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はやぶさ2の帰還!迎える前に知っておきたいこと

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地球への帰還予定日が2020年12月6日(日)に迫った小惑星探査機「はやぶさ2」。記念すべき帰還日を迎える前に、初号機である「はやぶさ」についても含めて、少し勉強してみたいと思います。

なるべく簡単な言葉で書いていくので、導入編としてお楽しみください。

目次


  1. 小惑星探査機「はやぶさ」について
    名前の由来
    はやぶさの目的
  2. 後継機である「はやぶさ2」について
    サンプル採取の方法
  3. S型?C型?小惑星の分類
  4. イトカワとリュウグウが目的地に選ばれた理由
  5. 探査機打ち上げから回収まで
    計画から打ち上げまでに18年
    撮影から2ヶ月かけて着陸
    サンプル採取が失敗していたかも?という不安
  6. まとめ

小惑星探査機「はやぶさ」について


宇宙空間や、その中にある惑星の調査をするための宇宙機の1つです。探査機は基本的に無人で、はやぶさも同様です。

小惑星「イトカワ」へ向かったはやぶさ。途中で通信が途絶えたことから帰還は絶望的と思われていましたが、2010年6月13日、オーストラリアの砂漠地帯に着陸。2003年5月9日の打ち上げから7年後の奇跡の帰還として、当時ニュースでも大々的に取り上げられていました。

映画やアニメ、小説といった多数のメディアミックス展開がされたので、記憶に残っている方も多いかもしれませんね。

名前の由来

名前の由来は、小惑星の地質調査の様子が、鳥のハヤブサに似ていたことからきています。一瞬で着陸してあっという間にサンプルを採取する素早さが、ハヤブサの狩りの動きに似ていた、ということのようです。

ほかにも、寝台列車の「特急はやぶさ」や、鹿児島県の地名「隼人」にちなんだとも言われています。

最終的には、濁音が入っていて力強い印象があることが好評で「はやぶさ」に決まりました。

はやぶさの目的

はやぶさは、S型小惑星イトカワの調査を目的に打ち上げられました。主な任務は、イトカワに着陸して、無人操縦のまま惑星の土といったサンプルを持ち帰る(サンプルリターン)ことです。

その他にも、イオンエンジンの運用試験の役割も担っています。

イオンエンジンの詳しい仕組みについては省きますが、少ない燃料で長時間稼働できることから研究が進められているエンジンです。人工衛星といった、長い期間宇宙に留まる機体へ運用されています。

後継機である「はやぶさ2」について


初号機のはやぶさに続く探索機として開発されたのがはやぶさ2です。エンジンの運用試験といった役割も兼ねていた初号機とは違い、C型小惑星「リュウグウ」からのサンプルリターンが任務になります。

初号機の帰還から4年後の2014年12月3日に打ち上げられ、さらに5年後の2019年2月22日にリュウグウへ着陸。調査を終えて、同年11月13日にはリュウグウから離脱しました。数字で見てみると、途方もない時間と距離をかけているのがよくわかります。

2020年7月に、帰還予定日が12月6日になると発表されました。着陸する場所は、初号機と同じオーストラリアの予定です。

サンプル採取の方法

サンプルリターンを任務とするはやぶさ2。採取方法は初号機から大幅に改良され、より正確なものが採取できるようになりました。

センサーやカメラといった様々な機能が搭載されている探索機ですが、はやぶさ2の主な採取方法はクレーターを作ることによる小惑星の内部調査です。

ものすごく簡単に説明すると…

①爆発物を小惑星に設置
②爆圧の影響がない場所まで探索機が避難
③小規模な爆発を起こすことでクレーターを作る
④惑星の内部が露出するので、それを採取する

という流れになります。

こうすることで、熱や風化の影響を受けていない、より正確なサンプルを持ち帰ることが可能になりました。

S型?C型?小惑星の分類


初号機はやぶさの目的地はS型小惑星イトカワ。後継機はやぶさ2の目的地はC型小惑星リュウグウですが、はたして小惑星の型とはいったい何なのでしょうか?

小惑星は、構成する成分などによって大きく5つに分類されます。

①C型小惑星…炭素(C)を主成分とする小惑星。
②S型小惑星…ケイ素(Si)を主成分とする小惑星。
③X型小惑星…鉄隕石など複数の成分を含む小惑星。
④D型小惑星…光の反射が少なく、暗い(Dark)小惑星。
⑤V型小惑星…太陽系小惑星ベスタ(Vesta)に似た成分を持つ小惑星。

その他、紫外線の吸収率でB型やF型などに細分化されることも。数が多いことから、X型小惑星のうちのひとつであるM型小惑星が取り上げられることもあります。このMは、金属(Metal)を多く含むことが由来となっています。

イトカワとリュウグウが目的地に選ばれた理由


初号機はやぶさがS型小惑星イトカワを目的地に定められたのは、当時探査可能な小惑星だったから、という意外にもシンプルな理由です。

探査機の能力不足や打ち上げ延期といった事情で第1、第2候補を断念し、第3候補として選ばれた小惑星に、ロケット開発の父として有名な糸川英夫氏の名前をとって「イトカワ」と名づけられました。

一方の後継機はやぶさ2は、「C型小惑星のサンプルリターン」を目的に持ち上がった計画です。打ち上げ条件に合致するほぼ唯一のC型小惑星だったために選ばれました。

リュウグウという名前の由来は、「玉手箱を持ち帰る浦島太郎の物語が、サンプルリターンの任務と重なる」ということ、小惑星の成分から水の採取が期待されていたことから、海に関わる名前を望まれたこと、などなど、複数の理由があります。

探査機打ち上げから回収まで


長い時間をかけて調査を行う小惑星探査機。はやぶさ初号機と後継機ともに打ち上げから帰還まで7年の歳月をかけています。実際にどのような工程で行われているのか、初号機の流れから大まかに解説していきたいと思います。

計画から打ち上げまでに18年

はやぶさ初号機の計画は1985年に持ち上がったものでした。打ち上げの2003年からなんと18年も前なんですね。

サンプルリターンを目指したこの計画は、当時の技術の問題、他のプロジェクトの兼ね合いなどで何度か見送りに。正式に承認されてプロジェクトが始動したのは、立案から10年後の1995年のことでした。

打ち上げられたのは、2003年5月9日。イトカワに向けて順調に進んでいましたが、11月に太陽フレア(太陽の表面に起こる爆発現象)に接触したことで、加速機能が低下。イトカワ到着から離陸まで、計画から2~3か月遅れる予定に変更されました。

撮影から2ヶ月かけて着陸

はやぶさがイトカワの撮影に成功したのが、2005年9月です。細長い形状で、表面はゴツゴツした岩が多い地形だったようです。

イトカワに着陸したのは、同年11月20日のことです。近づいて撮影してから2ヶ月もかかったんですね…。宇宙空間では、小さなチリとの接触や、少し軌道がずれるだけで機械に不調を起こす可能性があるので、長い時間をかけて、慎重に動かす必要があります。

その後、観測記録やサンプルの採取を行い、11月26日にイトカワから離脱しました。

サンプル採取が失敗していたかも?という不安

ですが、11月28日に通信が途絶えてしまいます。交信は繋がったり切れたり…を繰り返しましたが、どうにか受信したデータを解析したところ、なんとサンプル採取用のカプセル発射を中断したとの記録が。もしかしたら、計画は失敗してしまったのかも…?という不安が残りました。

その後、帰還を当初の予定から3年延長した2010年6月に変更することが決定します。

懸命な復旧作業と停止を繰り返し、2010年6月13日に無事帰還を果たしました。採取失敗が懸念されていましたが、サンプルリターンも成功!水を含んだ鉱物が発見され、地球に水が誕生するまでの謎の解明に大きく貢献しました。

立案から25年かけての計画は、宇宙の研究に大きな進歩をもたらす形で完了しました。

まとめ


後継機にあたるはやぶさ2は、初号機打ち上げの翌年2004年に検討された計画です。そこから約16年後の今年、わずかな誤差は生じているようですが、順調に探査を終え、地球へ向かっています。

惑星探査の計画には、膨大な時間と労力がかけられています。どんな任務を背負い、どんな困難を乗り越えてきたのかを知り、12月6日、遥か彼方の惑星から帰ってくる探査機を温かく迎え入れたいですね。

ライター:野倉

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