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毎年春先にわたしたちの頭を悩ませるあいつ、「花粉症」。
「今年初めてなっちゃった…」というあなたにも、「いつも苦労しています!」というあなたにも。
今回は、快適な春を過ごすために、花粉症とその対策についてご紹介します。
体内に入った花粉を外へ出すためのアレルギー反応です。主な症状は、鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみ。これらは「花粉症の4大症状」と呼ばれます。
咳、微熱、だるさといった風邪のような症状も見られます。悪化すると、日常生活に支障をきたすことも。副鼻腔炎や気管支炎の原因にもなり得るので、「たかが花粉症」とは言えません。
ちなみに、読んで字のごとく、花粉による症状で「花粉症」。別名で「枯草熱(Hay fever)」ともいいます。
19世紀の初夏、枯れた牧草が原因で発症すると思われていたためです。
英語圏では「花粉症(Pollinosis)」ではなく、こちらの呼び方をすることもあるんだとか。
目や鼻の粘膜に花粉が触れると、ヒスタミン、ロイコトリエンといった物質が分泌されます。これらがくしゃみや鼻水、涙などの体液を使って花粉を外へ追い出してくれます。 その際、血管を刺激して膨張させてしまうので、血流がよくなります。
結果的に、血行がよくなったことで目がかゆくなったり、膨張した血管が鼻の穴を圧迫して鼻詰まりが起こったり、……といった症状に悩まされることに。
日本で花粉症を引き起こす植物は60種類以上あると言われています。
とくにスギ花粉による症状が一般的で、 2~4月はスギ花粉の飛散が活発になるので、日本中でその発症が見られます。ただ、北海道や沖縄ではスギの植生がなく、患者も少ない傾向にあるようです。
スギ花粉のほかに、ヒノキ科やイネ科の植物による発症の例もあります。
ヒノキ科の花粉の飛散時期も、スギ花粉とほぼ同じ3~4月。
ですが、イネ科の花粉はスギ花粉のピークが過ぎる4月から活発的になり、地域によっては10月ごろまで、断続的に飛散のピークを迎えることも。そして、11月に向けてまたスギ花粉が活動を始めます。
つまり、複数の花粉に対してアレルギーがある人は、一年中症状が出続けます。
春の症状というイメージですが、肌寒い時期も油断ができません。
花粉症になる原因はひとつではありません。
主な原因はアレルギー体質だと言われていますが、一定の条件がそろった場合も注意が必要です。
アレルギー症状はいわゆる免疫反応です。
睡眠不足やストレスが多い生活を続けていると、免疫力が低下します。免疫力が下がると正常にはたらかず、異常な症状を引き起こす原因となります。
また、近年の食生活の変化も原因のひとつと言われています。若者よりお年寄りのほうが花粉症になりにくい傾向にあり、これは、食生活が和食中心だったからではないかと考えられています。
排気ガスと花粉を同時に吸い込むと、花粉症になりやすいと言われています。
どちらも体にとっては有害な異物なので、過剰な反応が出てしまうのだとか。
加えて、田舎より都会のほうが症状は出やすくなります。田舎の土地は土が吸収してくれるおかげで、花粉が飛散しにくいそうです。反対に、アスファルトが多い都会では、吸収されなかった花粉が何度も空気中に舞うことに。
結果的に、花粉を体内に取り込む可能性が高くなり、発症のリスクも高まります。
症状を出さないためには、適切な対策が必要です。
つらい症状が出る前に、意識して対策に取り組みましょう。
眼鏡やマスクで目と鼻を保護したり、つばのある帽子を被ることで、粘膜や皮膚に花粉が付着するリスクを減らします。こまめな手洗いうがいや洗顔も効果的です。
また、花粉は湿度が高いと湿気で重くなり、地面に落ちます。室内を十分に加湿することで、密室内での飛散を防ぐことができます。人の動きや風の流れなどで再び花粉が舞うことのないよう、こまめな清掃も忘れずに。
空気清浄機の使用も効果が期待できます。日中だけではなく、睡眠時などにも活用するといいでしょう。花粉除去機能が付いたものも多く販売されています。
窓は基本的に閉めたままにします。
洗濯物は、可能な限り室内干しに切り替えたほうがいいでしょう。濡れた布は花粉が付きやすく、取り入れ時に大量の花粉を持ち込むことになってしまいます。
取り入れ時に掃除機やコロコロをかければ、外干しでもOKです。
外出の際は、花粉が飛散しやすい日を避けましょう。
風が強い日、晴れている日、乾燥している日は花粉が活発に飛散します。前日が雨だった場合も要注意。雨で落ちた花粉が地面に溜まり、乾くことで再び舞い始めます。
室内に入るときは、服を手で払うなどして、花粉を持ち込まないようにします。
ウールなどの毛羽立った素材の服は、花粉が付着しやすいので避けます。ポリエステルなどのつるつるした素材の服を選ぶと、花粉を持ち込むことを防げます。
花粉症は、体を正常に保つための反応です。
良質な睡眠やバランスのよい食事をとれば、異常な症状を抑えることにもつながります。
とくにアルコールや刺激物は厳禁。血管を膨張させて症状が悪化する可能性があるので避けましょう。糖や脂肪が多い食品も同様です。
反対に、乳酸菌やポリフェノール、食物繊維は症状の緩和が期待できるそう。乳酸菌はヨーグルトや味噌に、ポリフェノールはお馴染みのチョコレートやブルーベリーに、食物繊維は豆や海藻に多く含まれています。
すぐに効果が表れるものではないので、花粉のピーク期だけではなく、ふだんから積極的に摂取することをおすすめします。
目のかゆみや鼻詰まりは、冷やすことで一時的に症状を抑えることができます。
ただ、あまりに重症な場合は一度医師の診断を受けることをおすすめします。症状に合わせて、内科、耳鼻咽喉科、眼科などを受診してください。 アレルギー科がある病院ならば、花粉症についてより専門的に診断してもらえます。
症状が軽いうちなら、処方された目薬や飲み薬で抑えることも可能です。
わずらわしい花粉症ですが、ウイルスなどの外敵から体を守るためには必要な反応です。
花粉を体内に取り込まないように注意し、ふだんから規則正しい生活を心がけることが大切です。 仕組みと対策を知っておくことで、上手に付き合っていきたいですね。