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ホームページの問い合わせ数を増やすためのフォーム改善方法|チェックリスト
公開日
ホームページを運営していて、「アクセスはあるのに問い合わせにつながらない」と感じたことはないでしょうか。サービスページや事例ページには一定の訪問者がいるにもかかわらず、問い合わせフォームからの送信数が伸びない。こうした悩みは、業種や企業規模を問わず、Web担当者の方からよく聞かれる課題のひとつです。
その原因はサイト全体の設計にある場合もありますが、実は「お問い合わせフォームそのもの」に問題が潜んでいるケースがあります。入力項目が多すぎる、スマホで操作しづらい、何を書けばよいか分からない。こうしたちょっとした不便さの積み重ねが、せっかく興味を持ってくれたユーザーを離脱させてしまう要因になっています。
本記事では、BtoBサイトのお問い合わせフォームに焦点を当て、「なぜ問い合わせが増えないのか」という原因の整理から、CVR(コンバージョン率)を高めるための具体的な改善チェックリストまでを解説します。Web制作やマーケティングの専門知識がなくても取り組める施策を中心にまとめていますので、自社サイトの見直しを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
なお、そもそもサイト全体としてどこに問題があるのか全体像を把握したい方は、先に「なぜ成果が出ない?CVR改善の具体的施策10選!分かりやすく解説」の記事をご覧いただくのがおすすめです。お問い合わせを増やす重要性や基本的な考え方をまとめています。
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本記事では、その中でも離脱が発生しやすい「お問い合わせフォーム」に特化して解説します。
目次
ホームページからの問い合わせが少ない原因とは?
ホームページからの問い合わせを増やすために、まず把握しておきたいのは「なぜユーザーがフォームで離脱してしまうのか」という点です。Webサイトのアクセス数がある程度確保できているにもかかわらず、問い合わせ数が伸びない場合、フォームの構造やユーザー体験に課題があることが考えられます。この章では、離脱を招く代表的な原因を3つの観点から整理します。
ユーザーが「面倒」と感じるフォームの共通点
問い合わせフォームからの離脱要因として、多くのケースで共通しているのが「入力の手間」です。ユーザーがフォームに到達したということは、少なくともサービスや会社に対して一定の関心を持っている状態といえます。それでも最終的に送信に至らないのは、フォームを開いた瞬間に「面倒そうだ」という印象を抱いてしまうことが理由の1つとして挙げられます。
Webフォームの離脱率は、計測の定義(たとえば「フォームページ閲覧→未送信」なのか「入力開始→未送信」なのか)や業種・フォームの種類によって大きく変動します。一部の調査・事例では「6〜7割程度が完了せず離脱する」といった目安が紹介されることもありますが、数値を一般化して断定するのは難しい指標です。そこで本記事では、離脱率の“平均値”よりも、入力負担・エラー体験・スマホ操作性など「離脱を生みやすい要因」をなるべくなくすような施策を重点的に見ていきます。
ユーザーが「面倒」と感じるフォームにはどのような特徴があるのでしょうか。代表的なものとしては、以下のような要素が挙げられます。
- 入力項目が10個以上あり、画面を何度もスクロールする構成になっている
- 自由記述欄が多く、何をどの程度書けばよいのか判断しづらい
- 入力の途中でエラーが分からず、送信ボタンを押してから初めてミスに気づく
- 必須項目と任意項目の区別が視覚的に分かりにくい
こうした要素がひとつでも重なると、ユーザーは「あとでやろう」「電話にしようか」と考えるようになり、結果的にそのまま離脱してしまいがちです。とくにBtoBのサイトでは、問い合わせ内容が複雑になりやすいぶん、入力する側の心理的な負担も大きくなる傾向があります。
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- 今のサイトの状態が、正直どのレベルなのか知りたい
- リニューアルすべきか、部分改善で良いのか判断に迷っている
- 何から手を付けるべきか、整理しながら相談したい
- 作って終わりではなく、公開後の活用まで見据えて進めたい
\ まずは状況整理からでもOK! /
ターゲットと入力項目のミスマッチ
BtoBサイトのフォームでよく見られる課題のひとつに、「企業側が収集したい情報」と「ユーザーが提供してもよいと感じる情報」のギャップがあります。
たとえば、営業部門からは「リードの質を高めたいので、業種・従業員数・予算感・導入時期もフォームで取得してほしい」といった要望が出ることがあります。こうした情報はたしかに営業活動においては有用です。しかし、初回の問い合わせ段階でここまで詳しい内容を求められると、ユーザーは「まだそこまで決まっていない」「そこまで開示するのは抵抗がある」と感じやすくなります。
フォームの入力項目数と離脱率の関係については、EFO(入力フォーム最適化)の領域で広く議論されているテーマです。特定の統計値は調査の条件や業種によって異なるため一概にはいえませんが、「項目数が増えるほどユーザーの入力負担が大きくなり、途中で離脱される可能性が高まる」という傾向は、Web制作やマーケティングの実務において一般的な認識として定着しています。
BtoBの問い合わせフォームでは、6〜10項目程度を設定しているケースが多く見られますが、それでもフォームを閲覧したユーザーのうち、実際に送信を完了するのは一部にとどまるというのが実情です。項目数を増やしてリードの質を上げるか、項目数を絞って離脱を防ぐかは、多くのBtoB企業が抱えるジレンマといえます。どちらか一方が正解というわけではなく、自社のサービス特性やターゲットに合わせてバランスを取る必要があります。この点については、チェックリストの章で具体的な考え方を紹介します。
モバイル(スマホ)対応の遅れがもたらす機会損失
「BtoBサイトはパソコンから閲覧されることが多い」というイメージを持っている方もいるかもしれません。たしかに業務中のリサーチはPCで行われることが多い傾向がありますが、近年はスマートフォンからのアクセスも増えてきています。通勤中や外出先でサービスを検索し、気になった企業のサイトをスマホで確認するという行動は、とくに若い世代の担当者にとってはごく自然な流れです。
それにもかかわらず、フォームがスマホに最適化されていない場合、次のような問題が発生します。
- 入力欄が小さく、タップしにくい
- プルダウンメニューの選択肢が見づらい
- 画面全体の横幅がPC前提で設計されており、拡大・縮小が必要になる
- テキスト入力時にキーボードが画面を覆い、入力状況が確認しづらい
総務省「令和6年通信利用動向調査」によると、個人の端末別インターネット利用ではスマートフォンがパソコンを上回っており、スマートフォンを中心に情報収集するユーザーが多数派であることが示されています。また、スマートフォンの保有率も高水準で、特に働く世代ではスマホ利用が日常的です。
令和6年通信利用動向調査の結果(総務省)
※参照日:2026年3月2日
BtoBの文脈であっても、ユーザーがスマホでフォームにアクセスする可能性は十分に想定しておくべきでしょう。スマホ対応が遅れているフォームは、ユーザーにとって「入力しづらい」という直接的なストレスだけでなく、「このサイト(この会社)は対応が古いのではないか」という印象を与えてしまうこともあります。Webサイトの第一印象は企業への信頼感にも影響するため、モバイル環境での表示確認は定期的に行っておきたいポイントです。
【CVR向上】お問い合わせフォーム改善チェックリスト
ここからは、問い合わせフォームの改善に取り組む際に確認しておきたい具体的なチェック項目を紹介します。もちろんすべてを一度に対応する必要はありません。まずは自社のフォームに当てはまるものがないか確認し、優先度の高いものから着手するのがおすすめです。
入力項目を最小限に絞り込んでいるか
フォーム改善の中でもっとも効果が出やすいとされるのが、入力項目数の見直しです。項目が多ければ多いほどユーザーの負担は増え、離脱のリスクも高まります。とくに「初回の問い合わせ」においては、必要最小限の情報だけを取得し、詳細なヒアリングは後の営業対応で行うという考え方が有効です。
BtoBで本当に必要な項目とは
BtoBの問い合わせフォームにおいて、初回で取得する情報として一般的に妥当とされる項目は以下の通りです。
- 会社名
- 担当者名
- メールアドレス
- 電話番号(任意にすることも選択肢のひとつ)
- 問い合わせ内容(選択式+自由記述)
これらの5項目前後であれば、ユーザー側の入力負担を抑えつつ、企業側としても初回対応に必要な情報は確保できます。業種や従業員数、具体的な予算、導入時期といった情報は、初回のメール返信や電話でのヒアリングで確認するほうが、フォームの通過率を下げずに済む傾向があります。
「任意」と「必須」の使い分け
入力項目をただ減らすのではなく、「必須」と「任意」を明確に区別して表示することも重要なポイントです。営業部門としてはなるべく多くの情報を得たい場合でも、追加で聞きたい項目は「任意」として配置し、さらに折りたたみ(アコーディオン)形式にしてフォームの見た目をコンパクトに保つ方法もあります。
この方法であれば、入力に積極的なユーザーは任意項目にも回答してくれますし、「とりあえず聞いてみたい」というライトな層も最低限の項目だけで送信できます。ユーザーの検討度合いに応じて入力量を調整できる設計にしておくと、さまざまな段階の見込み顧客を取りこぼしにくくなります。
EFO(入力フォーム最適化)を導入しているか
EFOとは「Entry Form Optimization」の略で、日本語では「入力フォーム最適化」と訳されます。フォームの入力体験を改善し、ユーザーが途中で離脱することなく送信を完了できるようにするための取り組みです。具体的には、入力中のエラー通知や自動入力といった機能面の強化が中心になります。
リアルタイムエラー表示の効果
EFO施策の中でもとくに効果が期待されるのが、リアルタイムでのエラー表示(インラインバリデーション)です。これは、ユーザーが入力欄を離れたタイミングで即座にエラー内容を表示する仕組みを指します。
たとえば、メールアドレスの欄に「@」が含まれていなければ、その場で「メールアドレスの形式が正しくありません」と表示されるような機能です。従来の多くのフォームでは、すべての入力を終えて送信ボタンを押した後にまとめてエラーが表示される仕様になっていました。この場合、どの項目に問題があるのか探す手間が発生し、修正を面倒に感じたユーザーがそのまま離脱してしまう原因になります。
リアルタイムエラー表示を導入することで、入力中に都度修正できるため、送信時の挫折を未然に防ぎやすくなります。
住所自動入力やフリガナ補完などの支援機能
住所入力が必要なフォームでは、郵便番号を入力するだけで都道府県・市区町村が自動的に補完される機能が広く使われています。この機能があるだけで、ユーザーの入力工数は大幅に減り、誤入力のリスクも下がります。
そのほかにも、EFOの一環としてよく導入される支援機能には以下のようなものがあります。
- 氏名欄の入力に連動して、フリガナ欄が自動で入力される機能
- 半角・全角の自動変換(電話番号やメールアドレスの欄で自動的に半角に切り替わるなど)
- 入力済みの項目にチェックマークが表示される進捗インジケーター
- ブラウザを閉じても入力内容が保持される一時保存機能
これらの機能は、EFO専用のツールを導入することで比較的手軽に実装できるケースもあります。国内でも複数のEFO支援ツール/サービスが提供されています(例:フォーム作成サービスやEFOツール等)。自社のフォーム環境(CMS、フォームの実装方式、セキュリティ要件、運用体制)に合わせて、必要な機能(入力補助・エラー表示・離脱計測など)を満たすものを比較検討するとよいでしょう。
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入力の心理的ハードルを下げる工夫があるか
フォームの入力項目や機能面を整えたとしても、ユーザーが「問い合わせを送る」という行動自体に心理的な抵抗を感じていれば、送信完了にはつながりにくくなります。とくにBtoBの場合、「問い合わせたら営業電話がかかってくるのではないか」「まだ検討段階なのに、いきなり商談になったら困る」といった不安がハードルになりやすい傾向があります。
こうした心理的な壁を低くするための施策として有効なのが、マイクロコピーの活用とプライバシーポリシーの明示です。
マイクロコピーで安心感を与える
マイクロコピーとは、ボタンの近くや入力欄の周辺に添えられる短い補足テキストのことです。たとえば、送信ボタンの付近に以下のような一文を添えるだけでも、ユーザーの心理的な負担を和らげる効果が期待できます。
- 「ご相談だけでもお気軽にどうぞ」
- 「入力は30秒ほどで完了します」
- 「無料でご相談いただけます。営業のお電話は行っておりません」
このような表現はささいに見えるかもしれませんが、送信直前で迷っているユーザーの背中を押す役割を果たします。「相談しただけで契約を迫られるのでは」という不安を先回りして解消しておくことは、BtoBサイトにおいてはとくに大切なポイントです。
プライバシーポリシーの明示と個人情報の扱い
フォームで氏名やメールアドレス、電話番号を入力してもらう以上、個人情報の取り扱いに関する説明は欠かせません。フォームの送信ボタンの近くに「プライバシーポリシーに同意のうえ、送信してください」といった文言とリンクを設置しておくことで、ユーザーに対して「この会社は個人情報を適切に管理している」という印象を与えやすくなります。
プライバシーポリシーのリンクは設置しているものの、フォームから離れた場所(フッターの奥深くなど)にしか掲載されていないサイトも見受けられます。ユーザーが確認したいと思ったときにすぐアクセスできるよう、フォーム内に分かりやすく配置しておくことがポイントです。
また、法人を対象としたBtoBサイトであっても、個人情報保護法の対象となる情報を扱っている点は変わりません。プライバシーポリシーの内容そのものが最新の法令に準拠しているかどうかも、定期的に確認しておくとよいでしょう。
CTAボタンのデザインと文言は適切か
フォームの入力体験を改善したとしても、そもそもユーザーが「送信しよう」という気持ちにならなければ、コンバージョンにはつながりません。送信ボタン、つまりCTA(Call To Action)は、ユーザーが最後にクリックする要素であり、フォーム改善において見落とされがちなポイントでもあります。
「送信」ではなく行動を示す言葉を選ぶ
多くの問い合わせフォームでは、送信ボタンの文言が「送信」や「Submit」のままになっています。機能としては正しいのですが、ユーザーの視点で考えると、「送信」という言葉からは「自分がこのボタンを押すと何が起きるのか」が具体的に伝わりにくいという側面があります。
CTAボタンの文言は、ユーザーが得られる結果や次に起こるアクションを示す表現に変更するのが効果的とされています。たとえば、以下のような書き換えが考えられます。
- 「送信」→「無料で相談する」
- 「送信」→「資料をダウンロードする」
- 「送信」→「見積もりを依頼する」
- 「送信」→「まずは話を聞いてみる」
このように、ボタンの文言をユーザー視点の行動に変えることで、「押した先に何があるのか」が明確になり、クリックへの心理的なハードルが下がる傾向があります。BtoBサイトの場合、問い合わせの目的が「資料請求」なのか「見積もり依頼」なのか「とりあえずの相談」なのかはユーザーによって異なります。フォームの用途に合わせて、もっとも自然な行動表現を選ぶことがポイントです。
ボタンの色・サイズ・配置で視認性を高める
CTAボタンの文言と同じくらい重要なのが、ボタンの視覚的なデザインです。いくら良い文言を設定しても、ボタンが背景に埋もれてしまっていたり、サイズが小さすぎたりすると、ユーザーの目に留まりにくくなります。
ボタンの色については、サイト全体のデザイントーンとのバランスを保ちつつ、周囲の要素とコントラストがはっきりする配色を選ぶのが一般的な考え方です。たとえば、白やグレーが基調のサイトであれば、オレンジや緑といった暖色系や視認性の高い色がボタンに使われることが多く見られます。ただし、色単体で成果が決まるわけではなく、あくまでサイト全体の中でボタンが「目立つ位置にあるかどうか」が重要です。
サイズに関しては、スマートフォンでの操作を考慮すると、指でタップしやすい大きさを確保しておきたいところです。たとえば主要なUI設計ガイドでは、タップしやすいターゲットサイズの目安として44pt程度が示されることがあります。Webでは端末や表示倍率で実ピクセルが変わるため、数値はあくまで目安としつつ、実機で「押しやすいか」を確認するのが確実です。
また、ボタンの上下に十分な余白を取ることで、視線がボタンに集まりやすくなるという効果も期待できます。
フォームへの導線(動線)はスムーズか
フォームそのものの改善に加えて、「ユーザーがフォームにたどり着くまでの導線」が適切かどうかも確認しておきたいポイントです。せっかくフォームの使い勝手を改善しても、そこに至るまでの経路が分かりにくければ、問い合わせにはつながりにくくなります。
各ページからフォームへの誘導ポイント
サイトを訪れたユーザーがどのタイミングで「問い合わせてみよう」と思うかは、人によって異なります。サービスページを読んですぐに行動する人もいれば、導入事例や料金ページを回遊した後に決断する人もいます。そのため、フォームへの誘導ポイントは1か所に限定せず、複数のページに設けておくのが望ましいといえます。
具体的な配置場所としては、以下のようなポイントが挙げられます。
- グローバルナビゲーション(ヘッダー)内に常駐する「お問い合わせ」ボタン
- 各ページ下部(フッターの直上)に設置するCTAバナー
- サービス紹介ページの本文中に配置する「まずは資料請求」ボタン
- ブログ記事の末尾に添えるCTAエリア
ヘッダーにボタンを常駐させておくと、ユーザーがサイト内のどのページを閲覧していても、思い立ったタイミングですぐにフォームへ遷移できます。フッター上のCTAバナーは、ページを最後まで読み終えたユーザーに対して自然な形で行動を促す効果があります。
リンク切れや迷子導線が起きていないかの確認
導線を整備しても、リンク先が古いページのままだったり、フォームのURLが変更されてリンク切れになっていたりするケースは意外と起こりがちです。とくにサイトリニューアルやページ構成の変更を行った際に、CTA内のリンク先が更新されていないまま放置されてしまうことがあります。
定期的にサイト内のリンクをチェックし、フォームへの導線が正常に機能しているかを確認することは、地味ながら見落とされやすいポイントです。Google Search Consoleを活用すると、サイト内のクロールエラーや404エラー(ページが見つからないエラー)を把握できますので、こうしたツールを活用して定期的にメンテナンスしておくとよいでしょう。
BtoBサイト特有の「信頼感」を高めるためのポイント
フォームの使いやすさを改善することは重要ですが、BtoBの場合、それだけでは問い合わせの増加に直結しないこともあります。法人間の取引では、個人の購買行動と比べて意思決定に関わる人が多く、検討期間も長くなる傾向があるためです。
ユーザーがフォームの送信ボタンを押す前に考えるのは、「この入力欄は使いやすいかどうか」だけではありません。「この会社に問い合わせて大丈夫だろうか」「信頼できる会社なのか」「自社と似た業種・規模の実績はあるのか」といった不安も、送信をためらう要因になります。この章では、フォーム周辺に「信頼感」を補強するための具体的な方法を紹介します。
導入事例や実績紹介との連携
BtoBの購買プロセスにおいて、導入事例は意思決定を後押しする重要なコンテンツです。自社と近い業種や企業規模の事例が掲載されていると、「同じような課題を解決した実績がある」という安心感が生まれやすくなります。
フォーム改善の観点から効果的なのは、フォームが設置されているページの周辺に導入事例へのリンクを配置しておくことです。問い合わせページのサイドバーやフォームの直前に「導入事例はこちら」「お客様インタビューを読む」といった誘導を設けておくと、送信前に不安を感じたユーザーが事例を確認し、納得したうえでフォームに戻ってくるという流れを作りやすくなります。
事例コンテンツを用意する際は、単に「〇〇株式会社様に導入いただきました」という紹介だけでなく、その企業がどのような課題を抱えていたのか、導入後にどういった変化があったのかを具体的に記述することで、読み手の共感や納得につながりやすくなります。社名の掲載が難しい場合でも、業種や従業員規模などの属性情報を示すだけで、一定の参考材料にはなります。
よくある質問(FAQ)の設置で疑問を先回りして解消
問い合わせを検討しているユーザーが抱きやすい疑問を先回りして解消しておくことも、フォーム送信のハードルを下げる施策のひとつです。その手段として有効なのが、FAQ(よくある質問)コンテンツの設置です。
BtoBサイトの場合、ユーザーが問い合わせ前に気になりやすい内容としては、次のようなものが挙げられます。
- 費用の目安はどのくらいか
- 契約までの流れはどうなっているか
- 最低契約期間はあるか
- 問い合わせ後、どの程度の期間で返答がもらえるか
- 対応エリアに制限はあるか
これらの疑問がサイト上で解消されないまま残っていると、ユーザーは「問い合わせてみないと分からない」という状態に置かれます。一見、問い合わせの動機になりそうにも思えますが、実際には「分からないことが多すぎる」状態は不安を増幅させ、行動を先延ばしにしてしまう原因になりやすいのが現実です。
FAQの配置場所としては、問い合わせフォームと同じページ内、あるいはフォームの直前に設けるのが効果的です。ページ遷移せずに疑問を解消できるため、ユーザーの離脱を防ぎつつ、「不安が解消されたから問い合わせてみよう」という自然な行動の流れを作れます。
完了画面(サンクスページ)での次へのアクション提示
フォーム送信後に表示される完了画面、いわゆるサンクスページは、見落とされがちですが改善の余地が大きいポイントです。多くのサイトでは、「お問い合わせありがとうございました。担当者より折り返しご連絡いたします」といった定型文が表示されるだけで、そのままユーザーがサイトを離れてしまうケースが少なくありません。
サンクスページは、ユーザーが「この会社に問い合わせた」という行動を完了し、企業に対する関心がもっとも高まっているタイミングです。このタイミングを活用して、次のアクションにつなげる情報を提示しておくと、エンゲージメントの向上やリード育成に役立ちます。
サンクスページに掲載を検討したい要素としては、以下のようなものがあります。
- サービス紹介資料やホワイトペーパーのダウンロードリンク
- 導入事例やお客様インタビューページへの誘導
- SNSアカウントのフォロー案内
- 関連するブログ記事やコラムへのリンク
- 今後の対応の流れ(「○営業日以内にご連絡いたします」など)
とくに「対応の流れ」を明示しておくことは、ユーザーの不安を軽減するうえで大切です。問い合わせを送った後に「いつ返事が来るのだろう」と感じるユーザーは少なくありません。対応の目安時間や次のステップを具体的に示すことで、安心感を与えるとともに、企業としての丁寧な姿勢を伝えることができます。
フォーム改善と併せて行いたい「導線(動線)」の最適化
ここまではフォームそのものの改善ポイントを中心に解説してきましたが、フォームをいくら使いやすくしても、そこにユーザーがスムーズにたどり着ける導線がなければ効果は限定的です。この章では、フォームへの誘導経路をどのように設計し、ユーザーの「問い合わせたい」という気持ちを逃さない仕組みを作るかについて解説します。
「今すぐ相談したい」を逃さないCTAの配置場所
ユーザーが「問い合わせてみようか」と思うタイミングは、サイト内の閲覧行動の中でさまざまな場面で生まれます。サービスの特徴を読んで興味を持った瞬間かもしれませんし、事例ページで自社と似た課題が解決されている内容を見たときかもしれません。そのタイミングを逃さないためには、CTAを適切な場所に、適切な粒度で配置しておくことが重要です。
ヘッダー常駐ボタンの重要性
サイトのヘッダー部分に「お問い合わせ」や「無料相談」のボタンを常駐させておくことで、ユーザーはどのページを閲覧していても、すぐにフォームへ遷移することができます。とくにスマートフォンでは、ページをスクロールしてもヘッダーが追従する「固定ヘッダー」の形式にしておくと、フォームへのアクセス手段が常に画面上に表示された状態になるため、利便性が高まります。
ヘッダーのボタンはサイト全体に共通して表示されるため、一度設定すればすべてのページに導線が反映される点もメリットです。ただし、ヘッダー内にボタンやリンクを詰め込みすぎると、かえってどれをクリックすればよいのか分かりにくくなるため、「電話番号」と「お問い合わせボタン」程度に絞っておくほうが、ユーザーの迷いを減らせます。
記事途中に「まずは資料請求」ボタンを置く意味
ブログ記事やコラムページにおいては、記事の最後まで読まずに途中で離脱するユーザーも一定数います。そのため、CTAを記事の末尾だけに配置している場合、途中離脱したユーザーには行動を促す機会を提供できていないことになります。
記事の中盤や、話題が切り替わるタイミングで「まずは資料をダウンロード」「サービス概要を見る」といったハードルの低いCTAを挿入しておくと、まだ問い合わせまでの意欲が高まっていないユーザーにも、次のステップを用意できます。
ここで意識しておきたいのは、問い合わせフォームだけがゴールではないということです。資料ダウンロードやメールマガジン登録など、検討段階に応じた複数のコンバージョンポイントを用意しておくことで、ユーザーの意欲の度合いに合った接点を持つことができます。問い合わせには至らなくても、資料をダウンロードしてもらえれば、その後のメール対応やナーチャリング(見込み顧客の育成)につなげていくことが可能です。
ユーザーの迷いをなくす「1ページ1ゴール」の原則
Webサイトの各ページには、それぞれ「このページを読んだユーザーに、最終的にどんな行動を取ってほしいか」という目的があるのが理想です。この考え方は「1ページ1ゴール」と呼ばれることがあり、ページ内の情報設計において基本的な原則のひとつとされています。
リンクやバナーの「貼りすぎ」が招く離脱
ページ内にあれこれとリンクやバナーを詰め込んでしまうと、ユーザーはどれをクリックすればよいのか迷いやすくなります。「サービス一覧はこちら」「事例を見る」「ブログを読む」「資料請求」「お問い合わせ」「SNSフォロー」といった導線がひとつのページに並んでいると、選択肢の多さがかえって行動を阻害してしまうことがあります。
選択肢が増えすぎると、ユーザーが迷って行動を先延ばしにすることがあります。これは心理学・行動科学の文脈でも指摘される考え方で、フォーム誘導を目的とするページでは、導線を増やしすぎず主動線(問い合わせ)に注意が集まる設計にするのが有効です。
フォームへの誘導を目的とするページであれば、ほかの導線は控えめにし、ユーザーの視線と行動をフォームに集中させる構成が望ましいでしょう。
ストーリー設計で自然にフォームへ導く考え方
「1ページ1ゴール」を実現するためには、ページ内のコンテンツを「ユーザーの関心→課題の明確化→解決策の提示→行動の後押し」という流れで構成するのが効果的です。この流れをストーリー設計と捉え、ページの構成そのものをユーザーの心理に沿って組み立てていくことで、CTAボタンに到達したときには自然と「問い合わせてみよう」という気持ちになっている状態を目指します。
たとえば、サービス紹介ページであれば、冒頭で「こんな課題はありませんか?」と読者の悩みに寄り添い、次にサービスの特徴や導入事例で解決の可能性を示し、最後に「まずはお気軽にご相談ください」というCTAで締めくくる。こうした流れが設計されているページは、唐突に「今すぐお問い合わせ」と迫るよりも、ユーザーにとって自然な導線になりやすいといえます。
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まとめ:フォーム改善は「おもてなし」の第一歩
本記事では、BtoBサイトの問い合わせ数を増やすために、お問い合わせフォームをどのように改善すればよいかを解説してきました。ここで、各章のポイントをあらためて整理します。
まず、ホームページからの問い合わせが伸びない原因として、ユーザーが「面倒」と感じるフォーム設計、ターゲットと入力項目のミスマッチ、そしてモバイル対応の遅れという3つの観点を取り上げました。フォームの離脱は、計測の定義や業種・フォームの種類によって大きく変動します。そのため本記事では、平均値を断定するのではなく、入力負担・エラー体験・スマホ操作性といった“離脱を生みやすい要因”を減らすことに重点を置きました。
フォームにたどり着いたユーザーの多くが送信に至っていない可能性がある以上、この部分の改善はサイト運営において優先度の高い施策のひとつです。
続いて、CVR向上のための具体的なチェックリストとして、5つの項目を紹介しました。内容をあらためて振り返ると、以下の通りです。
- 入力項目を最小限に絞り込み、必須と任意を明確に区別すること
- EFO(入力フォーム最適化)を活用し、リアルタイムエラー表示や自動入力などの支援機能を導入すること
- マイクロコピーやプライバシーポリシーの明示によって、送信前の心理的ハードルを下げること
- CTAボタンの文言をユーザー視点の行動表現に変え、色やサイズで視認性を確保すること
- フォームへの導線を複数のページに設け、リンク切れがないか定期的に確認すること
さらに、BtoBサイト特有の「信頼感」を高める施策として、導入事例や実績紹介との連携、FAQの設置によるユーザーの疑問の先回り解消、そしてサンクスページを活用した次のアクションへの誘導についても解説しました。フォーム単体の使いやすさだけでなく、その周辺に「この会社に相談して大丈夫だ」と思える情報を揃えておくことが、BtoBならではの重要なポイントといえます。
そして、フォームそのものの改善と併せて取り組みたい導線の最適化についても触れました。CTAの配置場所を工夫し、「1ページ1ゴール」の原則に沿ってページの情報設計を整えることで、ユーザーが迷わずフォームにたどり着ける状態を作ることができます。
フォーム改善というと、デザインの変更やツールの導入といった技術的な話に目が向きやすいですが、その本質は「問い合わせをしてくれるユーザーに対して、できるだけストレスなく、安心して情報を預けてもらうための配慮」にあります。入力しやすいフォームを用意することは、ユーザーへの誠実な姿勢の表れであり、いわば「おもてなし」の第一歩です。
すべてを一度に改善しようとする必要はありません。まずは自社のフォームをスマホで実際に操作してみる、項目数を数えてみる、CTAボタンの文言を見直してみる。こうした小さな一歩が、問い合わせ数の改善につながるきっかけになるはずです。
株式会社WWGは、名古屋を拠点に、中小企業のコーポレートサイトや採用サイトの制作・運用を手がけています。これまでに多くの企業様のホームページ制作に携わってきた中で培ったノウハウをもとに、フォーム改善をはじめとしたCVR向上の施策から、SEO対策、広告運用、コンテンツ制作まで、幅広いサポートを提供しています。
「問い合わせが増えない原因が分からない」「フォームを改善したいが、何から手をつければよいか分からない」といった悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。現状のサイト分析から改善提案、実行支援まで、伴走型の体制でお客様の課題解決をお手伝いいたします。
サイトの制作やリニューアルだけでなく、公開後の運用改善まで一貫して対応できることがWWGの強みです。「作って終わり」ではなく、成果につながるWebサイトを一緒に育てていきたいとお考えの企業様は、まずはお問い合わせフォームからお声がけいただければと思います。