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ARとは? ~ARで広がる世界~

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新しい技術として度々メディアで取り上げられる「5G」に加え、最近よく耳にするようになった「AR」という技術について今回は詳しくお話ししたいと思います。

関連する技術として「VR」についての記事もありますので、よければ合わせてご覧ください。

目次


  1. ARとは
  2. ARが業務にもたらす効果
    ①作業効率の増加
    ②業務での活用事例
  3. 普及し始めているARデバイス
    ①BtoBにおける導入
    ②BtoCにおける導
  4. 各企業の活用事例
    ①IKEA 「家具を試し置きできるサービス」
    ②Modiface「化粧品を選択し顔に反映してメイクができるサービス
    ③テレコムスクエア「目的地の表示・方向・所要時間を表示できるサービス」
    ④プラスティックス「収納ボックスの中身が透けて見えるサービス」
  5. ARの今後
    ①急速に成長していくAR市場
    ②期待される新しいAR技術
  6. まとめ

1.ARとは


ARはAugmented Reality(オーグメンテッド・リアリティ)の略で「拡張現実」のことです。

ちなみに別記事で紹介しているVR「仮想現実」のことです。

ARは、「仮想を現実の世界に重ねて」活用した技術
VRは、「仮想の世界だけ」を活用した技術

上記のような違いがあります。

ARについて、もう少し噛み砕いて説明すると、「現実の上に仮想のデジタル情報を重ねて表示する」という技術のことです。2016年にリリースされた『ポケモンGO』がこのARを使用した有名な例として挙げられます。

『ポケモンGO』の影響でARに対してエンターテインメントの用途をイメージする方も少なくないと思いますが、実はARは業務用途にも非常に有益な技術です。

ではARが業務にもたらす効果を一緒に見ていきましょう。

2.ARが業務にもたらす効果


①作業効率の増加

ARを使用することで、目に見えない情報を現実空間に映し出し、作業効率を大幅に上げることが可能です。 その変化は日本の深刻な労働力不足問題に対しても大きな成果をもたらすと期待されています。

具体的な活用事例をいくつか見てみましょう。

②業務での活用事例

例えば、倉庫でのピッキング作業中に、荷物がどこにあるかを紙の作業手順書を使って探すのではなく、ARゴーグルを頭に装着し、現実で見えている風景に探している物を重ねて表示することで、ピッキングの作業効率が大幅に上がります。

特に作業に慣れていない人に対してこのアプローチは有効で、ARによる作業指示や作業補助が大きな戦力アップとなると言われています。

また、外国人の本格的な人材活用が進む中、ARと同時翻訳の相互の技術進化によって母国語で作業指示を行うことができるようになったのは、非常に大きな変化と言えます。

このように、ARの力で人手不足をカバーしようという動向は、特に作業内容が明確であり、また外国人労働者も多い物流業や建設業の現場で進んでいます。

では、ARを利用するために必要なデバイスはどのようなものが開発されているのでしょうか、次の章で詳しくお話ししたいと思います。

3.普及し始めているARデバイス


①BtoBにおける導入

Google社が開発した、眼鏡の形をした「Google Glass(グーグル・グラス)」により、BtoBの分野で着実にAR活用が進んでいます。

2012年にGoogle Glassは一度発表されたものの、プライバシーに対しての批判などもあり実用化されませんでした。しかしその後もGoogle Glassの開発をは続けられており、現在、企業向けARデバイスとして広く展開されています。

Google Glassを使うことで、例えば屋根工事の現場で働く技術者は作業中の手を使わずして、現場の写真撮影をしたり、必要な書類の内容をGlass(眼鏡)を通して現実空間に表示することができ、作業効率を大幅に上げることに成功しています。

今のところ Google Glass は農作業、運輸、医療などの領域がメインで、消費者向けに展開されるかは未定ですが、消費者も含めたより多くのユーザーへの普及が期待されています。

②BtoCにおける導入

前述のやGoogle Glassはデバイスの値段が高価であることもあり、消費者が一般利用するには難しいのが課題でした。

そこで、消費者がARを利用するという場合に、最も現実的な方法はiPhone・Androidといったスマートフォンを用いたARシステムの利用になります。

既にAppleは「ARKit」、Googleは「ARcore」というARSDK(ARを開発する際に必要なツールのセット)をリリースしており、高価な機器を買うことなく身近なiPhoneやAndoridスマートフォン上でも十分にAR体験をすることが可能になっています。

しかし、消費者に対してのARの活用は未だ実用的なところまでは進んでおらず、これからさらに消費者が手軽にARを活用できるようなAR技術の実用化が期待されています。

一方、企業ではARはマーケティングの有力な手段として、非常に実践的な導入がされています。具体的に各企業ごとの導入事例を見ていきましょう。

4.各企業の活用事例


①IKEA 「家具を試し置きできるサービス」

大手家具メーカーのイケア(IKEA)はAR技術を用いて、部屋の中に疑似的に家具を配置できるアプリ 『IKEA Place』を配信しています。

顧客はオンラインで家具を購入する際に、その家具を自分の部屋にアプリを使用して疑似的に配置することで、購入する前にそのイメージを見て問題がないか確認することができるのです。

②Modiface「化粧品を購入前に疑似的にメイクできるサービス」

ModiFace社によるARを活用したメイクアプリによって、 ARを使って顔にメイクをしたようなフィルターを施すことができます。

また、試した化粧品をギャラリーのように空間に並べて見ることもできます。 実際にメイクをする前にメイク後のイメージを見比べられるのは便利ですよね。

③テレコムスクエア「目的地の表示・方向・所要時間を表示できるサービス」

訪日外国人向けに台湾の国際空港で配布されている「日本放題」というフリーマガジンでは ARを活用したナビゲーションアプリ「PinnAR」と連動した案内機能が備わっています。

掲載されているページに向けてスマートフォンのカメラをかざすことで 「PinnAR」が起動し、スマートフォン上に目的地の方向、距離、そこまでの所要時間が表示されるようになっています。

このようにマップとARは大変相性がよく、さまざまな場面でサービス化されています。

④プラスティックス「 収納ボックス の中身が透けて見えるサービス」

プラスティックス 社の「CA-TON」という収納ボックスは、 ただの収納ボックスと違い、手書きで文字やイラストを書き込めるラベルタグ(シール)が同梱されています。

これを、中身と同時にスマホで撮影することにより、 梱包後に物を探す際にフタを開けることなく、そのラベルタグをスマートフォンで読み取るだけで、 アプリ上に中身を表示して確認できるようになっています。

フタを開けることなく中身を確認できるのは非常に便利ですよね。

5.ARの今後


①急速に成長していくAR市場

ARはVRなどの関連技術とともに進化を続けており、その市場は急激に成長しています。

総務省に掲載されたデータによると世界全体では、2016年の2.7億ドルだったAR支出額は、2021年には約13倍の36.1億ドルになると予測されています。世界中の有名企業がARを使った新しい商品や技術の開発に取り組んでいるので、今後ますますARは私達の生活の中に普及していくでしょう。

②期待される新しいAR技術

現在、ARにおける課題として挙げられるのがデバイスサイズが大きいことです。デザインもメガネと言うよりもゴーグル状のものが多いので、実用的な観点から考えると改善が必要だと思われます。

しかし小型化も、単にゴーグルサイズのものがメガネサイズになるだけでは留まりません。さらにデバイスが小型化されていく例の一つとして、アメリカのスタートアップ企業「Mojo Vision」はディスプレイ内蔵型のスマートコンタクトレンズを開発しております。

朝そのコンタクトレンズを着ければ、視界の中でニュースが流れ、使っている公共交通機関の運行状況を知ることができるという、まるでSFで描かれるような世界が実現しようとしているのです。

このように、現代のAR市場では最先端の技術であるARを、いかに私達の日常に実用的な形で応用できるかが一番注目されています。

6.まとめ


いかがでしたでしょうか。

これまで一部の用途でしか使えなかったARですが、今後実用化が進むことで、さまざまな業務においてさらに活用されていくことでしょう。今後も、 ARの技術革新が楽しみですね。

ライター:井上

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