を推進していくことです。そのため多くの企業は新しいことに取り組まなければいけない状況になっています。そしていざ、デジタル化を進めようと決意すると、世の中にあふれた多数のサービスや商品の中から、自社に合ったものを選ぶ必要が出てきますよね。
そうした場合にはもちろん、サービス提供側から提案や説明を受けますが、「ほんとうに自社にあったサービスなのだろうか・・・あと一歩、説得性や決定打に欠ける・・・」という不安をぬぐいきれない場合もあります。
そこで注目されているのが、BtoBにおけるUGCです。
BtoB業界におけるUGCとは、顧客、パートナー企業、さらには各業界における専門家・・・といった「BtoB企業が提供する製品やサービスに関わる存在」によって発信されたコンテンツを指します。
ユーザー発信で「自社の課題が、○○社の△△というサービスで解決された!」といったUGCが広まれば、それに興味をもった企業担当者からの問い合わせが増えることが予想されます。
BtoC業界の場合、「高い満足度」や「自己表現の一部」といった要素が加わることで効果的なUGCが発信されやすいとお伝えしましたが、これはBtoBマーケティングにおいても同じことが言えるでしょう。
もちろん、BtoBマーケティングの場合、発信される情報の種類や特性がBtoCとは異なります。しかし、「信頼性・透明性」が重要視されているという観点で、本質的には通ずるものがあります。
これまでにもBtoBマーケティングでは、導入事例(ケーススタディ)や、顧客インタビューといったUGCを意識したコンテンツは多く制作されていますが、今後はさらに、「ユーザー起点で生まれるコンテンツ」であるUGCを意識した取り組みに、注力していく必要がありそうです。
5.BtoBマーケティングにおけるUGCの種類
「BtoBマーケティングにおいても、UGCってすごく大事なんだ!」と感じていただいたところで「じゃあ具体的にどんなものがあるの?」と思ったのではないでしょうか・・?
ここからは、BtoBマーケティングにおけるUGCの種類について解説していきますので、一緒にポイントをおさえていきましょう!
「4.2. 今注目が集まってきているBtoB業界」でご説明したとおりBtoB業界におけるUGCとは、「BtoB企業が提供する製品やサービスに関わる存在」によって発信されたコンテンツを指します。
コンテンツの種類は以下のようなものが挙げられます。
■SNSの投稿
■レビュー動画投稿
■製品・サービスのレビュー投稿
■ブログ記事の投稿
■オンラインコミュニティやフォーラム等でのコメント
そして、上記のようなUGCの具体的な活用例には以下が挙げられます。
■SNSの投稿やレビュー投稿の活用例
・ユーザー企業に対して自社製品利用時にレビュー回答を促し、ホームページ、ECサイト、営業資料等で紹介する
・ユーザー企業からの自社製品に関するSNS投稿を、ホームページ、ECサイト、営業資料等に引用して紹介する
・「ITreview」などのCGM型プラットフォーム等から得た自社製品やサービスに関するレビューをホームページ、ECサイト、営業資料等へ引用して紹介する
・UGCを分析して得た「ユーザー視点のメリット」を、コンテンツマーケティング用のコンテンツに反映する
■オンラインコミュニティやフォーラム等の活用例
・オンラインコミュニティなどでQ&Aセッションを設け、ユーザーからの疑問や質問に直接回答し、企業と顧客間の信頼関係を構築する
・オンラインコミュニティなどで直接ユーザーから聞いた、自社製品やサービスに関する感想や意見を、コンテンツマーケティング用のコンテンツに反映する
上記はほんの一例ですが、BtoBマーケティング間の場合もBtoCと同様で、顧客、パートナー企業、業界の専門家、といったUGC発信側と製品・サービスを提供する企業側との繋がりや信頼案系を重視し、UGCが生まれやすい環境を作づくりに注力することが大切です。
最近では、BtoB業界の中小企業においても、SNSの公式アカウントを持っている場合が多く、UGCを意識してマーケティングをおこなっている企業も増えてきていると言えるでしょう。
6.UGC活用時の注意点
とても魅力的なUGCですが、活用していくうえで心得ておくべき注意点があるため、最後にそちらをご説明しますね。
■著作権の問題
「3.3. マーケティング施策のためのコンテンツに活かせる」でも少し触れましたが、UGCの著作権はコンテンツ制作したユーザー側にあります。そのため勝手に利用することは著作権法違反となるため注意が必要です。
それだけでなく、UGCのなかには、他社製品が映り込んだ写真が写っている、コンテンツ制作者以外の関係者が映っている、というケースもあります。
UGCとしてユーザー視点での発信した場合には問題にならないケースでも、それを企業ホームページなどに取り上げ、「会社として発信したコンテンツ」となることで、知らずらずのうちに著作権や肖像権の侵害が問題となってしまうケースもあります。
そのため、もしUGCを活用する場合には、必ず会社としての利用規約や許諾獲得のフローを定め、コンテンツを発信したユーザーに対して許諾を得ることが重要です。
また、投稿内容についても、他社製品やロゴといった「そのまま投稿すると著作権や肖像権を侵害してしまうような内容」が含まれていないかを確認し、万が一含まれている場合は、著作権や肖像権の侵害が起こらない形に調整したうえで発信するといった対応が必要です。
■必ずしも良い内容のUGCとは限らない
UGCの魅力は、「ユーザーの生の声が反映されていること」にあります。そのため、発信されるコンテンツが必ずしもポジティブな内容ばかりではないため、ネガティブな情報が発信された場合の対応も重要になってきます。
ネガティブな情報であったとしても包み隠すことなく、迅速かつ真摯な対応を心掛けることが、ユーザーの信頼を構築するうえでは、とても大切です。
またUGCの情報自体に誤りがある場合についても早急な訂正をおこない、偽りの事実が広まらないよう情報品質を維持していくことも重要になります。
■ステマ(ステルスマーケティング)にならないよう注意する
ステマとは、ステルスマーケティングの略で、広告や宣伝であることを隠して、SNSやブログ等を活用し消費者に隠れて広告宣伝行為をおこなうことです。
※以前に、「【2023年10月施行】ステマ法規制とは?SNS・口コミ投稿に注意」の記事で
ステマに関する詳細の解説をおこなっていますので、詳しく知りたい方は、ぜひそちらもご覧ください!
インフルエンサー等を起用し、SNSなどで自社サービスや商品を宣伝する場合は、かならず「広告であることを示す」ことが重要です。
■企業からコンテンツ発信者へ商品を渡している場合
広告主事業者名を明確に表記したうえで「#サービス提供」「#プレゼント企画」「#モニター企画」「#キャンペーン名」といった形で、商品やサービスをコンテンツ発信者が受け取っていることがわかるような表記が必要です。
■金銭のやり取りが発生している場合
広告主事業者名を明確に表記したうえで、「#タイアップ」「#PR」「#プロモーション」といった表記をユーザーが確認できる位置に、明確に記載しましょう。
■誇大広告や虚偽の内容が含まれていないかという確認が必要
コンテンツ発信者にすべてを任せるのではなく、必ず、コンテンツが発信される前に虚偽の内容が含まれていないか、などを社内でも審査するようにしましょう。
ステマ規制法は、事業内容によっては対象外になりますが、当記事でも何度もお伝えしているように「消費者からの信頼」が今後のマーケティングにおいて重要になってきます。その観点では、どんな事業内容であっても、広告や宣伝であることを隠すことはUGCの本質から外れてしまうことになるため、ステマにならないように意識することは大切です。
■薬機法を遵守する
医療品、医学部外品、化粧品、医療機器、再生医療等製品、といった商材のマーケティングをおこなう場合は、薬機法にも注意が必要です。薬機法とは、医薬品等の安全性や有効性、および品質を確保するために定められた法律です。
ユーザーによって生成されたコンテンツであっても、企業でマーケティング等に活用する場合は薬機法の対象になります。UGCを活用する場合には、消費者に誤解を与えてしまう可能性のある誇大表現など、薬機法に違反するような内容が含まれていないかどうかも審査しましょう。
UGCの活用には魅力がたくさんある一方、活用する場合は法律の遵守やユーザー側への真摯な対応等が求められます。ルールを守ったうえで適切に活用していくことが重要ですね。
7.まとめ
SNS利用率が上がり、これまで以上に情報発信・収集が身近になっていることから、製品やサービスを利用する側は「情報の信頼性や透明性」を重要視するようになってきています。
こうした時代背景からもUGCはこれからあらゆる業界で注目されていくと予想されます。
レビューをはじめとするUGCはコツコツと蓄積していくことが大事ですので、今のうちから企業ホームページ・ECサイトやコンテンツマーケティングにUGCの要素を取り入れ、顧客ニーズにマッチした情報を発信していけるような取り組みが必要です。
「UGCをホームページやECサイトに反映したいけど、どうすればいいかわからない・・・」という場合は、制作実績を豊富に持つホームページ制作会社に相談してみるのも1つの方法です。きっと、予算に合わせた適切な提案をしてくれるでしょう。
※当社WWG(ダブル・ダブル・ジー)でもUGCマーケティングや活用についてのご提案が可能です。
気になられる方は、気軽にお声をかけて下さいね。
名古屋から愛知全域にて企業専門のホームページ制作をしています
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