「カスタマーサクセス」という言葉が、特にSaaS（サース）業界を中心に広まってきています。

※SaaS…Software as a Service（ソフトウェア・アズ・ア・サービス）の略で、従来の買い切りのパッケージ商品とは異なり、ユーザーが自分のパソコンにソフトをインストールせず、インターネット経由でソフトを利用する仕組みのこと。

さて、今回はそんな話題のカスタマーサクセスについて詳しくご紹介します。

※2021年9月22日現在の情報です

目次

1. カスタマーサクセスとは？
2. SaaSとサブスクリプションサービスの違い
   ①SaaSとは？
   ②サブスクリプションサービスとは？
3. カスタマーサクセスが重視される理由
   ①サービス解約のリスク
   ②競合他社と比べられやすい
4. まとめ
   

カスタマーサクセスとは、直訳すると「顧客の成功」という意味になります。

顧客のニーズを満たすためのサポートを受け身で行うのではなく、顧客の成功のため積極的にアプローチを行うのがカスタマーサクセスの特徴です。

わかりやすいように、「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」の違いを解説します。

「カスタマーサポート」というと多くの方がイメージするのが、コールセンターに問い合わせを行い、操作方法や故障などの対応をしてもらうという事ではないでしょうか？

カスタマーサポートは、電話がかかってきたら対応する「受け身」の姿勢で、目的は顧客の「問題解決」です。

言い換えると、「できるだけマイナスを作らないようにする」のがカスタマーサポートの特徴だと言えます。

それに対して、カスタマーサクセスは「自発的」な姿勢で、目的は「顧客の成功」になります。

こちらは言い換えると、「プラスを作り出す」というニュアンスに近いものになります。

さて、カスタマーサクセスの意味が明確になったところで、次の章ではカスタマーサクセスが重視されるようになったきっかけである「SaaS」とそれに関連した「サブスクリプションサービス」について簡単に解説します。

結論から言うと、SaaSのサービス提供方式のうちの一つが定額課金を意味する「サブスクリプションサービス」と呼ばれています。

①SaaSとは？

SaaSはインターネット経由でソフトウェアを使用する仕組みのことです。

従来のようにソフトを一回購入して自分のパソコンにインストールすれば永続的に使えるという方式ではないというところがポイントです。

SaaSは、使用する度に料金を払う「都度課金」や、毎月（毎年）決まった料金を払っている間はソフトが利用できる「定額課金」という方式でソフトが利用ができるようになっています。

いずれも、お金を払っている間だけソフトが利用できるということから、ソフトの提供というよりはサービスの提供を受けるというイメージになります。

それを踏まえると、SaaSがSoftware as a Service（ソフトウェア・アズ・ア・サービス）、日本語で「サービスとしてのソフト」と呼ばれるのも納得できるのではないでしょうか。

②サブスクリプションサービスとは？

多くのSaaSサービスは、都度課金よりも定額課金を採用しているサービスが圧倒的に多いです。そのため、SaaS＝サブスクリプションサービスというようなニュアンスで使われる事が多くなっています。

整理すると、SaaSは以下の2種類に分かれ、ほとんどが②のサブスクリプションサービスを採用しています。

①都度課金
②定額課金（サブスクリプションサービス）

さて、これらの特徴を踏まえた上で、次の章ではカスタマーサクセスが重視されるようになった理由について考えてみます。

①サービス解約のリスク

カスタマーサクセスが重視されるようになった理由はSaaSのサービス提供方式の一つである「サブスクリプションサービス」が広まったためです。

従来のソフトを一度購入してパソコンにインストールすれば終わりという「買い切り型」と呼ばれる方式では、「ソフトを購入してもらうこと」がゴールで、後は問題があれば「カスタマーサービス」で対処するだけで十分でした。

それに比べててサブスクリプションサービスでは、サービスを利用してもらうためには「サブスクリプションサービスに申し込んでもらうこと」が必要となり、それはゴールではなくスタートだと言えます。

なぜなら、例えば月額課金型のサブスクリプションサービスでは、ユーザーが一カ月の間に「このサービス（ソフト）はあまり使いやすくないな」と感じてしまうと、たった一カ月でサービスが解約されてしまう場合があるからです。

②競合他社と比べられやすい

また、サブスクリプションサービスを採用している企業が多くなった今日では、少しでも競合他社のサービスが優れているとユーザーが感じた場合、自社のサービスに特に問題がなくても、他社に乗り換えられてしまうことがあり得ます。

言い換えると、サービスの提供元が能動的にユーザーにメリットを感じさせるようなアクションを行い、サービスを使い続けてもらうという攻めのスタイルがサブスクリプションサービスの世界では求められます。

つまり、この攻めのスタイルが必要になったことが「カスタマーサクセスが重視されるようになった理由」なのです。

今回はカスタマーサクセスについて詳しく調べてみました。

まとめると、
カスタマーサクセスとは「顧客の成功」という意味で、顧客のニーズを満たすため、積極的にアプローチを行うのが特徴です。

当記事がカスタマーサクセスについての参考になれば嬉しいです。

ライター：井上

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