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時代の流れとともに印刷物の立ち位置やその規模が変わりましたが、手触りや加工だけではなく、手に取ったときのサイズや重さなどは印刷物でしか味わえない良さです。
同じ商品でも「通常版」「豪華版」「超豪華版」などはよく聞かれるかと思います。内容のグレードだけではなく、印刷物の特徴を活かして「パッケージで差別化」するデザインは今も健在です。
そんな印刷物をデザインする側から見ると、完成したら実物として手元に残る反面、後から修正することができない正確さを求められる、非常に責任の重たいものです。
印刷部数が多ければ多いほど多くの人の手に渡るから、正しい情報のまま届けたい。
そのために事前にチェックするのが「校正」と呼ばれる工程です。
校正は大まかに2つに分けられます。
文字をチェックするのが「文字校正」で、色をチェックするのが「色校正」です。
今回は、主に「校正のやり方」について解説します。
目次
1.文字校正って何をするの?
一語一句間違いがないか確認
印刷する紙面の文字データを中心に、一語一句間違いがないか確認する作業です。
現場によっては校正を専門に担当するスタッフもいるくらい大切な作業です。誤字脱字や専門的な部分(仕様や表記の統一)だけでなく和暦・西暦の整合性などデザインの作業中では気づかなかったミスが見つかる場合があります。
商品名や日付・金額、問い合わせ先やQRコードなどは、印刷後さまざまなトラブルになる可能性が高いので特に注意が必要になります。
2.文字校正で使われる主な用語
トル、イキ、テレコなど独特な用語があります
今ではあまり使われなくなった校正用語ですが、簡単なものだけでも覚えておくと非常に便利です。印刷会社さんとのやりとりで「?」とならないためにも、代表的なものをご紹介します。
「トル」→指定された部分をトル(削除する)
「トルツメ」→指定された部分をトル(削除)ツメ(空欄を詰める)
「トルママ」→指定された部分をトル(削除)ママ(空欄のままに)
「テレコ」→文章と文章を入れ替える(手入れ+こ※諸説あり)
「イキ」→何もしない(元の状態を活かす)
線だけで書きこむものなどほかにもたくさんあります。
現場によって呼び方が変わったり、業界ならではの専門用語、ローカルルールがある場合もあるので、疑問点や不明点はその都度しっかり確認しておきたいですね。
3.色校正って何をするの?
紙選びも大切なデザインです
データからの印刷精度が上がり、ほとんど聞かれなくなった「色校正」。
簡単に言えば、「実際の紙に印刷したらどんな色になるか」をチェックすることです。特に、今まで使ったことのない紙やインクを使う際、商品カタログのような色数が多いものを印刷する際など、微妙な違いを確認するために、実際の印刷と同じように刷ってチェックします。
印刷用紙はそれぞれに個性があり、その性質に応じた用途があります。表面は艶やかで光沢のあるものやしっとりと手に馴染むものなど、内容と相性が良いものがいいかもしれません。
例えば、
「精密さと重厚さを強調したい」
→光沢のある少し厚めの紙
「ナチュラルで落ち着いた雰囲気にしたい」
→マットな紙でインクを比較的吸う紙
「数ページでも厚みのある紙で大人っぽい高級感を出したい」
→ほんの少し黄色みがあって折り曲がりにくい厚めの紙
といったイメージです。
色校正があがってきたら
イメージしていたものとどう違うかチェックしていきましょう。チェックした際にありがちな困り事と、それに対する調整方法について例を挙げます。
「落ち着いた色合いを狙ったけど、思ったよりインクが染みこんで色味が強くなってしまった」
→全体の色合いについて相談
「印刷データそのままで印刷したけど、狙った色合いになっていない」
→「この写真の赤を抑える」といった、色別の具体的な指示をする
「印刷してみたらモニターやプリンターの色と違っていた」
→制作環境や画像データを確認して共有する
「PCモニタやプリンタでは環境による違いがあるので、正しい色を知りたい」
→個々の閲覧環境ではなく、色校正の色を基準に調整する
「インクの色(CMYKの4色+αの場合も)でどう再現するのか」
→CMYKでは濁るのでより鮮やかになる特色を検討
「実際の紙に印刷しないと100%わからない」ことを共有できるのが、色校正のメリットですね。
色校正の種類
データから色校正には以下の種類がありますので簡単にご紹介します。
1.本機校正(ほんきこうせい)
量産時に使う紙・インクを実際の印刷機を使って印刷します。
もっとも再現性が高い反面コストがかかります。
2.平台校正(ひらだいこうせい)
紙・インクは同じで色校正に特化した平台校正機を使ったものです。
実際の印刷機と異なるため再現性にブレが生じることがあります。
3.簡易色校正
簡易校正専用の紙、インク、印刷機を使ったものです。
低コストで短納期が可能ですが色の再現性はあまり高くありません。
4.まとめ
本記事では印刷における「校正」について簡単にご紹介しました。
これらの校正がすべて完了した状態を「校了」といい、ここで制作現場の手を離れ実際の印刷に入り、刷り上がりを待つことになります。
新聞や折り込みチラシ、書籍やポスター、パンフレットやカタログ、チケットやパッケージなどデジタルになったり簡易的になったりと変わっていく中で、印刷物へのかかわり方はさらに変化していくことが予想されます。
印刷物の担当初心者の方や、慣れていなくて困っている方に少しでもお役に立てれば幸いです。
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