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最近ようやく「AI(エー・アイ)」という言葉に慣れてきた今日この頃・・・今度は、AGI、ASIというキーワードを耳にすることが増えてきました。
「AGI(エー・ジー・アイ)?ASI(エー・エス・アイ)?なにそれ・・・AI(エー・アイ)とは違うの?」と思った方も、多いのではないでしょうか?
そこで今回は、AI入門記事ということで、
【前編】
・AGI、ASIとは?どう違う?
・AGIとASIが注目される理由
【後編】
・AGI、ASIでできること
・倫理的課題やリスクについて
の2回にわたってAGIとASIについて解説していきます!AIの話は、難しくて苦手・・・という方に向けて、丁寧にまとめてお届けするのでご安心ください。
AIは今後どうなっていくのか予測が難しいジャンルでもあるので、私なりの主観なども交えながらお話していきたいと思います。
AIの話題はこれからどんどん注目されていくと思うので、ぜひ一緒に見ていきましょう!
▼この記事の後編はこちらから
目次
1.AGIとASI
まずは、それぞれの定義や、違いについて見てみましょう。
1.1. AGIとは?
AGI(エー・ジー・アイ)とはズバリ、従来のAI(エー・アイ)の進化系で、「人間と同じような思考回路を持つAI」のことです。
人間のように、様々な情報をもとに自ら考えて答えを返す、いわば「感情を持ったAI」、それがAGIなんです。
ここからは、それがどういうことか順を追って説明していきますね!
AGIのお話をする前に、簡単にAIとは何かについておさらいしていきましょう。AIとは、「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」の略語で、日本語では「人工知能」という意味になります。
現在私たちの身近にある従来のAIは「特化型AI」とも言われており、特定の問題やタスクをこなすことに特化したAIとなっています。学習能力についても、あらかじめプログラムされている膨大なデータをもとに、規則性、ルール、パターンなどを学習するのが特徴です。
知識量は豊富であっても、機械的で人の心を持たないことから、「弱いAI」という表現をされることもありますね。「あらかじめプログラムされたデータをもとに」という点がポイントで、この範囲を超えて新しい情報・知識を生み出すといった人間に近しい柔軟な思考回路や感情がないことが「弱いAI」と呼ばれる理由です。
一方、AGIとは「Artificial General Intelligence(アーティフィシャル・ジェネラル・インテリジェンス )」の略語で、日本語では「汎用人工知能」という意味になります。
先ほどお話した人工知能という言葉に「1つのものを広く色々な方向に用いること」を意味する”汎用”という言葉が付いていますね。
つまりAGIは、汎用的な知能を持ったAIです。特定の領域のみに特化しているのではなく、その名の通り汎用性高く「人間のような思考回路や感情を持ったAI」のことをAGIと呼んでいます。
人間には「悲しい」「面白い」「楽しい」といった様々な感情がありますが、AGIはこの感情がどういうものであるかを理解したうえで、与えられた課題に対してAGIなりの行動や回答を選択して柔軟性のある答えを返すことが可能となります。
子供が「このぬいぐるみが欲しい」と言った場合を例に挙げてみましょう。
■母親の場合
母親は、
・子供がぬいぐるみをかわいいと思う理由や感情
・子供がぬいぐるみを欲しいと思う理由や感情
・昨日までの子供の事情(頑張ったことがあった、など)
・現在の自分の状況や事情、感情(今いる場所や、お財布事情など)・・・
上記のようなあらゆる観点から思考をめぐらせ、「頑張ったごほうびに買っていいよ」なのか「今回は我慢しなさい。」なのか、状況に合わせて答えを返します。これが人間の持つ汎用的な思考回路です。
■従来のAIの場合
一方、従来のAIの場合は「このぬいぐるみが欲しい」という問いを投げかけた場合、もともと保持しているプログラムやデータベースの中から、その問いの答えとして最も適切であるものを探してまとめたうえで返します。
そこに感情的な要素はなく「ぬいぐるみを買いたい」という事実にのみ着目し、たとえば「現在地から最も近いおもちゃ売り場があるショッピングモールはこちらです」といった機械的な答えを返します。
■AGIの場合
そしてAGIの場合は、たとえば「このぬいぐるみがかわいいのは分かりますが、あなたは昨日もぬいぐるみを買っているので、今回は我慢しましょう」といった形で、感情や状況を加味し、最初に例に挙げた母親の返答に近しい柔軟な答えが返ってくるようになる、ということです。(例が少々極端ですが・・・笑)
このようにAGIは、人間と変わらないコミュニケーションが取れることから「強いAI」とも言われています。
AGIと呼べるAIは、まだ存在していません。 しかし、OpenAI社が提供するChatGPTは、2023年にはGPT-4がリリースされ、その知能はすでに高校生レベルとも言われており、AIの進化スピードは加速の一途をたどっています 。
ロボットと人間が感情を共有し合い、共存する、そんなSF作品で見たような世界が実現する未来も、もうそう遠くないのかもしれません・・・
1.2. ASIとは?
「AGIってすごいんだなぁ・・・」と思っていただけたところで、もっとびっくりするお話をさせてください。
ASI(エー・エス・アイ)とはなんと、今お話したAGIの進化系です。
AGIは人間と同じ感情や考えを持つAIですが、これが進化するということは、「人間を超えるAI」ということになります。「え!このうえさらに進化するの!?」と思いますよね。ここからは、それがどういうことか見ていきましょう!
ASIとは、「Artificial Superintelligence(アーティフィシャル・スーパー・インテリジェンス )」の略語で、日本語では「人工超知能」という意味になります。
お察しの通り「超」が付いていることから、簡単に言うと、超すごいAIのことです。
ASIは、AGIがさらに進化し、人間の知能をはるかに超えた人工知能のことを言います。あらゆる課題にたいして、人間では思いつかないような解決策を見つけ出すことが可能であるとされています。
ASIを語るうえで耳にするのが「シンギュラリティ」という言葉です。シンギュラリティとは、日本語で「技術的特異点」を意味します。人間の脳の知能レベルと、AIの知能レベルが並び、AIが人間を追い越す時点のことを示します。
シンギュラリティが起こると、人間の知能をはるかに上回る知能を持つAIの働きによって、これまでの社会や化学技術などの在り方が一変し、人間の理解が追い付かない速度で社会変革が起こると言われています。人間では予測できない未来が訪れるというわけです。
「予想もつかない未来」と聞くとドキドキしてしまいますね・・・(笑)
この考えはあくまでも仮設ではあるものの、AIが近年目覚ましい進化・成長を遂げている様子を見ると、十分に起こり得る現象である、という見方もされています。
AGIとASIの違いをひとことでお伝えすると、「AGIは人間の心までも理解したAIで、ASIとはAGIがさらに進化した、超人のような知能を習得したAI」ということになります。よく似た言葉なので「どっちがどっちだっけ・・・」と迷ったときは、「S」が付いている方が「スーパーだから、すごいAIの方だ」と思い出してみてくださいね。
2.AGI、ASIが注目される理由
AGIとASIの違いが分かったところで、こうしたAI技術の開発がなぜ必要なのか、なぜ社会に求められているのかについて見ていきましょう。
なぜ必要とされているのか・・・という理由は、色々な見方や考え方があると思いますが、私がそれを分かりやすくひとことで言うならば「問題解決」のためです。
私たちの生活は、日々様々な技術の発展によって刻一刻と変化しています。「去年まで正しいとされていたことが、今年には覆された」ということも珍しくありません。あらゆるところでデジタル化が進み、SNSの普及で多くの人々が無数に存在する情報をキャッチできるようにもなりました。
そうした時代背景によって、さらに創造性の向上や社会変革が加速しています。今は小学生だってプログラミングを学ぶ時代ですからね・・・!
こうした変革によって私たちの社会構造は一昔前に比べて格段に複雑化している・・・というわけです。そして、社会構造が複雑化することで、避けられないのが「課題の複雑化」です。世の中が複雑になれば、その中で起こる問題も複雑化するのはごくごく自然なことです。
分かりやすい具体例を挙げるなら、地球温暖化といった環境変化の問題、少子高齢化などの社会問題、医療現場における課題・・・など様々な問題が浮上しています。どんなに「環境に悪影響がある」と分かっていても、自動車に乗らない生活には戻れません。また、新型コロナウィルスの感染拡大のようなパンデミックが今後再び起こらないとも限りません。
こうした、解決策が見いだせない課題や予測できない課題に対して、「救世主」として期待されているのが、AGIやASIといったAI技術・・・というわけです。とくに、ASIについては人間の知能では追いつけない変革をもたらすため、問題解決を超えた「まったく新しい技術の創造」も期待されています。
このように「人類があらゆる問題を解決して、今後もずっと存在し続けるため」にAI技術が必要とされ、日々研究・開発が続けられています。
3.まとめ
いかがでしたか?今回は、AI入門編の前編…ということで、最近耳にすることが増えてきたAGI、ASIの意味や違いについて解説しました。
最近ではすっかり、AIが身近になってきていますよね。進化のスピードが本当に目覚ましいので、現在のAIがさらなる進化を遂げて、AGI、さらにはASIの領域に到達する日も、実はそう遠くないのかもしれないな・・・とこの記事を書いていて思いました。
後編の記事では、具体的にAGIやASIでどんなことができるようになるのか、そして、気になる倫理的課題やリスクについて解説していきます。ぜひ併せてチェックしてみてくださいね。
▼この記事の後編はこちらから
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