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30年くらい前には考えられませんでしたが、最近ではインターネットで契約をしたりショッピングしたりすることが当たり前の時代になりましたね。
一方で、その便利さに付けこむ悪質なWebサイトも急増しているのをご存じですか?
本日はダークパターンと呼ばれる消費者を騙すWebサイトについて説明していきます。
目次
1.ダークパターンとは
ダークパターンとは、アプリやWebサイトでユーザーインターフェース(UI)、つまり消費者が見る情報や表示、操作性を利用して、消費者を騙したり、勘違いさせたりする手法のことです。
代表的なものには、サービス解約画面を分かりづらくする事例や、サービスに登録させるために、あらかじめチェックボックスにチェックが入っている事例が挙げられます。
なぜ、このような行為が横行しているかというと、より多くのユーザーに消費をさせることが目的といわれています。
2.7つのダークパターン
ダークパターンには7つの類型があるとされています。
それぞれの説明と例をご紹介していきます。
2.1Sneaking(こっそり)
「Sneaking(こっそり)」は消費者にとって重要な情報を隠す手法です。
■例
・いつの間にか手数料や送料が追加されている
・無料に見せかけて、実は有料である
・単発購入と見せかけて、定期購入になっている
特に、商品を一度だけ買いたいと思っていたのに、実は定期購入になっていたというのはよくあるパターンだと思います。
2.2Urgency(緊急)
「Urgency(緊急)」は、「今だけ」のような文言で購入できる期間が限られていると消費者に思い込ませて購入を焦らす手法です。
■例
・セールの時間制限を偽装する
・購入期限のカウントタイマーで消費者を欺く
本当にセールに時間制限がある場合はもちろん問題がないのですが、実際には制限がないにも関わらず、消費者を騙すために時間制限を設けている例があります。
「~%OFF 終了まで あと10:30」のように表示されて、1秒ずつカウントが減っていくパターンですね。
こうしたカウントタイマーがある場合は、時間を過ぎるとまたカウントダウンを始めるといった手法がよくあります。
2.3Misdirection(誘導)
「Misdirection(誘導)」は、消費者に不利な情報をあえて小さく書いたり、業者に都合が良いように選択肢を設定したりして、消費者を誘導する手法です。
■例
・「定期購入」にあらかじめチェックが入っている
・「『メルマガを希望しない人』はチェックを外してください」という文章で、「メルマガを希望しない人」という文言だけを強調する
さっと内容を確認しただけでは分かりにくい文章で誘導することもあります。
「『メルマガを希望しない人』はチェックを外してください」という文章で、「メルマガを希望しない人」という文言だけが強調されていると、ついつい強調されている文字に目がいって、「メルマガを希望しない人」はチェックするのだと思わせます。
しかもこういうパターンの場合は、あらかじめチェックが入っていることが多いです。
他にも、二重否定言葉などの紛らわしい言葉を使い、意味をわかりづらくするという手法もあります。
2.4Social proof(社会的証明)
「Social proof(社会的証明)」とは、社会的に証明されたことならば正しいと思いこませる手法です。
■例
・「ランキング1位」と虚偽の情報を載せる
・「お客様からお褒めの言葉を多数いただいております」
「お客様からお褒めの言葉を多数いただいております」と書いてあっても、実際にはそのようなことはなかったり、いわゆる「サクラ」のレビューが多かったりすることがあります。
2.5Scarcity(希少性)
「Scarcity(希少性)」とは、希少なものを手に入れたいという消費者の心理を利用する手法です。
■例
・在庫があるにも関わらず、「残りわずか」などと記載する
・「人気商品のため次回の入荷未定」と不確かな希少性をアピールする
実際に在庫が少ないのであれば虚偽ではありませんが、在庫がたくさんあるのに、「残りわずか」という言葉を使うと消費者を騙すことになります。
また、2つ目の例では、「次回の入荷が未定ならば今買っておいた方がいいかな」と考える人もいるので、不確かな情報でも希少性に惹かれる心理を利用しています。
2.6Obstruction(障害物)
「Obstruction(障害物)」とは、解約やキャンセルなどの手続きに、過度な障害を設けて消費者を妨害する手法のことです。
■例
・解約ページが分かりにくい
・解約するまでにポップアップが長々と出てくる
・簡単にネット契約したのに、解約は電話でしないといけない
解約に関するわずらわしさは、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか?
解約が電話でしかできない場合、電話しても、なかなかオペレーターに繋がらないという事例もたくさんありますよね。
2.7Forced Action(強制)
「Forced Action(強制)」とは、消費者が希望する操作を行うために、別の操作を強要される手法です。
■例
・無料期間が過ぎたら、有料に勝手に切り替えられる
・商品の情報を見たいだけなのに会員登録をさせられる
無料期間が過ぎたら、有料に勝手に切り替えられるケースがありますね。
あらかじめその旨が明確に記載されており、消費者側が同意していれば問題はありませんが、説明が記載されていなかったり、あえて小さく書かれていたりすることがあります。
また、「非常に簡易な情報を見たいだけなのに、会員登録が必要になる」というように、個人情報の収集のために必要以上の操作や入力を要求されるケースも、ダークパターンにあたります。
3.ダークパターンに対する規制
では、ダークパターンに関する規制はどのようになっているのでしょうか?
結論から言うと、ダークパターンを直接取り締まる規制はありません。
直接的な法律はありませんが、日本では、主に以下の法律によって規制されています。
・不当景品類及び不当表示防止法: 企業や業者が不当な広告や表示を行うことを禁止し、消費者を守るための法律です。誤解を招く広告や不当な取引行為を規制します。
・特定商取引法(特商法): インターネット上での通信販売や不当な勧誘行為に対する規制を定めています。消費者に対する情報提供や契約の明確化を求めています。
・個人情報保護法: 個人情報の適切な取り扱いを定めた法律で、個人情報の収集や利用にあたっては明確な同意を得る必要があります。
このように現状では、「各法律に抵触した場合、取り締まられることがある」という状態です。
さらに、ダークパターンは、いわゆるグレーゾーンと考えられる場合も多く、取り締まりが難しいという面もあるようです。
しかし、EUでは2022年に合意した「デジタルサービス法」で消費者を欺くWebデザインの設計を禁じています。また米国の一部の州でも同様の規制があります。
急増する被害者を背景に、日本でも早急な規制が望まれています。
4.ダークパターンに騙されないために
次に、ダークパターンに騙されないためにはどのようなことに気を付けたら良いかを考えていきましょう。
4.1ダークパターンかな?と疑う
まず、大切なのは少しでも違和感を覚えたら、「ダークパターンかな?」と疑ってみることです。このページでご紹介した7つのパターンについてよく知っていれば、怪しいと思った時に疑うことが出来るようになります。
例えば、自分は定期購入をしたくないのに、「定期購入」に誘導してきたり、明らかに小さく書かれた文字があったりする場合は、内容をよく確認しましょう。
「疑う」という姿勢が最も大切だと思います。
4.2最終画面をよく確認する
契約、買い物などをする場合は、最終画面を確認するようにしましょう。
商品価格に加え、なかったはずの手数料や送料が上乗せされていることがあります。
最終画面は比較的、コンパクトに情報がまとめられていると思うので、隅々まで確認しましょう。
最終画面のスクリーンショットを保存しておくのも有効ですね。
4.3問題があったら報告する
「もしかしてこのサイトはダークパターンじゃないか」と思ったり、トラブルに発展したりしたときは、迷わず消費者相談センターに報告をしましょう。
被害を広げないために、個人が意識を高めることも大切だと思います。
5.まとめ
■ダークパターンには7つのパターンがある
■ダークパターンについてよく知ってトラブルを回避しよう
■政府の今後の規制に期待
国内で配信されている主要アプリの9割に、消費者を誘導する画面デザインが採用されているという研究もあります。
つまり、自分が消費者である限り、ダークパターンに出会ってしまう可能性は非常に高いということです。
だからこそ、ダークパターンについて知り、騙されないように気を付けることが大切ですね。
みなさんも強い気持ちでしっかりと確認しましょう。
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