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これでわかる!Webサイトの歴史 ~黎明期から現在まで~ 前編

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いままで当ブログではさまざまな Webサイト(=以下、ホームページと記載) のデザイン、作成時のポイントなどをご紹介してきました。

しかし、筆者自身ふと、そもそもホームページはいつから社会全体に広まり、どのような経緯を経て現在の形になったのかと疑問に思いました。

そこで、今回はホームページが初めて世に出た黎明期から現在に至るまでの歴史とそのデザインの変化を調べてみました。ある程度ボリュームがありますので、前編・後編に分けてご紹介します。両方併わせてご覧いただければ幸いです。

1990年代初期 ホームページの黎明期

写真は世界初のホームページ(復刻版)
URL:http://info.cern.ch/hypertext/WWW/TheProject.html

 

 

史上初のインターネット通信は「わずか2文字だけ」だった!?

初めてインターネットという技術が世に現れたのは、 1969年にアメリカ合衆国で誕生したARPAnet(アーパネット)と呼ばれるネットワークの実験でした。

具体的には、アメリカ国内の
・スタンフォード研究所
・カルフォルニア大学ロサンゼルス校
・ユタ大学
・カルフォルニア大学サンタバーバラ校
の4か所を接続して、そこから徐々に接続する対象を増やしていくというものでした。

1969年10月29日、ARPAnet内のカルフォルニア大学からスタンフォード研究所に接続を行い、「LOGIN(ログイン)」と入力後、「LO」まで送信されたところで、研究所側でバグが発生してしまいました。

システムはダウンし、やむなく一旦実験が中断されましたが、 歴史上初めて「アルファベット2文字」の通信が行われた瞬間として記録されています。

その後、ARPAnetは再度実験を行い晴れてログインすることに成功しました。たった2文字の通信にもこれだけの苦労が隠れていたというのは非常に感慨深いですね。

ちなみに、当時はアメリカが旧ソ連との冷戦時代にあったため、電話網にとって代わる新しい通信システムの開発が進められていました。つまり、当時のインターネットの目的は現在と大きく異なり、軍事的な要素が強かったと言えそうです。

Windows95とインターネットの普及

では続いて、私達の生活にどのようにインターネットが普及していったのかをご紹介します。

1994年にWindows95というOSが発売され、Windows95にはインターネット接続機能が標準搭載されており、パソコンの販売価格自体も一般家庭で購入できる範囲に下がっていったため爆発的に普及していき、インターネットの普及を大きく促進していきました。

Yahoo!という検索エンジンの登場

さらに、検索エンジンの登場もインターネットの普及に一役買ったと言えそうです。

インターネットが普及したばかりの頃はホームページへアクセスする方法はURLを直接入力する方式でした。しかし、1995年に登場したYahoo!がホームページを検索することを可能にし、私達がホームページへアクセスする手段をより便利なものに変えてくれました。

また、ジャンルやカテゴリに分けて登録されたサイトの中から各サイトへのアクセスできるようになったのもYahoo!という検索エンジンがもたらした大きな恩恵だと言えそうです。

1990年代中期 さまざまなホームページ制作背景の変化

ホームページ作成ソフトの普及

この時期の特徴としては、日本IBMが販売をしていた(現在はジャストシステムが販売)「ホームページ・ビルダー」を始めとするホームページ作成ソフトが世に広まり始めたことが挙げられます。

その影響で、趣味としてホームページ作成をする方も現れ始めました。一例として、俳優の阿部寛さんのホームページがあります。

もともとは、ファンの方が趣味で作られたホームページであり、しばらくして所属事務所公認となった後、今はオフィシャルホームページとなっている非常に珍しいケースで、デザインも下記のようなテーブルレイアウトが当時のまま受け継がれています。

写真は阿部寛さんのホームページ
URL: http://abehiroshi.la.coocan.jp/

テーブルレイアウトとインライン記述

この時代のホームページはテーブルレイアウトでのコーディングが多く行われていました。

テーブルレイアウトは、ページのレイアウトをtableタグを使用して行うもので、本来は表を現すためのtableタグをそのレイアウト(配置)のために使用した手法です。

さらに、テキストのサイズや色などを全てfontタグを用いて、見た目のデザインをHTML内にある装飾タグや、タグ内インラインで記述していたのもこの時代の大きな特徴です。

グラフィックデザインの台頭

写真は 山田全自動様のホームページ URL: http://y-ta.net/90homepage/
(※タイトルの「ようこそたかゆきのホームページへ」という箇所は右から左へ常にスクロールしています)

さらに、この時代にはグラフィックデザインも急速に広まりました。ページのアクセスをカウントするヒット数カウンターなどは、リアルタイムでご覧になっていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

その他、テキストのアニメーションやGIFの使用も非常に多く見られるようになり、後述の3Dなどを含む派手なものへ徐々に変化していきました。

携帯電話の実用化

ホームページ閲覧ができるデバイス自体の変化もこの時代の非常に重要な要素と言えそうです。

1993年には日本で2Gサービスが開始され、デジタル方式の採用によって、電子メールやウェブ閲覧に対応した携帯電話がPCと共に普及し始めました。

これを皮切りに、後述のiモードの開発に伴い携帯電話でもホームページが閲覧できる環境が構築されていったのは非常に重要な変化であったと考えられそうです。

1990年代後期 さらに応用的な技術、機能の変化

iモードの誕生

1999年NTTドコモにより携帯電話でインターネットが利用できるようになる「iモード」の提供が始まりました。インターネットの利用はPCが当たり前だった生活で、携帯電話でインターネットができるという環境が一般化していきました。

さらには、後編でご紹介する予定のスマートフォンの出現などに繋がり、その後のホームページのデザインに大きく影響を与えていくようになりました。

また、Eメールを使ったやりとりができるようになり、インターネットを使用したコミュニケーションツールも発展していったのも重要な要素と言えそうです。他キャリアもそれに倣うように携帯電話からインターネットができるサービスが実用化されていきました。

Flashの本格的な導入

この時代のグラフィカルなデザインに大きな影響を及ぼしたのがFlash(フラッシュ)と呼ばれる動画やゲームを扱うための規格の本格的な導入です。

Flashの大きな特徴として、スクリプト(ソースコードを書いた後すぐに動かすことができるプログラム)を使うことで、導入がしやすいという点が挙げられます。さらに、ホームページを閲覧するためのブラウザのプラグイン「Flash Player」で再生ができるという点も大きなポイントと言えます。

現在ではHTML5(動画や音声の描画が可能になったHTMLの5回目の改訂版)の注目と共に、Flash Playerで再生するホームページコンテンツは減少傾向にあり、2020年末にFlash Playerの開発と配布も終了が予定されています。

3D、動くオブジェクトの流行

1990年代中期に台頭したグラフィカルなデザインは1990年代後期にはさらなる変化を遂げました。その中でも特筆すべき要素として3Dの採用が挙げられます。

下記Appleの1998年のホームページをご覧いただけると想像しやすいかもしれませんが、トップページにマッキントッシュが3Dで回転しながら手前に近づいてくるようなイメージが貼られています。

また、動くオブジェクトはこの時代ではさらに人気を博し、Appleのホームページでは、ゴールドのニュースヘッドラインの箇所にも動きがついており、当時の流行を大きく反映していると言えそうです。

そして、配色についてもAppleのホームページのようなゴールドだけでなくネオンなど激しい色がこの時代のホームページデザインでは好んで使われました。

写真は1998年のAppleの公式サイトURL:http://web.archive.org/web/19980509035420/http://www.apple.com/

まとめ

今回はホームページの歴史について詳しく調べてみました。

まとめると、1900年代初期のインターネットの始まりから、1990年代後期にかけて、特にホームページのデザインは、どちらかというと使いやすさより見た目のインパクト重視のグラフィカルなデザインが流行していたと言えそうです。

しかし、2000年代に入ると、今度はユーザビリティ(ユーザーの使いやすさ)重視のホームページデザインが興隆していきます。

後編では、そういった2000年代初期から現在にかけてのホームページの歴史をご紹介したいと思います。そちらも合わせて参考になれば大変幸いです。

なお、当社WWG(ダブル・ダブル・ジー)では、ホームページ制作はもちろん、制作後の活用や運用のサポートもご支援しております。ホームページの活用、効果測定、分析等について、些細な事からなんでもご相談ください。

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