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ChatGPT(チャット・ジーピーティー)、最近ではすっかり耳なじみのある言葉になってきたように思いますが「色々なバージョンがあってよく分からない」「無料版と有料版ってどう違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、
・ChatGPTのバージョンの種類
・無料版と有料版の違いや選び方
について、比較検証もおこないながら解説していきます。
この記事を読めば、ChatGPTのバージョンの違いが明確に分かり、有料版と無料版、どちらを使うのが良いのかな・・・というモヤモヤもスッキリするはず!ぜひ一緒に見ていきましょう。
目次
2.1.ChatGPT-3.5
2.2.ChatGPT-4.0
2.3.ChatGPT-4 Turbo
2.4.ChatGPT-4o
2.5.ChatGPT-4o mini
2.6.OpenAI o1(o1-preview・o1-mini)
3.1.ChatGPT(無料版)
3.2.ChatGPT Plus
3.3.ChatGPT Team Plan
3.4.ChatGPT EnterPrise
3.5.ChatGPT APIの利用
4.1.無料版(ChatGPT-4o mini)と有料版(ChatGPT-4o)の比較
4.2.無料版(ChatGPT-4o mini)と有料版(OpenAI o1-preview)の比較
5.1.無料版がおすすめの場合
5.2.有料版がおすすめの場合
1.ChatGPTとは?
まずは、ChatGPTとは何かについて、簡単におさらいします。ChatGPTとは、「Generative Pre-trained Transformer(ジェネレーティブ・プリ・トレーニド・トランスフォーマー)」の略称で、人間と対話をするかのように、質問へ回答してくれる「対話型のAIサービス」です。
ChatGPTは、アメリカのOpenAI社が提供しており、2024年9月に最新のバージョン「OpenAI o1(オープンエーアイ・オーワン)」のプレビュー版がリリースされるなど、日々進化を遂げています。
過去にChatGPTについて詳しく解説した記事もあるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
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【超便利⁉】今話題のChat(チャット)GPTとは?【実際に使ってみた】
ChatGPTは2022年の11月末にサービス提供を開始しましたが、公開からたったの1週間で100万人のユーザーを獲得し、約2ヶ月で1億人のアクティブユーザーを獲得したとも言われています。
iPhoneやInstagramのユーザー数が100万人を達成するのに要した時間が約75日だったことを考えると、いかにChatGPTが注目を集めているかが伺えますね。
2.従来モデルと最新モデル「OpenAI o1」について
2022年のリリース以降、何度もバージョンアップを繰り返してきたChatGPT。ここからはバージョン別の特徴を見ていきましょう。
2.1. ChatGPT-3.5
■ChatGPT-3.5
・無料版として最初にリリースされたバージョン
・自然な対話の生成可能な、「高度な自然言語処理能力」が強み
・学習データ期間は2022年1月まで(2024年10月時点)
ChatGPT-3.5は2022年に無料版としてリリースされた最初のバージョンです。ChatGPT-3.5の特徴は、自然な対話を生成することができ、複雑な質問にも対応できるといった「高度な自然言語処理能力」です。
大量な情報を反復的に処理する作業の自動化にも向いており、日常的な質問への対応から、開発者・プログラマーのサポートまで幅広い場面で活用できます。一方で、学習データ期間は 2022年1月までとなっているので、最新の情報は反映されないため注意が必要です。
※2024年10月現在では、利用ができなくなっているモデルです。
2.2. ChatGPT-4.0
■ChatGPT-4.0
・ChatGPT-3.5よりも言語能力が向上
・マルチモーダルに対応
・長文のプロンプト(指示・質問)や対話にも対応可能
・整合性や安全性が向上
・学習データ期間は2023年4月まで(2024年10月時点)
ChatGPT-4.0は、2023年3月15日に有料版としてリリースされました。ChatGPT-3.5よりもさらに性能が向上しており、より自然かつ一貫性のある文章を生成することができるようになっています。
また、ChatGPT-4.0では、テキスト情報だけでなく、画像や音声も「入力データ」として、複数の情報を組み合わせて処理することが可能となっています。これをマルチモーダルAIと呼んでいます。
たとえば「この図版が意味することを要約してください」といった質問ができる、というわけです。ただし、ChatGPT-4.0はテキストベースのAIであるため、画像や音声を生成することはできません。返答は、テキストで返ってきます。
さらに、ChatGPT-4.0は長文でのやり取りも可能となりました。ChatGPT-3.5では、扱えるテキストの長さが最大で4097トークン※とされていますが、ChatGPT-4.0は7倍以上の32,768トークンにも上ると言われています。トークンが増加した分、長文への理解力も向上しているんですね!
※AI用語として使用されるトークンとは 、テキストを最小単位に分割したものを指します。たとえば、文章であれば句・単語に分解し、分解したそれぞれの意味をコンピューター側で理解しやすい形に処理する仕組みとなっています。また、各モデルが一度に処理できるトークン数を表す言葉をコンテキストウィンドウと言います。
整合性や安全性についても、ChatGPT-3.5と比較して向上しています。誤解を招く情報や正確ではない情報を提示しないようにする工夫などもされています。
しかしその一方で、まだまだすべての情報が正確であるというわけではないので、利用する際は人の目でも情報に誤りがないかをチェックするなどの注意が必要です。ChatGPT-4.0の学習データ期間は2023年4月までとなっているので、最新の情報は反映されない点も注意しましょう。
2.3. ChatGPT-4 Turbo
■ChatGPT-4 Turbo
・ChatGPT-4.0の4倍の文章を読み込めるようになった
・回答を音声で読み上げる機能も搭載
・ChatGPT-4.0よりも正確かつ細かく指示に応答
・1度の命令に対して複数のタスクを実行可能
・学習データ期間は2023年4月まで(2024年10月時点)
ChatGPT-4 Turboは、開発者向けに最適化されたモデルとして2023年11月に発表され、プレビューとして公開し、正式版は2024年4月9日にリリースされました。開発者向けモデルのため、Webで公開されているChatGPTサービスでは利用できないモデルですが、ChatGPTの進化を順番に理解するのに知っておくと分かりやすいので、簡単にご説明しますね。
ChatGPT-4 TurboはChatGPT-4.0をさらに改良したモデルとなっています。大きく変わったのは、読み込める文章量です。ChatGPT-4.0では32,768トークンだったのが、ChatGPT-4 Turboでは128,000トークンとなっており、およそ4倍近く増えました。(すごい!)
またテキストを音声に変換する音声合成機能も搭載されており、ユーザーが入力したテキストを、自然な発音で読み上げることもできるようになりました。
ChatGPT-4 Turboは、ChatGPT-4.0を改良して作られているので、情報の読み込みや回答もより正確になっています。さらに1度に複数のタスクを命令することもできるようになりました。
たとえば、「○○について調べたうえで、それを箇条書きにまとめて」といった「調べる」「箇条書きにする」という複数のタスクを1回で指示できるようになっています。なんだか相棒みたいでとっても心強いですね・・・!
※ChatGPT-4.0でも、複数のタスクを実行できる場合はありますが、ChatGPT-4 Turboではより複雑なタスクの場合でも実行可能となっています。
2.4. ChatGPT-4o
■ChatGPT-4o
・音声、画像、テキストをリアルタイムで処理できる
・解析速度は、ChatGPT-4 Turboの2倍
・多言語対応
・学習データ期間は2023年10月まで(2024年10月時点)
ChatGPT-4oは、2024年5月13日にリリースされたモデルです。基本的には有料版での利用となりますが、無料版でもトライアル利用が可能なモデルとなっています。(※2024年10月時点)
ChatGPT-4.0でも、テキスト、画像、音声等の情報を統合的に処理するマルチモーダル機能をご紹介しましたが、ChatGPT-4o ではさらにこの機能の性能が強化されています。回答の幅も広がり、処理速度も向上しています。
読み込み可能なトークン数等の基本知能は、先ほど解説したChatGPT-4 Turboと同様ではあるものの、ChatGPT-4oの情報処理速度はChatGPT-4 Turboの2倍とも言われており、より、リアルタイムで会話をしながら回答を得られるようになっています。その他、英語以外の言語についてのサポートが強化されている点も特徴です。
何か質問をしたときに、スムーズかつより正確に回答してもらえる…となると、本当にAIと会話をしているような気持ちになりますね・・・!ChatGPT-4oでは日本語への対応も強化されているので、今後ますます注目が高まっていきそうです。
2.5. ChatGPT-4o mini
■ChatGPT-4o mini
・ChatGPT-3.5に代わるモデルで無料版でも利用可能
・処理速度が、ChatGPT-4oの約2倍
・API利用時の料金がChatGPT-4oの3~4%
・API版はセキュリティも向上
・学習データ期間は2023年10月まで(2024年10月時点)
ChatGPT-4o miniは、2024年7月18日にリリースされたモデルです。無料版で利用可能だったChatGPT-3.5に代わるモデルとして注目を集めています。ポイントは、コストパフォーマンスの高さです。
もともと、ChatGPTの無料版で提供されていたモデルはChatGPT-3.5でしたが、ChatGPT-4o miniへ移行されました。ChatGPT-4o miniは、ChatGPT-4oと同様で1度に入力できる情報量が128,000トークンとなっているにも関わらず、制限はあるものの無料版で利用できるのはうれしいですよね!
また、他のソフトウェアやアプリケーションと組み合わせて活用するAPI(エーピーアイ)※利用の価格についても、入出力コストがChatGPT-4oの3~4%しかかからないため、かなり低コストで運用可能となりました。
処理速度については、ChatGPT-4oが84トークン/秒であるのに対し、ChatGPT-4o miniは166トークン/秒となっており、およそ2倍の速度と言われています。
さらに、API版のChatGPT-4o miniでは、指示階層方式(Instruction Hierarchy)を適用しています。この方式は、ユーザーが入力したプロンプト(指示・質問)よりも、システムプロンプトを優先的に扱うように学習させる方式のことで、不正アクセス(ジェイルブレイク)や悪意のある指示(プロンプトインジェクション)等の攻撃への耐性が向上しています。
※ChatGPT APIとは? :そもそもAPIとは、Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)の略称で、Webサービスやソフトウェア同士をつなぐためのインターフェースのことです。そのため、ChatGPT APIとは、開発者がChatGPTモデルを活用し、他のソフトウェアやウェブサービスとChatGPTを連携させて自然言語処理をおこなうことを指します。
その一方で、ChatGPT-4oでは利用できるけれど、ChatGPT-4o miniでは利用できない機能、というのもあります。具体的には以下の機能が利用できないため、活用目的よっては、注意が必要ですね。
・ブラウジング
※ChatGPTがWeb上の最新情報を取得して回答に反映する機能
・画像生成
・画像認識(APIを活用することで利用可)
※画像を読み込んで認識し、回答に反映する機能
・Advanced Data Analysis
※データ分析をおこなう機能
・ファイルのアップロード
2.6. OpenAI o1(o1-preview・o1-mini)
■OpenAI o1(o1-preview・o1-mini)
・じっくり考える頭のよいAI
・物理学、生物学、化学、数学、コーディングの分野に優れている
・複雑な推論タスクが強化された
・安全性が向上
・学習データ期間は2023年10月まで(2024年10月時点)
OpenAI o1 モデル(o1-preview・o1-mini)は、2024年9月12日にリリースされたモデルで、これまでのChatGPTモデルとは異なり、複雑な推論タスクに対して“人間のように時間をかけてじっくり考えるAI”として注目を集めています。とくに、物理学、生物学、化学の問題に対して「人間の博士レベル」の精度を超えたとも言われています。
AIがついに博士を超える?!と思わずびっくりしてしまいました・・・(笑)
数学分野の能力にも長けており、国際数学オリンピック(IMO)の予選試験で83%の正答率を記録しています。ちなみに、ChatGPT-4oは13%とされているので数学分野の知能がかなり向上したことが伺えます。
そしてなんといっても注目すべきは、その「推論能力の高さ」です。 OpenAI o1モデルは、返答速度よりも、思考の質を重要視しており、まるで人間のように問題を深くじっくりと考えてから回答する能力に長けています。物理学、生物学、化学、数学、コーディングの分野に優れているのも、この推論能力の向上が大きく関係していると言えますね。
この高度な推論力は安全性の面でも役立っています。OpenAI o1モデルでは整合性・安全性のガイドラインに従わせるために、新しい学習手法が取り入れられています。さらに、状況に応じて安全ポリシーについての推論をおこなうことでより高い安全性を担保しています。
お気付きかもしれませんが、これまでのモデルの名称はずっと「ChatGPT○○」だったのに対し、このモデルは「OpenAI o1」となっています。この名称変更からも分かる通り、OpenAI o1は「複雑なタスク」の領域において大きな進歩を遂げていることから、ナンバリングがリセットされ、新たに「OpenAI o1シリーズ」としてスタートしたと言われています。
■モデル別のスペックについて
読み込めるトークン数(コンテキストウィンドウ)はChatGPT-4oと同様で128,000トークンとなっています。モデルは、o1-previewとo1-miniが出ています。それぞれのモデルの違いは以下になります。
■特徴
・OpenAI o1-preview
推論トークンという新しい機能が導入されています。複雑な問題・タスクに取り組み際に、より深く考えられるように設計されたモデルです。物理学、生物学、化学、数学の分野に優れています。
・OpenAI o1-mini
主に、コーディングに特化したモデルです。コスト効率が高く、高速処理が可能となっています。複雑なコードの生成や、プログラムの修正(デバッグ)において、開発者を支援するのに役立つモデルとなっています。API利用時の料金について、OpenAI o1-miniは、OpenAI o1-previewに比べて安価に利用できる点もポイントです。
■使用制限
・OpenAI o1-preview
週に50メッセ―ジまで
・OpenAI o1-mini
1日に50メッセージまで
※ChatGPT Plus・Teamユーザーの場合
■法人向けAPI提供料金
・OpenAI o1-preview
【入力】15ドル(約2,200円)/100万トークン、【出力】60ドル(約8,700円)/100万トークン
・OpenAI o1-mini
【入力】3ドル(約340円)/100万入力トークン、【出力】12ドル(約1,740円)/100万トークン
※OpenAI o1でAPIを使う場合の条件や制限:OpenAI o1-previewやOpenAI o1-mini
のAPIモデルを利用する場合は、過去30日以上にわたる支払い履歴があり、これまでの支払い金額の合計が1000ドル以上のユーザー(API使用レベル5のアカウント保持ユーザー)である必要があります。
また、OpenAI o1モデルのAPIを利用する場合、以下のような利用制限も設けられています。
・ChatGPTでo1-previewを使う場合
1分間に最大100リクエスト
・ChatGPTでo1-miniを使う場合
1分間に最大250リクエスト
***
推論力が長けているOpenAI o1モデルですが、まだプレビュー段階ということもあり、従来のChatGPT-4oと比較すると、利用できる機能が限られています。たとえば、インターネット上の情報を確認するブラウジング、画像の読み込みや出力、ファイルのアップロード、といった機能は使用できません。
また、o1-previewの検証で、ユーザーを意図的に欺くような回答が返ってきたケースも報告されているので、まだまだ理想通りの回答を得られる・・・という段階ではないようです。
3.ChatGPT 有料版と無料版の違い
ChatGPTモデル、そしてOpenAIモデルの概要が分かったところで、無料版と有料版はどのくらい違うの?という疑問について解説していきます。
ChatGPTモデルには、現在5つのプランが用意されています。
・ChatGPT(無料版)
・ChatGPT Plus
・ChatGPT Team
・ChatGPT EnterPrise
・ChatGPT APIの利用
1つずつ特徴を見ていきましょう。
3.1. ChatGPT(無料版)
■ChatGPT(無料版)
・ChatGPT-4o miniを無料で利用可能
・入力可能な文字数は約2,048文字に制限
・ブラウジングや画像生成機能は利用できない
・質問は1分間あたり最大60回まで
・アクセスが集中すると、回答が遅くなる
個人利用を想定されたプラン。日常会話や翻訳、文章の作成・・・といった用途で利用するのには機能としても十分活用できます。
※2024年10月現在、無料版で利用できるモデルは、ChatGPT-4o miniとなっています。(初回の会話がChatGPT-4oとなり、回数制限に達すると自動的にChatGPT-4o mini へ切り替わる仕組みです。)
無料で使える点は魅力である一方で「2.5.ChatGPT-4o mini」でお伝えした通り、ブラウジングや画像生成、データ分析など使えない機能もあります。
また、個人利用のモデルとなるので、機密情報や個人情報の入力はしないように活用しましょう。
3.2. ChatGPT Plus
■ChatGPT Plus
・月額20ドル(約3,000円)で利用可能
・入力可能な文字数:約25,000文字に制限
・ブラウジング、画像生成、グラフの生成が可能
・プラグインを利用できる
・GPTs(ジーピーティーズ)の利用や作成ができる
・質問は1分間あたり最大600回まで
・無料版よりもアクセスが優先されるため、スムーズに利用可能
ChatGPT Plusは個人利用を想定された有料プランで、「有料で使ってみようかな」と思ったら真っ先に検討するプランかと思います。利用料金は、月額20ドル(約3,000円)です。※為替の変動にはご注意くださいね。
有料版で利用できるモデルは、2024年10月時点では以下になっています。
(このあとに続く他の有料プランでも利用できるモデルは基本的には以下になります。※API利用は除く)
・GPT-4.0
・GPT-4o
・GPT-4 mini
・OpenAI o1-preview
・OpenAI o1-mini
無料版と比較してみると、使えるモデル・機能が豊富です。とくに、ChatGPTにさまざまな機能を追加できるプラグインの利用や、GPTsの利用・作成ができる点が無料版とは大きく異なるポイントです。GPTsというのは、ChatGPTを目的に合わせてカスタマイズできるサービスのことで、必要に応じて知識や指示を追加したり、スキルを組み合わせたりするなどのカスタマイズが可能です。
え・・・それって素人には難しいのでは?と感じますよね。でも大丈夫。GPTsの注目すべき特徴でもあるのですが、なんとプログラムやコーディングの知識が不要なんです。
ではどうするのか・・・?それは、どういったものを作りたいかを“言葉”で伝えるだけでOK!短時間で目的に合わせたGPTを作ってくれます。ファイルや画像の読み込みが必要な場合は、該当の資料をアップロードするだけで、それらを読み込んで生成してくれます。
これぞまさにAI!という感じがしますね・・・!
なお、ChatGPT Plusも個人利用のモデルとなるので、機密情報や個人情報の入力はしないように活用しましょう。
3.3. ChatGPT Team Plan
■ChatGPT Team Plan
・チームでの利用を想定したプラン
・入力可能な文字数:約32,000文字
・共同のワークスペースや管理画面を利用可能
・金額は、1人当たり月額25ドル~30ドル(約3,600~4,300円)
・ビジネスデータや会話はトレーニングに利用されない
ChatGPT Team Planは企業・自治体といったいわゆる「チーム」での利用を想定したプランとなっており、共同のワークスペースを利用できます。費用は、年間払いの場合は1人当たり月額25ドル(約3,600円※変動あり)で、月単位での支払いの場合は、1人当たり月額30ドル(約4,300円※変動あり)となっています。
利用人数が増えてしまうとコストもかさみますが、利用人数が限られるような中小企業・スタートアップ企業などでは比較的利用しやすいプランと言えるでしょう。
また、法人向けに用意されたプランとなっているため、ビジネスデータや業務中の会話などはChatGPTのトレーニングに利用されないようになっています。
ビジネス利用をする際には、細心の注意を払わなければいけない情報漏洩・セキュリティリスク・・・。ChatGPT Teamを利用すれば、最低限の安全性を確保しながら利用できます。
3.4. ChatGPT EnterPrise
■ChatGPT EnterPrise
・法人向けの有料プラン
・入力可能な文字数:約32,000文字
・セキュリティや性能、カスタマイズ性が向上
・複数人で利用可能
・優先されたカスタマーサービス
・料金は公開されていない(要問合せ)
・ChatGPT-4oを無制限に利用できる
・ChatGPT-4oの速度が通常の2倍
ChatGPT EnterPriseは、がっつり法人向け…ということで、機能面や性能、セキュリティの面でのサービスが充実しています。とくに、セキュリティの面では、ビジネスデータや業務中の会話をトレーニングに使用しないだけでなく、データの暗号化やSOC2※に準拠しているので、より強固なセキュリティを担保しています。
※SOC2とは:SOC2に準拠しているというのは簡単に言うと、預かったデータを米国公認会計士協会(AICPA)のフレームワークの基準を順守し、安全に保存・処理できますよ、ということです。 SOC2とは、サードパーティのサービスプロバイダがクライアントデータを安全な方法で保存及び処理するためのサーバーセキュリティ・コンプライアンス・フレームワークのことで、AICPAが開発したものです。
その他、メンバーを一括で管理できるマスターアカウントが追加されたり、使用量管理ができるダッシュボードが使えたり、・・・と、「組織」として使用しやすい機能も追加されています。
3.5. ChatGPT APIの利用
■ChatGPT APIの利用
・現段階では、定額制のプランはない(従量課金制)
・エンジニア人材が確保できると、ビジネス拡大への期待も高まる
最後に、「2.5.ChatGPT-4o mini」でも少し出てきた、ChatGPT APIについても簡単に触れておきますね。
他のソフトウェアやプログラムとChatGPTを連携して、新しいシステムを構築したい・・・という場合に用意されているのが、ChatGPT APIです。他の有料プランで利用できるモデル以外にChatGPT-4 Turboなどの開発者向けモデルも利用できます。
社内にエンジニア人材が確保できている場合などには、ビジネスの可能性が広げる活用が可能です。たとえば、AIを使って自社サービスの品質を上げたいという場合などに使用を検討してみるのもよいかもしれません。
現時点でChatGPT APIの利用料金は定額制ではなく従量課金制となっています。
・GPT-4
【入力】30ドル(約4,300円)/100万トークン
【出力】60ドル(約8,700円)/100万トークン
・GPT-4o
【入力】5ドル(約730円)/100万トークン
【出力】15ドル(約2,200円)/100万トークン
・GPT-4o mini
【入力】0.15ドル(約22円)/100万トークン
【出力】0.6ドル(約87円)/100万トークン
・OpenAI o1-preview
【入力】15ドル(約2,200円)/100万トークン
【出力】60ドル(約8,700円)/100万トークン
・OpenAI o1-mini
【入力】3ドル(約340円)/100万入力トークン
【出力】12ドル(約1,740円)/100万トークン
定額制ではないので、利用方法によってコストが大きく変動するため、予算や想定されるコストなどをトータル的に試算し、判断する必要がありそうですね・・・
4.無料版と有料版を比較検証してみよう
ではここからは「無料版ってどこまでできるの?」という素朴な疑問を解消すべく、実際にChatGPTを使って比較検証をしてみようと思います。
今回は無料版のChatGPT-4o miniと、有料版のChatGPT-4oを比較検証してみようと思います。また、せっかくなので、今回新しくリリースされたOpenAI o1との違いも検証してみたいと思います。
4.1. 無料版(ChatGPT-4o mini)と有料版(ChatGPT-4o)の比較
ものづくり、というキーワードで家具を作っている企業の
広告キャッチコピーを作ってもらおう!
以下のプロンプト(指示・質問)を無料版(ChatGPT-4o mini)と有料版(ChatGPT-4o)それぞれに投げかけてみます。
#命令
あなたは、コピーライターです。以下の条件を満たした広告用のキャッチコピーをできるだけたくさん考えてください。
#条件
・家具を作っている企業の広告用コピーを作ってください。
・ものづくり、というキーワードを使ってください。
・20文字以内のキャッチコピーを作ってください。
・できるだけたくさん作ってください。
#回答形式
テキスト形式でまとめてください。
■無料版(ChatGPT-4o mini)の回答
・所要時間:約5秒
以下は、家具を作っている企業のための「ものづくり」というキーワードを使った広告用キャッチコピーです。すべて20文字以内でまとめています。
1. ものづくりの心、家具に。
2. あなたのためのものづくり。
3. ものづくりで彩る空間。
4. こだわりのものづくり家具。
5. ものづくりで生まれる安心。
6. あなたの夢、形にします。
7. ものづくりの情熱、家具に。
8. 心を込めたものづくり。
9. 生活を豊かにするものづくり。
10. ものづくりで家をつくる。
11. ものづくりが育む暮らし。
12. 一つ一つ心を込めて。
13. 家具から生まれるものづくり。
14. ものづくりでつなぐ心。
15. あなたの手で選ぶものづくり。
ご要望に応じて、さらに作成することも可能です!
■有料版(ChatGPT-4o)の回答
・所要時間:約27秒
1. ものづくりが創る、温かい空間。
2. ものづくりの魂、家具に宿る。
3. ものづくりの技、暮らしに彩りを。
4. ものづくりで支える、快適な日々。
5. ものづくりの心、家具に込めて。
6. ものづくりが生む、特別な時間。
7. ものづくりの匠が作る、理想の部屋。
8. ものづくりで作る、心地よい暮らし。
9. ものづくりが叶える、あなたの夢。
10. ものづくりの力、家具で感じる温もり。
11. ものづくりと共に、暮らしを豊かに。
12. ものづくりの伝統、現代の住まいに。
13. ものづくりの誇り、毎日に寄り添う家具。
14. ものづくりの未来、家具に形に。
15. ものづくりの情熱が込められた一品。
16. ものづくりで届ける、理想の空間。
17. ものづくりがつなぐ、家族の時間。
18. ものづくりの心、暮らしの一部に。
19. ものづくりで築く、永遠の家具。
20. ものづくりが支える、あなたの居場所。
これらのキャッチコピーは、企業の「ものづくり」精神を強調し、家具の品質や温もりを伝える内容にしています。
■検証結果
検証結果を見てみると、回答速度に大きな差がでています。有料版は約27秒かかったのに対し、無料版のほうは約5秒。ChatGPT-4o miniの処理速度は、ChatGPT-4oの約2倍なので、さすがの反応…といったところですね・・・(※アクセスが混雑している場合は、無料版よりも有料版の方が優先されます。)
一方で回答の質については、アイデアの個数に微妙な差がでています。プロンプトではあえて「できるだけたくさん作ってください。」と伝えています。これに対して、無料版ChatGPT-4o miniでは15個の案を、有料版のChatGPT-4oでは20個の案を出す結果となりました。
また、キャッチコピーの内容についても、有料版のChatGPT-4oについては、キャッチコピーの作成に「家具の品質やぬくもりを伝える」という独自のコンセプトを上乗せし、それに基づいた案を出してくれています。
同じテーマで比較してみた結果、無料版のChatGPT-4o miniは回答速度が早い分、思考時間が短く、回答の質も少し有料版のChatGPT-4oに劣る、という印象でした。
ただ、大きな差ではなくプロンプトの出し方を工夫することで、無料版であっても活用の幅が広がりそうです!
4.2. 無料版(ChatGPT-4o mini)と有料版(OpenAI o1-preview)の比較
最近日本で起きている異常気象(線状降水帯、不安定な大気など)の原因を
分かりやすく教えてもらおう!
以下のプロンプト(指示・質問)を無料版(ChatGPT-4o mini)と有料版(ChatGPT-4o)それぞれに投げかけてみます。
#命令
あなたは気候変動の化学分野に精通した科学者です。2024年現在、日本で線状降水帯や大気の不安定な状況などの異常気象が起きてしまっている理由について教えてください。
#条件
・専門用語などもできるだけ分かりやすい言葉に変換して教えてください。
・500文字程度で簡潔にまとめてください。
・日本語でまとめてください。
#回答形式
テキスト形式でまとめてください。
■無料版(ChatGPT-4o mini)の回答
・所要時間:約6秒
日本での異常気象、特に線状降水帯や大気の不安定さは、気候変動の影響によるものです。地球温暖化が進むことで、大気中の温度が上昇し、水蒸気が増加します。これにより、雲が形成されやすくなり、激しい降雨を引き起こす条件が整います。
線状降水帯とは、特定の地域に長時間にわたって強い雨をもたらす気象現象で、これも温暖化の影響で発生しやすくなっています。温暖な空気が上昇し、冷たい空気とぶつかることで不安定な状態が生まれ、結果的に集中豪雨を引き起こします。
また、日本は地理的に山が多く、海に囲まれているため、湿った空気が山にぶつかって上昇しやすい環境です。これにより、局地的な豪雨が発生しやすくなり、さらに気候変動が加わることで、その頻度や強度が増しています。
このように、気候変動は日本における異常気象の主要な要因となっており、今後もその影響が続くと考えられています。私たちの生活や環境を守るためには、温室効果ガスの削減や持続可能な取り組みが求められています。
■有料版(OpenAI o1-preview)の回答
・所要時間:約14秒
近年、日本で線状降水帯や大気の不安定な状況などの異常気象が増えています。これは、地球温暖化によって海の温度が上がり、大気中の水分が増えているためです。暖かい海から大量の水蒸気が蒸発し、それが上空で冷やされて雨雲を作ります。この雨雲が同じ場所に集中的に発生すると、線状降水帯となり、大雨をもたらします。また、温暖化で大気の温度差が大きくなり、空気の流れが不安定になります。これらは、私たちが出す二酸化炭素などの温室効果ガスが増え、地球全体の気温が上がっていることが主な原因です。
■検証結果
OpenAI o1-previewは、じっくり考えて答えを返すAIということもあり、無料版のChatGPT-4o miniと比較すると回答速度が遅かったです。
パッと見た印象では、「あれ?ChatGPT-4o miniのほうが情報量、多い・・?」とも思いますが、よく読んでみると、さすがOpenAI o1-preview・・・と感じました。
今回の質問では、あえて「専門用語などもできるだけ分かりやすい言葉に変換して教えてください。」と伝えています。
もちろん無料版のChatGPT-4o miniのほうも分かりやすく伝えようとしている努力は見えるのですが、言い回しに硬さが残っており、読みづらさを感じました。一方で、OpenAI o1-previewの文章を読んでみると、自然でシンプルな言葉を選んでくれています。頭の中に映像が浮かんでくるような文章構成で、より人と話しているような気持ちになりました。
明確な差があるか、と言われるとそこまでの大きな差があるわけでもないですが、受け取った要望をきちんとかみ砕いて落とし込み、推論する力の差を感じました。
***
今回の検証を通して、リサーチやアイデア出しでの利用であれば、無料版でも十分だと感じました。その一方で、AI側で判断する力や考える力は、有料版の方が優れていることもわかったので、より高度な依頼をAIにこなしてもらいたい・・・という場合には、有料版を利用するほうが希望に沿った回答・対応が期待できそうです。
5.有料版と無料版の選び方
ここまで、ChatGPTのプランや実際検証を通して、無料版と有料版の違いをお届けしました。それでは最後にこれまでの内容をふまえて無料版で良いケースと有料版の方が良いケースをまとめていきますね。
5.1. 無料版がおすすめの場合
・まずはAIに慣れたいという場合
・勉強やリサーチ、言語の翻訳、簡単な要約・・・といった日常使いで利用する場合
ここまでご説明してきた通り、有料版と無料版では利用できる機能や回答の精度、サポートに差があります。
そのため、勉強やリサーチ、言語の翻訳、簡単な要約・・・といった日常使いで利用する場合に無料版を活用するのが良いでしょう。利用頻度が多いと制限がかかってしまうため、簡単な作業だけど、人でやるのがちょっとめんどくさい・・・そんな作業を厳選してChatGPTに依頼して使うような使い方もおすすめです。
ただし、ChatGPTの情報がすべて正しいわけではないため、情報が正しいかどうかの確認が必要な場合もあります。
■ワンポイントアドバイス
「以前に、無料版のChatGPTを使ってみたけど、思うような回答が返ってこなかった・・・」という場合は、プロンプト(指示・質問)を調整してみることも有効です。
AIは幅広い知識を保有しています。膨大なデータの中から答えを返すので、思った通りの回答を返してもらうには「より具体的な質問」を投げかけ、「私はこういう形で答えがほしいと思ってるよ」とAIに伝わるようにプロンプトを書くことが効果的です。
プロンプトの書き方は様々ですが、まずはシンプルに以下のポイントを押さえて質問をしてみましょう。
・命令…AIに何をしてほしいかを記載する
・条件…答えを返す際に、守って欲しい条件を指定する(重要なキーワードがあれば入れる)
・回答形式…どんな形で答えを返してほしいのか
先ほど検証で使用したプロンプトを使って、良い例とNG例をご紹介します。
ものづくり、というテーマでキャッチコピーをできるだけたくさん作ってください。
このプロンプトの場合、たとえば文字数はどのくらいで作ってほしいのか、どういった企業の広告用のキャッチコピーなのか・・・といった情報がAIには伝わっておらず、欲しかった回答を得ることが難しくなります。
#命令
あなたは、コピーライターです。以下の条件を満たした広告用のキャッチコピーをできるだけたくさん考えてください。
#条件
・家具を作っている企業の広告用コピーを作ってください。
・ものづくり、というキーワードを使ってください。
・20文字以内のキャッチコピーを作ってください。
・できるだけたくさん作ってください。
#回答形式
テキスト形式でまとめてください。
こうすることで、より「自分の欲しい回答のイメージ」をChatGPTに伝えることができるので、精度の高い返答が返ってきやすくなります。利用目的としては無料で良さそうだけど、精度がイマイチ・・・と感じていた方はぜひ試してみてくださいね。
5.2. 有料版がおすすめの場合
・ChatGPTを使って「新しいもの・価値」を生み出してビジネスに繋げていきたい場合
・企業における抜本的な業務改革・TI化等に活用したい場合
・制限を気にせずに、とにかく色々使ってみたい場合
有料版の場合は、より高度な推論力や回答を期待できます。また、セキュリティなどの安全性やカスタマイズ性・機能性についても向上しています。利用における制限も無料版と比較するとかなり緩和されています。こうした点をふまえると、ChatGPTをどんどん使って新しいこと・価値を生み出し、ビジネスに繋げていきたいと考える場合には、有料版を活用するのが良いでしょう。
また、企業内の業務プロセスなどを根本から見直し、効率化・生産性の向上や社員のエンゲージメントの向上につなげるための業務改革にChatGPTを活用していきたい場合にも、有料版がおすすめです。
そのほか、個人利用であっても、回数制限などを気にせずとことんAIを使ってみたい!という場合は、個人向けの有料プラン(ChatGPT Plus)などの利用を検討してみてはいかがでしょうか?
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無料版・有料版それぞれにメリットとデメリットがあります。目的に合わせて選択していきたいですね。
6.まとめ
いかがでしたか?今回は、ChatGPTの主要モデルの解説や、無料版・有料版の違いや選び方について検証もふまえて解説しました。
今回、新しくリリースされた「OpenAI o1」はこれまでの壁だった”人間らしい思考“
に一歩近づいた進化を遂げています。その一方で、まだ完璧な回答ができるわけではないので、引き続き活用時には注意が必要です。
比較検証では、利用目的によっては無料版でも十分に恩恵を得られることがわかりました。まずはAIに触れることに慣れていく・・・という段階であれば無料版の利用を、そこからさらにビジネス拡大への利用を考えていくのであれば有料版の利用を、という形で段階を踏んで活用するのも良いかもしれません。
これからの時代、AI技術は人材不足等の経営課題解消などにも役立つため、企業規模に関わらず、AIの最新の動向を追って利用する姿勢が大切です。これからもChatGPTの進化に目が離せません。
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